マガジンのカバー画像

俳句手帖

1,360
2020年8月から俳句はじめました🌱 俳号は加那屋こあ
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

ナカさんの読書記録 「新装版 海も暮れきる」吉村昭

ナカさんの読書記録 「新装版 海も暮れきる」吉村昭

この夏に俳句を始めてから、俳人関係の本を読むことも多くなりました。
尾崎放哉、名前は聞いたことあっても俳人ということは知りませんでした。「自由律俳句」というのも知らなかったし。有名な句「咳をしても一人」。なーにそれ?というレベルです(笑)お恥ずかしい・・。
今年の春先、近場の博物館や資料館などを散歩がてら訪れていた頃に荒川区に「吉村昭記念文学館」という施設があるのを知りました。行ってみたいなと思っ

もっとみる

◎2020年自選十句◎
来年もよろしくお願いいたします😃🎍

あちこちに行列できて年用意

年用意今年はネットで買い揃え

札納初めて入るラーメン屋

加那屋こあ
2020.12.30

餅搗き機餅渦巻くをじつと見る

古日記今年はなかつたことにしたい

加那屋こあ
2020.12.29

年の瀬に一筆書に用を足し

無防備の鼻先へまず寒波くる

加那屋こあ
2020.12.28

幸せは蒲団と夢の中にあり

じつとして蒲団の裾に猫が居り

風邪声や受話器の向こうどちらさま

加那屋こあ
2020.12.27

弁当の温もり抱きて息白し

息白し鉛筆軋る受験かな

週末に朗報届き冬北斗

加那屋こあ
2020.12.26

ビル屋上クレーン吊り月冴ゆる

光り撒く聖樹はいつ眠るだろう

加那屋こあ
2020.12.25

暦売人通りなき団地群

欲張りてアール付く月牡蠣食し

自転車の母子が歌うクリスマス🎄

加那屋こあ
2020.12.21

老警備夜間工事の懐手

アスファルトくさめも震え掘削機

風呂吹や飯より酒をもつてこい

加那屋こあ
2020.12.2

眼鏡の無い日々を過ごす冬休み

いつの間に角に小屋建ち飾売

実をのせて戯けて見せる柚子湯の児

加那屋こあ
2020.12.22

煤払い柳田の無念雪溶かし

帰宅部の先輩白い防寒着

詰襟に赤のセーターちらと見え

防寒着気持ちだけでも暖色系

ガード下光の回廊冬至くる

加那屋こあ
2020.12.21

四楽章第九のレコード煤払

煤払いまさらどうする借りた本

思い出の品煤掃の手が止まり

煤掃きに隅で慄く埃たち

交差点右折に変わる冬の鷺

加那屋こあ
2020.12.20

出張先ユニットバスの湯冷めかな

残業の窓にストーブ赤々と

湯気立てや年末年始の応接間

加那屋こあ
2020.12.19