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ナカさんの寄席日記 連雀亭ワンコイン寄席

連雀亭、さらにコロナ感染防止対策が厳重になってました!

出入口の脇にスタンド型の体温測定器があって画面に顔をかざすと自動的に検温されます。37.5度以下の人は手を消毒して、名前・住所or電話番号を記入して提出、そして木戸銭を払ってから入場という厳重体制になりました。
寄席の中でもトップクラスの防止対策と思います。。。徹底ぶりがスゴイ!
座席も約半分の19席になっていますが、今日も程よく散らばりツバナレするかしないか位の人数で、自然天然に感染防止の距離が保たれていました(笑)

今日のお目当ては柳家小もんさん。あと二人は女性。小もんさん黒一点。いやいや、、、最近は女性噺家さん増えているから、こんな比率は珍しくないのかも。柳家花ごめさんも立川志ら鈴さんも初聴きなので楽しみ。

今日の高座前アクリル板は綺麗に拭いてありましたので見やすかった。
小もんさん、白っぽい着物が涼し気。面長で切れ長の目が色気あります。雰囲気が誰かに似ていると思ってたんですが、あれですね、昔の浮世絵の歌舞伎役者さんっぽいですよね。色白でお役者さまのような美男子、っていう言い方がピッタリ。背もスラリとして着物がとても美しく粋に見えます。小もんさん洋装もお洒落でカッコイイんですよ。やっぱりセンスの良い人は身だしなみも落語も全てに品がありますね。マクラの中でも「一間」なんていう古い単位がスッとで出てくるあたり、落語の世界をちゃんと身に着けているな、勉強家だなと思いました。「九尺二間の長屋」とか「六尺ゆたかな大男」とか落語の中には古い単位が出てきますからね、噺家さんだったら「ソーシャルディスタンス2メートル」と言わずに「社会的距離を一間」と言った方が雰囲気ありますよね。普段から落語の口調や言葉を自然と使えるようにしているのだろうと感心しました。発音も鼻濁音がとても綺麗です。
ネタは「碁泥」。これは師匠の柳家小里ん師匠が良くおやりになるネタですが、私はじつは小里ん師匠ではまだ聞いたことがないのです。碁泥は小もんさんの方が先になってしまいましたが、とても上手で良かったです。

花ごめさんは女着物に袴でした。女性の噺家さんは二つ目になっても男着物でやっていらっしゃる方も多いですが、私は女着物の方が好きです。芸術協会の前座さんにはたまに女着物の方も見かけますが、落語協会の前座さんは皆男着物。せっかく二つ目になったのだから綺麗な女着物着ればいいのになぁと思う。もちろん真打になれば皆さん女着物です。三遊亭歌る多師匠は小紋に半幅帯でラフで粋に着ていらっしゃるし、柳亭こみち師匠の着物も素敵。芸人さんの季節折々の美しい着物を見るのも高座の楽しみです。
で、花ごめさんは前説に出てきたときは淡い色の着物に半幅帯を文庫に結んでいたのですが、自分の出番になったら袴を着けて出てこられたので「ネタは武士の出てくる噺かな?」と予想したのでしたが、フツーに粗忽長屋でした(笑)なんだったんだろう袴は。。。ま、別に着物と落語がリンクしてなくても全然問題ないのですが。でも初めて聴く花ごめさんはとてもお上手だったので、もう少しジックリした噺も聴いてみたいなと思いました。

最後の志ら鈴さん。男着物で地味だけど粋な着物で登場。茶の着物に濃いめの灰色系の半襟で渋い色合わせです。明るく賑やかな青菜でした。志ら鈴さんも初聴きでしたが、今後立川流の寄席で聴ける機会があればいいなぁと思いました。立川流の若手二つ目さんの中ではかなり上手な方と思いました。

女性の噺家さんが本当に増えていて、落語業界は将来どう変わっていくのかなと思う。変な話、マスコミとかが好きな「美人すぎる○○」みたいなキャッチフレーズ、そういう売り出し方だと正直すぐに限界が来てしまうと思う。けれども今活躍中の女流噺家さんたちは男性の噺家さんと遜色ないレベルの人が大半だし、女性ならではの表現や女性の発想で作った新作など、落語の新しいジャンルが出来つつあるんじゃないかなと思います。歌る多師匠、古今亭菊千代師匠、桂右團治師匠、こみち師匠にどんどん素敵な女性噺家さんが続いています。10年先、20年先どうなってるかなと楽しみです。
正直落語は「飲む打つ買う」の男性目線の噺が多いですが、なければ圓朝が新作をガンガン作ったように女性目線の噺をこれから作れば良いわけで。(三遊亭粋歌さんの新作はOLとか主婦とか女性目線のネタで人気です)
これから女性噺家さんたちの活躍が楽しみだな、と思いました。

2020/9/3 連雀亭 ワンコイン寄席
小もん 碁泥
花ごめ 粗忽長屋
志ら鈴 青菜

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