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だし×ピノ・ノワール!だし専門の自動販売機が新たな可能性を提案してくれた!

先日、上野公園近くで謎の自動販売機を発見しました。

それが、「博多の味やまや」という会社が製造している“だし”の自動販売機です。

広島の「うどん屋 だし道楽」の自動販売機は多くメディアに取り上げられているようですが、「博多の味やまや」の方はまだまだマニアック。

調べてみると羽田空港自動販売機が中心に取り上げられており、上野公園近く(厳密には湯島駅に近いコインパーキングの一画)に位置している自動販売機はあまり知られていないようです。

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“だしの自動販売機”と聞いて黙っていられる僕はではありません。

早速、缶コーヒーサイズの140円の「うまだし」を購入。

“だしに合うワイン”と名高いピノ・ノワールと合わせてみることにしました。

ピノ・ノワールとかつおだし

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「博多の味やまや」の自動販売機では、さまざまの“だし”が売られています。ペットボトルタイプのリアルガチな出汁は必要ないので、飲みきりタイプの缶コーヒーサイズの「うまだし」を購入し、ワインとの相性を確かめてみました。

今まで、いろいろと和食とワインの相性を調べてきましたが、ワイン関係者はだし系の料理と合わせるときは口を揃えて、“これは、だしが効いているので、ピノ・ノワールですね”といって提案してくれます。

アミノ酸量…つまり、うまみ成分がピノ・ノワールには多く含まれているから…という説があり、それでこういったアプリーチをされている方が多い傾向にあります。(アミノ酸にもいろいろな種類があり、それらが醸造や熟成法などによってそれらのバランスが変わるとか…。とにかく、独自に研究している方もいます)

たしかに、それもひとつのポイントかもしれません。

これら二つの論文を確認しましょう。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/30/0/30_179/_pdf/-char/ja

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/63/2/63_KJ00010055796/_pdf/-char/ja

まず、赤ワインと魚介(“だし”と想定)の相性については酸味があり総ポリフェノールが少ないワインがよろしいとのこと。(ピノ・ノワールはレスベラトロールがかなり多いですが…)

そして、かつおだしの研究の中にそれに含まれる成分としてフラネオールやバニリンが含まれていると示唆されているようですが、これらはピノ・ノワールにも含まれています。(MBAの方が多いが…)

とにかく、詳しいことははっきりしませんが、ピノ・ノワールは魚系の出汁と相性がかもしれない…ということで、暇なので試してました。

アルパカのピノ

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今回、使用するのはアルパカのピノ・ノワール。ブルゴーニュや日本産で試すべきですが、手元になかったのでこれにしています。

ちなみに、小さな赤系果実の香りに爽やかな風味、スムーズなタンニンの温暖な産地らしいピノ・ノワール。

特段、特別に尖っているわけでもないので価格通り平均的な味わいです。

ひとまず、二回目ですが暇なので「うまだし」の冷たいバージョン、温かい方バージョンでチャレンジしてみました。

冷たいバージョン

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「うまだし」は自動販売機で購入したばかりの時は温かいため、冷蔵庫で冷却。

しっかりと冷やしてからピノ・ノワールと合わせます。

結果、この組み合わせは良い相性を示しました。

“だし”特有の魚介系の香りが冷たさで抑制されており、ピノ・ノワールのイチゴのような風味が出汁の風味を包み込み口内で心地よくペアリングします。

酸味やほどよいタンニンが後口をさっぱりさせてくれ、今後ダイエット向けのペアリングになるのではないかと思ったほどです。

これなら寝る前に合わせても罪悪感はありませんね。

まぁ、“就寝前にワインを寝酒にする俺”的なムード感はゼロですが。

温かいバージョン

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次は、「うまだし」を温めてピノ・ノワールを合わせてみました。

温めると当然ですが、ふわっと魚介系の風味が豊潤になる上に余韻も長くなり、口内に複雑なフレイバーが広がります。

では、ピノ・ノワールと合わせましょう。

結果、悪くはないけれど…ちょっと違うな…という印象でした。

当たり前といえば当たり前かもしれませんが、魚介の風味が強くなりすぎると果実味と喧嘩してしまう上に、“だし”の特徴的な味わいが口内に残ることから、ワインの後味の酸と渋みや悪い方向に感じてしまうのです。

これに何か食材が入っていたら別かもしれませんが、冷たい「うまだし」との相性の方が数倍良かった…。

味わいの好みは人それぞれですが、個人的にはピノ・ノワールと合わせるのであれば、冷たいかつおだし。

今のところ、そう考えています。(まだ諦めませんが)

“冷やしうどん”דピノ”のペアリングに期待

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ちなみに、近くに粒状のかつおだしの素的なものがあったので合わせてみました。

切ないですね、素晴らしい相性です。

もしかしたら、かつおだしとピノ・ノワールを使った新たな「合わせだし」で奇跡の一品がつくれるかもしれません。

料理人の方は、ぜひチャンレジしてほしいと思います。

さて、今回のチャレンジでひとつ気がついたのですが、もしかしたら…

だしを使った関西風の冷やし肉うどん。(ゆずの皮をさらっと散らす)

これに、ピノノワールが合うかもしれません。

誰もそんなことをしないでしょうが、近々個人的にやってみようと思います。

“アホか!”と思ってください。

ただ、僕は日本人ですので、できれば日常的に食べている料理でワインを飲みたいという欲求があるのです。

今、誰もが自宅待機中でストレスが溜まっている状態。

だからこそ固定観念を捨て去り、誰にも認められなさそうなワインとの新しいペアリングにチャレンジしてみましょう。

人生には、“遊び”が必要ですから…。


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