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俳句手帖

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2020年8月から俳句はじめました🌱 俳号は加那屋こあ
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2020年9月の記事一覧

ナカさんの読書記録 「春や春」 
森谷明子

ナカさんの読書記録 「春や春」 森谷明子

俳句が気になりだしたきっかけは正岡子規。コロナ自粛中に近所の子規庵に行こうとしたら閉まってた。子規ってどんな人だったんだろう・・・色々ネットで調べてるうちに俳句に興味もった。そのうち自分でも俳句のようなものを作ってみたり。5+7+5=17文字で表現するってキッパリしてちょっとカッコイイですよね。ともかく、最近俳句が気になってます。
で、8月の終わりごろに「俳句甲子園」なるものを知りました。「俳句」

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ままごとの団栗ならべ姉妹かな

参道に銀杏売りの声響き

梨特売ずしりと重み感じけり

電話してね用なくても九月尽

加那屋こあ
2020.9.30

箸の先似た者夫婦芋ころり

肌寒し呼び鈴伝い薄き壁

往く友の心覚えし草じらみ

加那屋こあ
2020.9.29

秋雲を追い自転車の余所見かな

秋空を突き抜けビルの乱反射

色変えぬ松見上ぐれば潮の音

噺家が手繰れば新蕎麦香りけれ

加那屋こあ
2020.9.28

秋まつり無き境内に褪せし絵馬

地芝居の紅さし父の照れ笑い

秋袷尽きぬ女の話かな

加那屋こあ
2020.9.27

秋寒に添う老夫婦傘の中

裾おさえ秋雨濡らす足袋の先

紙切りの秋の七草指折て

加那屋こあ
2020.9.26

蓮の実の穴という穴こち覗き

渡り鷺雨を纏いて白き羽

金色の天高く馬彼岸花

顔見せの太鼓が響く秋の寄席

加那屋こあ
2020.9.26

置き忘れ台風それて干した傘

長き夜アイロン当てし温きシャツ

客降ろしバス回送車身に沁みて

加那屋こあ
2020.9.24

相づちを入れつ目で追う秋の蚊に

等高線越えて汗ばむ秋の昼

秋の朝足元のケット引寄せし

ため息と不在着信虫の声

加那屋こあ
2020.9.23

白き肌衣に隠れ薩摩芋

傘ふたり秋雨前線下駄濡らし

冷蔵庫干からびし隅に秋なすび

秋扇そぞろ二番太鼓聴き

加那屋こあ
2020.9.22

秋雨に歩道橋濡れ光る苔

散髪の帰り襟足そぞろ寒

欠伸ひとつ銀杏売りの老婆おり

栗拾う子供指先ばかり見て

加那屋こあ
2020.9.21

碇星刻まぬ時計ぶら下げし

柳散る思い出したくない事も

干茸の汁一匙に柔き口

加那屋こあ
2020.9.20

草わけて知らず踏まれし彼岸花

鶏頭の細茎束ね軒の下

大小の糸瓜揺れにし午後は雨

根岸から田端にペダル漕ぐ子規忌

加那屋こあ
2020.9.19

頭上から秋風通り白き脛

白粉の花道化師の服に似て

庭木刈り異国の言葉聴こえけれ

加那屋こあ
2020.9.18