中野敏治 Official Homepage

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  • エッセイ

    思いのままの出来事を

  • 感動ストーリー

    子は宝です。教えていると思ったら子から学ぶことが多かった。子どもたちがプレゼントしてくれた感動秘話。

  • やまびこ通信「かけはし」

    やまびこ通信「かけはし」より掲載。やまびこ通信「かけはし」は無料でメール配信しています。配信をご希望の方はご連絡ください。

  • 講演関係

    講演活動等を載せています。講演依頼も受け付けています。

  • プロフィール

    元公立中学校長、 やまびこ会(全国教育交流会)代表、 YPC(やまびこ会ペンクラブ誌)事務局 あしがら己書道場師範 日本文理学院相談役 フリーインターナショナルスクール(FIS)相談役 日本教育ペンクラブ員 あしがら学び塾塾長 あしがら教師塾塾長 令和の寺子屋教育塾主宰 等  NHKラジオ深夜便出演、読売新聞教育相談員、あこがれ先生プロジェクト登壇 等  全国各地で講演活動中、教育関係本を多数執筆、大学にて教職課程受講学生に講義等の活動をおこなっている。  また、教育実践は  「祈りの詩人 坂村真民の風光 自分の花を咲かせよう」(PHP研究所)  「孤独になる前に読んでおきたい10の物語」(講談社)  「主題のある人生」(PHP研究所)等にて紹介される

最近の記事

クリスマスツリーがない

🌲クリスマスイブの夜に🌲  クリスマスは幼い頃も大人になってもワクワクしたり、心静かな夜を楽しんだりとちょっと特別な日になります。  今日は「クリスマスイブ」  幼かった頃、我が家にはクリスマスツリーがありませんでした。  クリスマスが近づき、近所を歩くと、それぞれの家の窓から、クリスマスツリーの明かりが漏れていました。  ある家は窓際に、ある家は応接間に、ある家には庭に、キラキラ光るクリスマスツリーが輝いていました。  どうして我が家になかったのか、親に聞いても教えて

    • あのラーメン屋が閉店

      知人のラーメン屋が閉店 「え!あのラーメン屋が店を閉めるって本当?」 「あれだけ常連客がいたのに」 突然の話で驚いた。しかも閉店まであと3日という。 店長は小学校の時からの同級生。学校を卒業した後、横浜中華街で修行し、修行を終えるとすぐに生まれ故郷にもどった。そこで小さなラーメン屋をオープンした。  同窓会が行われると二次会、三次会と飲み歩く中で、最後に行き着く場所はいつも彼のラーメン屋だった。みんなでラーメンを食べ、冷蔵庫からビールを出し、懐かしい話はさらに盛り上が

      • 「過ぎたるは及ばざるが如し」

        「過ぎたるは及ばざるが如し」 お正月にデパートに出かけた。新年の福袋や売り出しでどのフロアーも多くの人で賑わっていた。 最上階のフロアーは、いくつかの催し会場となっていた。その一角には、雛人形が通路に出るほどに飾られていた。 色とりどりの雛人形を見ているだけで、春を感じることができる。 買うあてもなく、雛人形の飾られている催し会場へ入っていった。新年の売り出しのせいだろうか、ここにも多くの人がいた。 生まれて数ヶ月と思われる、まだ話すこともできない赤ちゃんに「どれが

        • 決まりって?

          熱が出た。37.3°C。 近くの医院に連絡をすると 「37°C以上の方は発熱外来の時間に来て、車の中でお待ち来ください」と。 指定された時間に医院に行き、駐車場から電話を入れた。 「しばらくお待ちください。車のナンバーを教えていただけますか。担当の方が車まで行きますから」と連絡が入る。 コロナ感染予防のため顔にはガードマスク、全身真っ白な衣装、頭にも同じ素材の真っ白な帽子。 その姿で一人の看護師が車のところまで来ると、窓を叩き「窓を開けてください」とやや大きめの声で話

        クリスマスツリーがない

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        記事

          同じことができることは幸せなんだよ

          同じことができることは幸せなんだよ 95歳になるおばあちゃんと話をしていた。 話の途中から病気の話になった。 「私は高血圧で、最近調子が悪くてね」 「寒くなってるから、注意してくださいね」 「歳をとると、病気の話になってしまうね」 そんな話を。 「そうそう、私ね、私より4つ上の99歳の友達がいてね」 とその方は友達との話を教えてくれた。 * この前、99歳の友達と話をしていたらね、 毎年、大晦日になり、新年を迎える。 毎年、大掃除をし、年賀状を書き、近くの神社に初詣に

          同じことができることは幸せなんだよ

          亡き父の思い出が生まれた〜柿の剪定〜

           12月に入り、庭や畑に植えてある木々の剪定を始めた。  木々が体を休めている時期だから、来年のために伸び切った枝を切ってあげる。「今年も美味しい実をつけてくれてありがとう。来年も大きな実をつけてね。しばらく体を休ませて、また元気に成長してね。」という思いで枝を選び、痛くないようにそっと切っていった。  いちじくの木の剪定を終え、柿の木の剪定をしていたときだった。  歩道を歩いている何人もの方が梯子の上にいる私を見上げる。  ある高齢の方が立ち止まって、見上げながら話

          亡き父の思い出が生まれた〜柿の剪定〜

          命の大切さを実感

          『誰もいなくなった教室』子猫が朝の会に  ある朝、教室へ向かう途中で、クラスの男子生徒とすれちがいました。何かを制服の中に入れ、私の声にも気づかない様子で小走りで教室に向かっていました。  教室へ入ると、どこからか子猫の泣き声がするのです。 教室を見渡す私と目が合ったのは先ほどの生徒でした。  突然その生徒は立ち上がり、 「先生、学校へ来る途中の道端でこんなに痩せている子猫が箱に入れられ、捨てられていたんだ。過ぎ去ろうと思ったけど、この猫が俺のほうを見て泣いているから、

          『独りになる時間も成長には大切』

          園児の大きな成長を予感  幼稚園の公開保育へ参加しました。登園の様子から降園までの園児の一日の生活を見させていただきました。  園児の登園の様子はさまざまでした。 元気に「おはよ!」と先生に挨拶をして、自分の教室に走っていく子。 園庭で飛べるようになった縄跳びをおかあさんに見せている子。 泣きながらおかあさんにおぶされ、登園してくる子。 園についても、おかあさんの背中にしがみついたまま降りようとしない子。 おかあさんが帰るときになって急に寂しい顔になってしまう子。  そ

          『独りになる時間も成長には大切』

          『俺たちにとっては、最後の学校なんだ』

          駐車場でたむろする少年たち  ある日、駅前の居酒屋で職場の仲間と飲んでいました。いろいろな話で盛り上がり、居酒屋を出たのは、もう深夜11時を過ぎた頃でした。  我が家までは、歩いて30分ほどかかります。もう最終のバスにも間に合わず、タクシーは多くの人が並んでいたので、駅で仲間と別れたあと、1人で家に向かって歩きだしました。  しばらく歩いたところに大型スーパーがあります。そのスーパーの駐車場の暗闇の中に、数台のバイクと人影が見えました。しかも、暗闇にいる人影は私の方をじっ

          『俺たちにとっては、最後の学校なんだ』

          親子の愛

          意識が行動に ある日の夕方。自宅のベランダに出て外を見ていると、小学4年生くらいの女の子と弟らしい男の子が手を繋いで歩いているのが見えました。 ベランダからは近くの会社が見えます。その会社敷地内にはお稲荷様が祀られています。その前を二人の姉弟は歩いていたのです。 お姉ちゃんが弟の手を離し、お稲荷さんの前まできて、手を合わせたのです。 それを見ていた弟もお姉ちゃんの真似をして、目をつむり、手を合わせていました。 会社などによくあるお稲荷さんは、商売繁盛・厄除けなどを意識

          巣立ちゆくあなたへ

          (全文は動画で https://www.youtube.com/watch?v=s_1RWkeA-Vg) 夜泣きをして寝付かないとき、ずっと寝ずにあやしてくれたのは誰ですか。 朝、なかなか起きられない時、大きな声で起こしてくれたのは誰ですか。 入学式のとき、みんなと同じようにと制服や通学バックを用意してくれたのは誰ですか。 風邪やインフルエンザで熱が出た時、心配してくれたのは誰ですか。 忘れ物をしたとき、そっと学校へ届けてくれたのは誰ですか。 部活動の大会や休日練

          巣立ちゆくあなたへ

          『修学旅行は、親思う旅』

          親と教師の内緒の話 多くの学校では一学期に学級懇談会があります。修学旅行が間近に迫っている学年では、懇談会の中で修学旅行の説明会も行われます。 私は、ある年から三年生を担任すると、修学旅行前に保護者と内緒話をするようになりました。 「子どもたちに内緒で、お願いがあります。修学旅行先で子どもたちが家庭に手紙を書きます。その時に、保護者からの手紙をそっと用意しておきたいのです。」 とお願いをします。 担任からの急なお願いに多くの保護者はためらい、わが子へ何を書いたらよい

          『修学旅行は、親思う旅』

          捨てられていた子猫に・・・

          子猫が朝の会に ある朝、教室へ向かう途中で私のクラスの男子生徒とすれちがいました。何かを制服の中に入れ、背中を丸めながら、私の声にも気づかず、小走りに教室へ向かっていくのです。 少し遅れて私が教室へ入ると、どこからか子猫の泣き声がするのです。教室を見渡す私と目が合ったのは先ほどの男子生徒でした。 突然その生徒は立ち上がり、 「先生、学校へ来る途中でこんなに痩せている子猫が箱に入れられ、捨てられていたんだ。過ぎ去ろうと思ったけど、この猫が俺のほうを見て泣いているから、学校

          捨てられていた子猫に・・・

          還暦の日

          子供達のサプライズ 突然、娘家族がやってきた。2歳の子供は、久々にバーバと会い、大はしゃぎだった。 娘は「今日はお昼ご飯の支度はしなくてもいいから」と言うと、一人、車で出かけて行った。 帰ってきたときには助手席に息子が乗っていた。車から降りてくる二人の手には、たくさんの荷物を持っていた。 「ただいま~」 二人は大きな声で玄関に入ってきた。手に持っていたのは、有名なお寿司屋さんのお寿司やケーキなどだった。 母は県外に住んでいる息子を見てびっくりしながら「今日は仕事で

          『いのちは時間』

          いのちは時間  いのちの授業で著名な鈴木 中人さんは「いのちびと」という機関紙を発行しています。先日43号を読ませていただきました。この第43号に載せられていた作家・コラムニストの志賀内 泰弘さんの文章に目が止まりました。そこには『いのちは時間である』という医学博士の日野原重明さん言葉が紹介されていました。日野原さんは『心臓は生きるために必要だけど、そこに命があるわけじゃない。これから一番、大切なことを言います。命とは、人間が持っている時間のことです』とも言われていました。

          『俺たちにとっては、最後の学校なんだ』

          駐車場でたむろする少年たち ある日、駅前の居酒屋で職場の仲間と飲んでいました。いろいろな話で盛り上がり、居酒屋を出たのは、もう深夜11時を過ぎた頃でした。 我が家までは、歩いて30分ほどかかります。もう最終のバスにも間に合わず、タクシーは多くの人が並んでいました。しかたなく、駅で仲間と別れたあと、1人で家まで歩きだしました。 しばらく歩いたところに大型スーパーがあります。そのスーパーの駐車場の暗闇の中に、数台のバイクと人影が見えました。しかも、暗闇にいる人影は私の方をじ

          『俺たちにとっては、最後の学校なんだ』