見出し画像

何者でもないままで表現する勇気|信州ドリプラ2023参加レポート

「生き方開発lab」で一緒に活動している方が関わっている取り組み「ドリームプラン信州2023プレゼンテーション」に参加してきました。生き方開発labとしても、とても面白く参考になったので、今回はその時の様子と自分が考えたことを書きたいと思います。

ドリームプラン信州2023とは

ドリームプランというのは、元々は著名な起業支援者が始められた取り組みで、全国の地域で独自に開催されているようです。今回参加したドリプラ信州は

Will(=自分の意思)をカタチにする半年間のプロジェクトです。ドリプラ信州では半年間、自分のが本当にやりたいことは何かを問い続け、それをカタチ(事業)にしていきます。

ドリームプランプレゼンテーション2022HPより

という紹介がされています。ドリプラ信州自体は、東海地方で開催されたプレゼンテーション大会に参加された方が長野で開催したいと考え、仲間を集めて2021年から始まっています。

やりたいことがある人がプロジェクトに参加し、約半年間をかけて実行委員、サポートメンバー、お互いの力を借りながら

①自分のやりたいことを実現するための事業(事業計画書)
②事業の仲間を集める物語(プレゼンテーション)

を作っていく取り組みということでした。

事業の骨子は毎年変わらないようですが、毎年違うというキャッチコピーとメッセージが印象的です。これを読むだけでもどんな問題意識を持っているのかがよくわかります。

自分の夢を生きて何が悪い!
やりたいことや叶えたい夢、慌ただしい毎日の中で後回しにして、忘れてしまったり、自分には無理なんじゃないかとあきらめてしまったり。

やりたいことがあるけれど、勇気がない。家族がいるから、自分にはできっこない、能力が足りない、時間がない、もう夢見るような年齢じゃない・・・。

ドリプラは勇気を出して、半歩踏み出したチャレンジャーたちのプレゼンテーションです。

夢を語り、叶えることができるのは、決して特別なひとだけではありません。プレゼンターたちは、半年間、いろいろなひとに支えられながら自分と向き合い、実現したい世界を磨き上げ、どうしたら事業にすることができるか実験を重ねます。

夢にワクワクしながら、現実の大変さに打ちのめされそうになりながら、仲間と共にプランを創りあげていきます。

夢の実現にはたくさんの困難がある。それでも、あきらめない理由がある。

だから、プレゼンテーションを通じて仲間と出会いたい。誰かの夢があなたの夢に、あなたの夢が誰かの夢にそんな夢があふれる信州を創るための挑戦です。

ドリームプランプレゼンテーション2022HPより

プレゼンテーションの様子

会場の様子(開会前)

◎会場と参加者

長野県松本市にあるまつもと市民芸術館。松本駅から徒歩10分程度の大きなホールでした。会場には私のような一般の方から、プレゼンターの関係者と思わしき方、過去のプレゼンターがなど県内外、世代も様々で賑やかな雰囲気でした。

◎プログラム

・イントロダクション
・6名のプレゼン
・パネルトーク

上記の3部構成でした。

プレゼンの時間は、プレゼンターが用意してきた映像を投影し、その場で言葉を付け加える(アテレコ)形式。内容は、物語になっており、前半は事業の対象者の視点、後半は事業を作るプレゼンターの視点で語られていました。

例えば、病院でも自宅でもないおうちホスピスを立ち上げたいという方は、
前半:癌の末期患者がおうちホスピスに出会う前、出会った後の物語
後半:看護師としてこの事業を立ち上げることになった自分の物語
という感じです。

一人当たりのプレゼンは10分間。最初は短くないかと感じたのですが、映像と説明に迫力があり、短さを感じない密度の濃いプレゼンばかりでした。一人終わるごとにプレゼンターにメッセージを書く時間もありました。

パネルトークは、実行委員の進行で、3名のプレゼンテーターとサポーターが半年間を振り返る時間。プレゼンでわからなかった準備の様子や、プレゼンターの人となりや大会を運営する実行委員とサポーターの思いも垣間見れる面白い時間でした。

6名のプレゼンを聞いて

今回お話を聞いたのは6人でした(お名前をクリックするとtwitterの紹介投稿に飛びます)

両角光一さん
坂下明日可さん
前田汐美さん
穴田学さん
須澤加奈子さん
尾澤輝貴さん

一人ひとりのプレゼン内容には触れませんが、どの方も新しい場をつくりたいという気持ちがこもった内容でした。聞いて考えたことは2つありました。

◎感情と理性でやりたいことは社会化する

「やりたいことを事業にする」とは「個人的なことを社会的に行うこと」とも言えます。事業とは本来そういうことからスタートするものなんだと改めて感じました。
この移行を進めるには、感情も理性も必要です。それがプレゼンの様式(感情を前面に出す物語を構成されたプレゼンとして届ける)に現れていたように感じました。

◎「作ると壊す」を成立させる関係づくりがやりたいことを磨く

プレゼンターの皆さんは準備期間中に何度も事業を作り直したそうです。

・考えをまとめ、他者に真剣に伝える=作る
・他者から問いかけとフィードバックを真剣に受け止める=壊す

これを繰り返すには、このプロセスが必要であると信じられる場が必要です。参加しているプレゼンターはもちろん、このプロジェクトに関わっている実行委員やサポートチームの方々が同じ強度でこの場を作っていたからこそだと感じました。

まとめ|何者でもないままで表現する勇気

プレゼンターの皆さんは、看護師、会社員、教師など、これまでの肩書きがありました。しかし、今回チャレンジする取り組みは、どれもその肩書きを超える取り組みでした。

*クリックすると拡大します

今の自分という領域は抜けつつあるが、未来の自分という領域にはまだ入りきってはいない。何者でもない自分として表現されていたのではないかと思います。

私自身も今、これまでの自分でも、未来の自分でもない過渡期にいます。だからこそ、この半年間で皆さんの取り組みの大変やこの場でたどり着いた地点に価値と勇気を感じました。

もしかしたら生きる実感としては、「〇〇の私」の方が仮初で、この何者でもない領域こそはっきりしているかもしれません。それでも生きていく以上どちらの領域も私たちは潜っていかないといけない。その一端を見させてもらったと思います。

ドリプラ信州は次回も開催予定とのことです。興味ある方はHPに情報が公開されていくと思うのでご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?