当事者意識とは何か?
・こんなに先行きは見えづらくなっているのに、全く危機意識が感じられない
・問題を指摘するばっかりで、具体的なアクションがない
・思考停止なのか、現状維持姿勢が継続していて変革への意欲が低い
組織の中でこのように、社員の当事者意識の無さを嘆く人は数多くいるものの、実際に自分が当事者意識のない人として周りから見られているということを自覚している人はほとんどおらず、多くの場合それを指摘されたとしてもピンと来ないばかりか、ムッとしてしまうことも少なくはありません。
当事者意識と混同されやすいのが、責任感です。
一般的に責任感と当事者意識は同じようなものとして扱われていますが、実際には似て非なるものです。
そして、両者を混同してしまうことが、組織の問題を解決させないばかりか、問題を増殖させてしまっています。
では、責任感と当事者意識の違いとは、一体何なのでしょうか?
責任感は道徳観や意思の問題であるため、責任感の有無は本人が自覚しやすいものであるのと共に責任を果たそうとするかどうかは本人が決められることになります。
それに対して、当事者意識は自分が状況の一部になっている、即ち自分という存在自体が現在生じている事象の発生に何かしら与えている影響の実態に対して、自ら気づいていることを意味しています。
また、責任感に関しては、単純にその有無しか存在していませんが、当事者意識に関しては、実際には当事者であるものの、そのことに意識が及んでいない、即ち気づいていないということが生じえます。
つまり、実際に当事者であることと、そのことに対して当事者意識があることの間にはギャップが生じうるということです。
そしてこのギャップは、人間の「認知の限界」によって生じるのです。
1.見たことを認識しない(認知と思考の分離)
2.思ったことを言わない(思考と発言の分離)
3.言ったことをしない(発言と行動の分離)
4.したことを見ない(行動と認知の分離)
「当事者意識を損なう4つの学習障害」として示されるこの4つの分離はいずれも超えていくべきものですが、特に、「1.見たことを認識しない」という「認知と思考の分離」が当事者意識の欠如に大きく影響を及ぼしています。
「他の誰でもない自分自身が当事者意識のない状態にある」というところに
立てた時はじめて、評論家・分析家姿勢から当事者姿勢に転換するプロセス
が始まるのです。
あなたの目の前に『認知と思考の分離』があるとしたら、それは何ですか?
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