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スタートアップにおけるハードウェア立ち上げの魅力

こんにちは。MI-6ロボティクスグループのNaitoです。今回の記事では「スタートアップにおけるハードウェアの立ち上げ」と題して、スタートアップとしては珍しい?ハードウェアの立ち上げにおけるアレコレをご紹介します。

ロボティクスグループって何をするの?

私が所属しているロボディクスグループの主な業務は、一連の合成・測定プロセスを全て自動で行い、さらにデータの解析・次の実験条件の提案もAIが実施してくれることで、実験が自動自律で行えるシステムの開発です。
MI-6ではハンズオン、ソフトウェア事業で築いた知見とノウハウにロボティクス技術を組み合わせることで独自の価値を提案することを目指し日々開発をしています。

自動自律実験システムのイメージ

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MI-6で扱うハードウェアご紹介

MI-6はその社名の通り、MIを活用したソリューションをハンズオンやソフトウェアにて提供している会社ですが、ここにロボット技術を組み合わせ、データドリブンな研究開発を更に加速させるシステム=ハードウェアを開発しています。ロボティクスから得られる大量のデータを用いることで、MIの活用がさらに促進され、研究開発効率が飛躍的にUPする可能性があります。

 現在は無機薄膜材料向けの装置を開発中で、このハードウェアはロボットによる自動搬送、自動合成、測定、MIによる解析と、次の実験条件提案のシステム全てを内包させる想定です。

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ハードウェアの立ち上げとは

 前提を説明しましたが、今回のお題であるハードウェアについて話します。ハードウェアといっても本当にさまざまありますが、この記事では「特定の目的を果たすための機械装置」として説明します。
ハードウェア立ち上げに必要な要素はいろいろありますが、時系列で振り返ってみると、、

1.仕様設計 ・・・ どんな性能が出ればいいのか
2.コンセプト設計 ・・・ 開発要素は何か?既存技術の応用範囲は?どんなものにする?
3.ハード設計 ・・・ 仕様を満たすハードの図面を起こす
4.製作 ・・・ ものづくりスタート!
5.組み立て ・・・ 組み立てのプロがどの業界にもいる
6.検査と動作確認 ・・・ 想定通りにモノが動くか
7.運用スタート

とこんな流れになります。(※もちろんハードだけでは動きませんので、通常平行してソフトウェア・ファームウェアの設計も動いています)

どの工程をどの部署がやるかは企業の規模にもよりますが、大まかには技術(仕様)、設計(ハードとソフト)、生産管理(製作をコントロール)、製造(組み立てと検査)に分かれます。
技術部が仕様を決めて、設計部が実際にハードに起こしていきますが、ここで思惑がずれたりすると大変です。そのため、頻繁に相互の確認、いわゆるデザインレビューが入ります。

各工程の専門となる知識は異なりますが、他の工程も考えてハードウェア設計を進める必要があります。例えば絶対に組み立てできない・加工ができない図面を書いてしまったり、絶対に達成できないスピードでハードを動かす仕様になっていたり…といったことが起きてしまいます。

このようにハードウェア立ち上げにおいては様々な役割と専門性を持った人が、相互に協力し合う必要があります。

スタートアップでものづくりは可能?

各工程を大まかに紹介しましたが、それぞれをブレイクダウンしていくと、さらに無数の専門性があり、各分野のスペシャリストが多数います。

ハードウェアは多種多様な人材が必要で、大企業でなければ実現は難しい、と思われがちです。少数のスタートアップではハードウェア開発はできないのでしょうか?

結論から述べると、私は「可能」だと思っています。

 

開発手法の違い

スタートアップと大企業とではリソースの分配の方法が異なります。大企業の場合、自社で全ての工程のスペシャリストがいて役割分担が可能なのに対し、スタートアップは外部に依頼する必要があります。

そこで社外にお願いするか、社内で対応するかを検討する際に、技術的なファクターと併せて「ハードウェアはどこまで完成させるか?」を考えます。
このラインをクリアするためにどうリソースを分配するかを考え抜く必要があります。
スタートアップの開発は、最初から完成度の高い製品を作るのではなく、顧客が欲しいと思う機能が実現できているかどうかを検証するため、小さく早く作ることが求められます。フェーズによって必要なリソースをコントロールし開発を進めていくので、外部と協力しながらであれば、スモールなチームでも十分開発が可能です。

スタートアップならではのマインド

スタートアップでは常に挑戦的な行動が必要ですが、その中でも大切にしている2つのマインドがあります。


言語化を大切にする

自分の思い描いているものを実現させるために非常に大切で、コンセプト(やりたいこと)を理解してもらい協力を得るためには不可欠な考えです。
大企業でものづくりをする際には、目的や指針といったものはある程度示されていますが、スタートアップではみずから発信していく必要があります。発信の際にやりたいこと、求めているものがシンプルに言語化できていないと誰の協力も得られず、プロジェクトが進展させることが困難です。「言語化できている=自分が本当に理解できている」状態である必要があります。

想定外を楽しむ

ものづくりの前提が大企業とスタートアップではかなり異なるので、その違いを楽しもう、というマインドです。
例えば、前述したものづくりの流れにはありませんが、スタートアップではハードウェアを立ち上げるための場所探しから始める必要がありました。
自社で工場がないわけですからモノを置く場所、それも重量や使用ガスや電力キャパなどの全ての条件をクリアする場所を探す必要があったりします大企業ではなかなか体験できない、想定外な問題だったりします。
日々こういった経験の無い、しかし解決しなくてはならない問題が現れるので、いっそ楽しんでしまおうというものです。

終わりに

スタートアップでは「顧客や産業の大きな課題・ペインを解決できるか?」を検証しながらハードウェアを製作することが重要です。ものづくりのスキルだけではなく、「顧客がどういったもの求めているか?」「どういった課題を抱えているか?」を常に考えておかないと「誰も欲しがらないモノ」を文字通り「造って」しまいます。

仕様設計、メカ設計、制御設計、組み立てと検証の全ての工程に広く関わることができ、かつ顧客の欲しがるものを考え、それを自分の手で反映することができるダイナミズムな流れを体験できるのは、スタートアップの醍醐味です。

MI-6には、新しい価値を世の中に発信していきたい!価値のあるものづくりをしたい!自動で装置が動いているのがたまらなく好き!幅広くさまざまなことにチャレンジしたい!などいろいろな情熱があります。

少しでもご興味ありましたら、是非ご連絡ください!


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