ナカさんのクラシック音楽コラム 15 春はマーチで
3月です。三寒四温、だんだんと春が近づいてきました。
英語でMarch。行進曲のマーチと同じです。なんででしょ?
語源はラテン語で「軍神 Mars の月」という意味だそうです。
軍神マルスは、ローマ神話では「戦」と「農耕」の神。3月は気候も良くなり、軍隊を動かすにはちょうど良い季節。そして農耕も始める季節でもあります。
音楽のマーチといえば、やっぱり吹奏楽!華やかで元気が出ます♪
『マーチ王』といえばジョン・フィリップ・スーザです。
スーザは1854年ワシントンDCで生まれました。父親はポルトガル出身のトロンボーン奏者で、スーザは幼いころから音楽に囲まれて育ちました。
13歳でワシントン海兵隊楽団に入団、その後も各地のバンドを転々とし、のちに「スーザ吹奏楽団」と自分の名を冠したバンドを作り、アメリカ国内のみならず海外でも演奏活動を活発にしていました。その旅の途中で作曲されたのが「星条旗よ永遠なれ」です。この曲はスーザのもっとも有名な行進曲でしょう。 1987年にはアメリカ合衆国の「国の公式行進曲」にも制定されています。
金管楽器の華やかなメロディで始まり、ピッコロの可愛らしい中間部、力強い低音の16分音符の下降系メロディ、最後は壮大にグランディオーソで締めくくられます。この曲をコンサートのアンコールで演奏する場合、最後は金管奏者スタンドプレイすることが多いです。最近ではシエナウインドオーケストラでおなじみの曲になりました。
皆さん、野球応援で白くて丸いベルのついた管を体に巻きつけて演奏する楽器を見たことがあると思います。スーザ考案のスーザフォンといいます。オーケストラや吹奏楽で使われるチューバを野外でも演奏しやすいようにしたものです。
そのチューバですが、普通マーチの伴奏といえば4分音符の単調なものがほとんどですが、星条旗よ永遠なれの冒頭部ではこんな細かい音符を吹いてます。
高校生の頃、チューバを始めたばかりの私には正直・・・難しかったです!なぜここにこんな面倒くさい音符が・・と思ったものです。でも、これがあるからこそマーチを引っ張っていくような躍動感ある伴奏になるのだと思います。吹奏楽では定番のマーチですが、キッチリ吹くとしたら意外と難しい楽譜です(汗)この曲を聴くときにはちょっと低音にも耳を傾けてみてください。
スーザのマーチには良い曲がたくさんあります。忠誠、ワシントン・ポスト、美中の美、海を越えた握手・・・最近のスクールバンドはあまり昔のマーチを演奏しないようで淋しい限りです。もっとスーザのマーチが演奏されてほしいと思います。
3月は卒業や進学、就職や異動など生活環境変わる方が多いと思います。マーチで元気に前進してまいりましょう~!
2016.3
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