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建築がユートピアだった時

集合住宅を計画中で資料をいろいろと読んでいると、集合住宅という形式のはじまりは19世紀半ばくらいで、20世紀前半までにかけて労働者のユートピアを目指して建設され、その社会的な要請とモダニズムという建築理念が一緒に隆盛した様子がわかる。

モダニストのコルビュジエの作品にも労働者住宅はあり、集合住宅はマルセイユのユニテ・ダビタシオンぐらいしか見たことはないが、しかしそれは労働者住宅ではないので、資料や展覧会などで図面や写真などを見ると、モダニズムの幾何学的な形態の建築に目を惹かれるが、そこにはその時代の社会性が反映されている端正な佇まいを感じていた。

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その当時の資料を見ていると、時代背景から求められる社会的な要請と建築がリニアに対応して、社会問題の解決に建築が直に用いられていた。現代から比べれば、その当時起きていた社会問題が明確で理解しやすかったから、生活に直結する建築だけで解決できることが多かったし、建築をつくる側も目標を立てやすかったのだろう。

だからか、その当時の建築を見るとつくる側から見てもユートピアに見える。現代では起きている社会問題が複雑過ぎて建築だけでは対応できないし、できていない。

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