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専修大 – 早稲田大 / 関東大学サッカーリーグ1部2013第10節

1年前を振り返ると、2019年の5月19日は、川崎フロンターレU-18の練習試合、川崎フロンターレU-15の関東ユース(U-15)サッカーリーグ、2年生たちのメトロポリタンリーグ、そしてフロンターレU-13の関東ユース(U-13)サッカーリーグと4試合を観戦していた。

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1日中等々力周辺にいるのは、ちょっと大変だったけれど、幸せな一日だった。

この日はU-13の関東ユースの初めてのホームゲームで、新チームがどんなプレーを重ねていくのか、楽しみにしていたことを思い出す。特に2019年のシーズンのU-13は、たくさんの選手が加わり、見に行くたびに「こんな選手なんだ」「こんなプレーをするんだ」と思わされる、喜びや驚きなどがあった。

今年もフロンターレU-13には、何人かの選手たちが加わった。先の見通しはまだ、ちょっとつかないけれど、今年も見に行くたびに、そんなことを思わされるときが来ればいいな、と思う。

時間の空いた今、昔のノートからフロンターレアカデミーを振り返る。29回目は、2013年9月の関東大学サッカーリーグ1部第10節、専修大 vs 早稲田大。大学に進んでいった川崎フロンターレU-18出身の選手たちが、大切な一戦に臨んだ。


【関東大学サッカーリーグ1部第10節 専修大 vs 早稲田大】
2013年9月4日(水)午後1時50分キックオフ 味の素フィールド西が丘 晴れときどき雨


2011年から連覇を果たしていた専修大。先発は、GK1福島春樹、最終ラインは右から2北爪健吾、3萩間大樹、6河津良一、5小口大貴、ボランチは14星野有亮、ゲームキャプテンの8下田北斗、トップ下13北出雄星、右に10仲川輝人、左に11前澤甲気、前線には23佐野弘樹。


仲川(3年)、萩間(2年)、小口(1年)とフロンターレU-18出身の選手が3人スタメンに名前をつらねた。なお、専修のキャプテンを務めていたのは、現在は浦和レッズでプレーする長澤和輝だったが、教育実習のため、この日は不在だった。



早稲田の先発は、GK1松澤香輝、最終ラインは右から12八角大智、2奥山政幸、3金沢拓真、6三竿雄斗、ボランチは5池西希、キャプテンの4中田航平、右MF18小松聖音、左MF24竹谷昂祐、前線には25宮本拓弥、10榎本大希。


早稲田も近藤貴司(現・大宮アルディージャ)、近藤洋史という主力選手が不在。




専修大は7勝1分け1敗、勝ち点22、得点29、失点13、得失点差+16で首位。早稲田は6勝2分け1敗、勝ち点20、得点13、失点6、得失点差+7で2位。


早稲田側のゴール裏では、サポーターグループ「ウルトラスワセダ」が熱い声援を繰り広げ、専修もメンバー外の部員たちがにぎやかに応援する、とてもいい雰囲気のなか、試合は始まった。


ボールを専修が持ち、それに対して早稲田が構えるような立ち上がり。専修はコーナーキックを得ると、下田の正確な左足からゴールを狙うが、早稲田はしっかり対応。


一方の早稲田も、下田にボールが入ったところを狙い、ボールを奪い、コーナーキックを得るが、専修はそれをしのいでカウンターに持ち込もうとする切り替えの良さを出し、流れのなかでは北爪、小口の両サイドが高い位置をうかがっていく。


キックオフ時よりもウルトラスワセダの人数が増え、ますます熱のこもった声援が送られるなか、25分、試合は動く。左サイド高い位置からエリア内へボールを入れると、エリア右、フリーで走り込んだ仲川がシュートを打つと、これが決まり、1-0。先制点は専修へ。


直後には、さらに専修。仲川がエリア内へ抜け出し、松澤もかわし、佐野にラストパスを送るが、早稲田はライン上でこれをブロックする好守。


コーナーキックをしのいだ早稲田は、三竿のアーリークロスからゴールをうかがうが、福島がセーブ。福島はすばやくリスタート。今度は専修、北爪が右サイドを仕掛け、クロスを入れると、北出が飛び込むが、松澤がセーブ。


専修はさらに下田の縦パスを受けた北出が前に持ち出し、北出のスルーパスに、星野がエリア内へ走り込むが、早稲田はこれを阻んで左コーナーキックに。こぼれ球を拾い、左クロスを入れると、最後は萩間がシュートを打つが、決めることはできず。


早稲田も44分には、右クロス、榎本がシュートを打つも福島がセーブ。こぼれ球に竹谷が詰めるが、専修はこれをクリア。しのいでいく。


首位攻防戦にふさわしい、息詰まるような展開。前半は1-0でタイムアップとなる。




後半立ち上がりは、専修。4分には、佐野がエリア内へ動き出す仲川を狙い、スルーパスを送るが、これは少し長いものに。5分には小口のスローインを受けた北出が仕掛けて、左コーナーキックを得ると、下田が左足で入れたボール、萩間が合わせるが、強いシュートにはならず。専修は両サイドから攻勢に持ち込み、7分には、小口のパスに前澤が高い位置へ。左クロスを入れるが、三竿がクリアしていく。


早稲田もようやく9分には、八角が右クロスを入れると、これが専修の河津の足に当たり、ゴールへ入りそうになるが、福島がセーブ。10分には、左クロスに池西が飛び込むが、福島が弾き出し防いでいく。


12分には、さらに早稲田。三竿の左クロス、こぼれ球を拾った中田がミドルシュート。しかし、左へ。ここで早稲田は小松に代わり28石川拓。


14分には、専修、セカンドボールを拾った下田がミドルシュートを打つが、左へ。さらに15分には、エリア前への浮き球、前澤が競り勝ってゴール前に。しかし、松澤がクリア。直後には、専修、北爪、仲川とエリア外右で回し、最後は佐野がシュートを打つが、枠外。


ここで専修は佐野に代わり25鈴木勇二。


17分、追いついたのは早稲田。カウンターに持ち込むと、竹谷のパスに、石川がエリア右へ。フリーで抜け出し、ゴールへ流し込み、1-1。早稲田のゴール裏を大いに沸かせる。


池西が、チームメートへの指示を、ずっと送り続けるなど、気持ちをあらわにしてプレーを重ねていく早稲田。19分には、三竿の左クロスに、石川が抜け出すが、合わせきれず。


すると直後には、専修、左に開いた鈴木が仕掛けていき、ゴール前にボールを送ると、遠いサイドに飛び込んだのは仲川。2-1。専修が再びのリード。


23分に取られた給水タイム明けも、専修は鈴木がゴールへ迫るなどしていく。この試合で、面白いな、と思わされたマッチアップは専修の北爪、早稲田の三竿。北爪がドリブルでかけ上がれば、三竿が正確なクロスでチャンスメークをしていく。25分には、その北爪へのファールで三竿がイエローカードを受けるなど、試合を通して、攻防を続けていく。


27分には、早稲田、宮本に代わり19山内寛史。29分には、三竿のクロスに池西が飛び込むが、ここでも福島がセーブ。さらに30分にも、早稲田はサイドからチャンスに。右に開いた榎本のクロスに、またもや池西が飛び込むが、専修はクリアしていく。


専修は31分、北出に代わり20中村駿介。


ここから早稲田が立て続けに三竿がクロスを入れるなど、攻勢に。得点力がある一方で、失点が少し多かった専修だが、何とかこれをしのぐ場面が続いていく。


34分には、早稲田、エリア前で山内が巧みなトラップで専修の選手を翻弄。シュートを打つが、上に。ここで早稲田は竹谷に代わり29小長谷勇太。


35分には、榎本が左からエリア左へ持ち込むが、福島が前に出てこれを阻んでいく。早稲田の時間帯は続き、41分には、エリア外から池西がミドルシュートを打つが、福島がセーブ。


ロスタイムは2分。エリア外で早稲田は石川が小口にファールを受けて、フリーキックに。小口にはイエローカードが提示される。


キッカーの三竿のフリーキック、八角が合わせるが、枠の少し上に。試合はタイムアップとなり、2-1。

2位の早稲田の猛攻をしのいだ専修が、勝ち点差を広げる大きな勝利を手に入れることになった。

2010年代前半、「サッカーってこんなに面白いんだ」と思わせてもらったチームがいくつかあって、2011年から4連覇することになる専修はそのひとつ。『攻撃的で美しいサッカー』の看板にふさわしい、また、会場に足を運びたい、とも思わせてくれるような、選手たちの技術が高く、楽しいサッカーをするチームだった。この専修を見て、大学サッカーのファンになったという人も多かったのではないか、と思う。

2018年、下田北斗がフロンターレに来てくれたことは、本当に嬉しかった。

専修には、この当時フロンターレU-18から多くの選手が進んでおり、本名正太朗、仲川輝人、萩間大樹と、U-18出身の選手が2010年から続けて、関東大学サッカーリーグの新人賞に選ばれ、2013年も小口大貴がそれに続くことになる。

仲川は、もちろん今と同様に、小柄だったけれど、スピードがあり、フィジカルも強く、シュートパターンも多彩で、「大久保嘉人みたい」と思わされるものがあった。

前半1-0 後半1-1 計2-1

得点:仲川輝人2(専修) 石川拓(早稲田)


専修の先発:1福島春樹、2北爪健吾、3萩間大樹、6河津良一、5小口大貴、14星野有亮、8下田北斗(c)、13北出雄星、10仲川輝人、11前澤甲気、23佐野弘樹

交代:佐野→25鈴木勇二 北出→20中村駿介

控え:21長島潤 5山崎貴雅 26野田卓宏 18東大樹 22山川翔也


早稲田の先発:1松澤香輝、12八角大智、2奥山政幸、3金沢拓真、6三竿雄斗、5池西希、4中田航平(c)、18小松聖音、24竹谷昂祐、25宮本拓弥、10榎本大希

交代:小松→28石川拓 竹谷→29小長谷勇太 宮本→19山内寛史

控え:21阿部雄太 22小川弘志 26西山航平 20山口潤

関東では桐蔭横浜や中央、筑波や順天堂、早稲田に慶應。東洋大、日本体育大、立教や日本大学、拓殖大、産業能率大に明治学院大、神奈川大などなど。2020年の今は、より多彩な大学に多くのフロンターレアカデミー出身の選手が在籍している。

ほかのサッカーと同様に、大学サッカーの開幕もちょっとまだ見通せないけれど、きっとまた彼らのプレーを見るときが来る。そのときをとても楽しみにしている。


(文中敬称略)


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