クリエイティブ系で独立したいんだったら借金するな、高いオフィス借りるな、見栄張るな

 昨今クリエイティブ系の人々の「独立論」みたいな話がネットで賑わっておりますが、皆さん頑張ってください。しかしながら、少人数で起業したりフリーになったりするとついついやりたくなるのが「見栄張り」であります。まぁ「お前とは考えが違う」と反感を持つ方もいるでしょうが、以下はあくまでも私の考え。

 一つが著名なデザイナーに企業のロゴを作ってもらい、名刺で使う紙を分厚くしたりなぜか金箔が張られたりしてるのもいる。翻ってワシの名刺など、神保町「プリントパック」で作ったもので、しかも手書きを印刷しただけ。100枚120円。オレは字が汚いので住所や社名・肩書は弊社のY嬢に書いてもらい、オレが書いたのは名前とカエルの絵だけ。

 起業・独立すると、オフィスがやたらと一等地にあり、内装や家具等も『ku;nel』なんかに出てきそうなものにしたくなるわけですわ。まぁ、クリエイティブ系の場合、基本はパソコン1台あればなんでもできるので、起業するにあたって出資(という名の借金)を募り、賃料と内装にバカみたいにカネをかけるのは無駄。

 オフィスの場所は「利便性一択」で、「オシャレ度不要」であります。「打ち合わせする場所も必要」なんてことも言いたくなるかもしれませんが、そんなもんも不要。近くのドトールにでも行けばいいんですよ。何、守秘義務があって情報漏洩が困るですって? だったら白木屋かルノアールの個室、ないしはカラオケボックスにでも行っとけ。

 オフィスについては、売上が増えるとついついよりグレードの高いところに移りたくなるが、それはやめとけ。なぜかといえば、「固定費」ほど恐ろしいものはない。固定費を最初から安くしておけば、イザという時のダメージが激減される。仕事に「永遠」なんてものはなく、いつ発注主の気が変わって「今月から仕事なしね」となるか分からない。その時に、「最高の売り上げ予想」を基にした固定費設定をしておくと金策に走り回る必要が出てくる。

「税金の面で家賃が高い方がいいんッスよ!」なんて言うかもしれないが、その分は保険にしとけ。なぜかといえば、「より良い保険」なんてものは欲しくないものの、「より良い部屋」への欲望は無限大なのである。月20万円の部屋→70万円→よし、次は115万円だ! みたいなことになる。115万円にしても黒字が出ていた場合は、今度は140万円にしたくなる。保険の場合は「オレら1人ずつ年間1000万円ね」と決めておき、「その分部屋は立派にしないぞ」という考えになり、節税ができるほか、湧き上がる贅沢への欲求を減らすことができる。高い家賃のオフィスは「うわー、素敵!」「オシャレですね!」と来訪者に言われる、つまりは自尊心を満たす効果はあるものの、その自尊心がいつしか重要になり本末転倒なんてことも。オレとY嬢は高額の保険には入っているものの「キャー素敵な保険」なんて言われることはなく、ここには自尊心と虚栄心への欲求はない。

 安い事務所を借りることこそが、経営における最大のリスクヘッジになるのである。広いと余計な備品が増えるほか、そこに伴う人員数にしようという意欲も働き、とにかく足枷が増えてしまう。

「起業にはリスクがある」とは言われるが、クリエイティブ系の場合は「ない」とオレは断言する。ただし、の条件付きで「見栄を張らなければね」ということになる。こうした件については2020年以降にすべてまとめてnoteで売ろうかと思っております。以下、弊社・株式会社ケロジャパン本社の執務室です。左が弊社Y嬢のデスクで、右の棚の上に板を乗っけたモノが社長であるオレのデスクだ。

↑ Y嬢の父親が使っていた椅子だ。背もたれが取れてしまった。でも新しい椅子買う気ねぇ。「学生プロレスラー写真名鑑」が良い味出しとるだろ。

これが恐らく日本で100本の指に入るであろうしょぼ過ぎる社長のデスクである。Y嬢の父が使っていた棚の上に、かつて先輩の引っ越しの時にもらった机(ぶっ壊れてしまった)の一部である板を乗せたものである。

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