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ナカさんのクラシック音楽コラム 3 《吹奏楽名曲伝説》第3回目 レイフ・ヴ ォーン=ウィリアムズ作曲 の『イギリス民謡組曲』

吹 奏 楽 名 曲 伝 説 、 第 3 回 目は レ イ フ ・ ヴ ォ ー ン = ウ ィリ ア ム ズ 作 曲 の 『 イ ギ リ ス民 謡 組 曲 』 を 取 り 上 げ ます 。
レ イ フ ・ ヴ ォ ー ン= ウ ィ リア ム ズ は 1 8 7 2 年 10 月12 日 イ ギ リ ス の グ ロ ス ター シ ャ ー 州 に 生 ま れ ま した 。 R a l p h は 通 常 は ラ ルフ と 読 み ま す が 、 本 人 が 古風 な 発 音 に こ だ わ っ て 『 レイ フ 』 と 名 乗 っ て い た と こと も あ っ て 、 こ の よ う に 表記 さ れ る こ と が 多 い で す 。
( グ ロ ス タ ー シ ャ ー 州 は 北 海 道 よ り ず っ と 北で す 、 寒 そ う 。 )
イ ギ リ ス の 作 曲 家 と い えば 『 惑 星 』 で 有 名 な ホ ル スト ( ホ ー ス ト と 表 記 し た ほう が 本 来 の 発 音 に 近 い ) がい ま す が 、 二 人 は と て も 仲が 良 く 、 2 歳 年 下 の ホ ル スト と は 王 立 音 楽 大 学 時 代の 仲 間 で 、 作 品 を 見 せ 合 った り 音 楽 の 意 見 を 交 わ した り す る こ と も あ っ た そう で す 。
そ の ホ ル ス ト が 『 吹 奏 楽 のた め の 組 曲 ( 第 一 ・ 第 二 ) 』 を作 曲 し た 1 9 1 1 年 か ら 12年 後 に 『 イ ギ リ ス 民 謡 組曲 』 は 作 曲 さ れ ま し た 。 それ ま で の 吹 奏 楽 と い え ばま だ ま だ 内 容 に に 乏 し い作 品 し か な く 、 陸 軍 の 音 楽監 督 を 務 め た 経 験 も あ るヴ ォ ー ン = ウ ィ リ ア ム ズは よ り 芸 術 性 の 高 い 吹 奏楽 作 品 を 生 み 出 し た い とい う 気 持 ち が あ っ た の でし ょ う 。 そ れ ま で に 収 集 して き た 自 国 イ ン グ ラ ン ドの 民 謡 を 素 材 に し た 4 つ の曲 が 生 ま れ ま し た 。 1 9 2 3年 に 王 立 軍 楽 学 校 の 司 令官 サ マ ヴ ィ ル 大 佐 の 依 頼で 作 曲 さ れ 、 同 年 7 月 に アド キ ン ズ 中 尉 指 揮 の 王 立軍 楽 隊 に よ り 初 演 さ れ まし た 。 当 初 4 楽 章 の 曲 と して 作 ら れ ま し た が 、 そ の 中の 2 楽 章 は 独 立 し た 吹 奏 楽作 品 ・ 行 進 曲 『 海 の 歌 』 と して 扱 わ れ る こ と に な り 、 3楽 章 形 式 の 組 曲 に な り まし た 。 ( 今 現 在 は 原 典 版 とし て 4 楽 章 形 式 で 演 奏 さ れる こ と も あ り ま す 。 )
第 1 曲
行 進 曲 「 日 曜 日 には 十 七 歳 」 軽 快 な マ ー チ 。美 し い 伸 び や か な ト ラ ンペ ッ ト が 印 象 的 です。3 つの 民 謡 が 使 わ れ て い ま す 。
第 2 曲
間 奏 曲 「 私 の 素 敵な 人 」 悲 し げ な オ ー ボ エ の旋 律 が い か に も イ ギ リ スの ほ の 暗 い 雰 囲 気 を 表 現し て い ま す 。 こ の メ ロ デ ィは 「 M y B o n n y B o y 」 と いう 民 謡 で 「 か つ て 愛 し て くれ た 彼 は 、今 は 違 う 娘 の 腕の 中 に い る の ね 」 と いう 、と っ て も 切 ない歌詞です。( そ う 思 っ て 聴 く と シ ン ミリ し ま す ・ ・ ・ ) 第 3 曲
行 進 曲 「 サ マ セ ット の 民 謡 」 こ の 曲 も マ ー チで 4 つ の 民 謡 が 使 わ れ て いま す 。
ど の 曲 も 何 処 か で 聴 い たこ と の あ る よ う な 懐 か しい メ ロ デ ィ が 多 く 、 吹 奏 楽作 品 の 中 で は 今 で も 人 気の 曲 で す 。
イ ギ リ ス の メ ロ デ ィ は 日本 人 に は 馴 染 み や す の か 、た と え ば 卒 業 式 な ど で 歌わ れ る 「 蛍 の 光 」 が し ば しば 古 来 の 日 本 の 曲 だ と 勘違 い さ れ た り ( 原 曲 は ス コッ ト ラ ン ド 民 謡 ) 、 こ の 曲も し ば し ば 吹 奏 楽 フ ァ ンの 間 で は 『 か っ ぱ っ ぱ ー かっ ぱ っ ぱ ー ( 清 酒 黄 桜 の CM ソ ン グ ) 』 、 『 ど ~ ん と 鳴っ た 花 火 が ・ ・ ・ 』 な ど と 替え 歌 で 歌 わ れ た り と 、 な んと な く 日 本 語 に も 似 合 って し ま う メ ロ デ ィ が あ った り し ま す 。 イ ギ リ ス も 日本 も 島 国 で す か ら な ん とな く 風 土 や 気 質 が 似 て いる の で し ょ う か 。 初 演 か ら 90 年 。 い ま で も多 く の 吹 奏 楽 団 で 演 奏 され る 機 会 の あ る 名 曲 で す 。ア ラ フ ォ ー 世 代 に は 懐 かし く( 笑) 若 い 世 代 に は 新 鮮さ の あ る イ ギ リ ス 民 謡 組曲 。 長 く 長 く 後 世 ま で 愛 され 続 け る 曲 に な る こ と でし ょ う 。
余 談 で す が 、 ヴ ォ ー ン = ウィ リ ア ム ズ は 大 の 猫 好 きだ っ た そ う で す 。 彼 の 肖 像写 真 は 猫 と 一 緒 に 写 っ たも の が 多 く 残 さ れ て い ます 。 こ の 写 真 は お 気 に 入 りの 1 匹 、 フ ォ ク シ ー ( F o xy ) ち ゃ ん 。 猫 好 き な 筆 者 とし て は そ れ だ け で 親 近 感を 覚 え て し ま う の で あ りま し た ♪

【 イ ギ リ ス 民 謡 組 曲 が 収 録さ れ て い る C D 】
ハ ー ツ ・ ウ イ ン ズ ・ ラ イ ブコ ン サ ー ト 2 0 1 2 ~ 本 当の ア ル メ ニ ア ン ・ ダ ン スを 求 め て / D C L 1 0 1 5
2 , 4 1 5 円 ( 税 込 )

2013.9

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