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「ワイルド・シングス」「コンセプトのエンジン」...先週のDearMedia Newsletter [2019.12.2〜12.6]

こんにちは、ディアメディアの味岡です。

ディアメディアでは、私が毎朝目にしている約1,000記事の中から、「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップして毎朝お届けしています。

先週のニュースレターでは、
・テクノロジーと自然について
・コンセプトというものについて
・お金という仕組みについて
・ジャーナリズムについて
・バニラの秘密♡について
お届けしました。

そのDearMedia Newsletterの一部をご紹介します。

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ワイルド・シングス

Technology addiction(テクノロジー依存症)は、最近定義づけられた依存症です。 日常が破綻するまでインターネットに依存し、行動を制御、抑制できなくなる状態になります。

ビデオゲーム、SNS、インターネットサーフィンなどが含まれ、特にティーンにとっては、社会的・感情的な発達のみならず、脳機能の発達にも影響があるのではないかと言われています。

そのようなテクノロジー依存症に、自然の中で行われる「Wilderness Therapy(荒野セラピー)」が効果的だという記事です。

ミレニアル世代以降のティーンエージャーは、物心ついた時からインターネットが存在している世代です。

小学生から携帯電話を持ち、友人と常にSNSで繋がり、世界中に向けて発信することを、まだ脳が発達しきってない頃から行っています。

テクノロジーはギャンブル同様、特定の行動が喜びで報われるプロセスが中毒のリスクとして認識されています。
そして、薬物やアルコールと同様に、思春期の若者が、脳が完全に発達する前にテクノロジーからの”喜びの報酬”を定期的に味わってしまっている場合、 中毒になる可能性が高くなります。

またこれは、依存症だけではなく、メンタルヘルスの問題にも繋がります。

Neuro Regulationの研究結果によると、スマートフォンを見ている時間は 孤独感、不安、うつを感じやすくなり、JAMAに発表された研究結果では、頻繁なソーシャルメディアの使用とADHDの症状との間に有意な関連性があることが発見されています。

そこで自然の出番です。

ダービー大学とWildlife Trustsが実施した調査で、12,400人の参加者に1か月間、毎日自然と関わるように依頼したところ、自然の中で過ごしただけで、高血圧や呼吸器疾患心血管疾患の減少、気分の改善、不安の軽減など、身体の健康に良い影響を与えるという結果になりました。

米国では一部の医師や組織はすでに「自然の中での時間」を処方しています。

身体を動かすことと野外で過ごすことが減ると、コルチゾールというストレスホルモンに影響を与えることも分かっています。

「Wilderness Therapy(荒野セラピー)」は、臨床医とガイドが協力し、参加者をバックパックでの遠征やボート、登山などのアウトドア活動に連れ出します。

参加者は6週間から10週間程度かけて、スマートフォンやビデオゲームを使わずに生活する方法を学びます。

また、自給自足や不安への直面、うつ病やADHDに対処する方法、自信をつけて仲間と交流する方法を学びます。
同時に、臨床医は家族療法セッションを実施し、家に帰ってから関係を再構築することにも取り組みます。

大抵の場合、参加者は他者とやりとりするスキルが不足していて苦しみますが、依存しているインターネットに頼ることができません。
プログラムが進むにつれて、チームメイトを励まし、スキルを教え、新しいメンバーに感情的なサポートを提供する自信を持つといった変化が見られるようになります。 

私達はたくさんのコストをかけインターネットを発明し、SNSやゲームを開発し、スマートフォンを手に入れ、その操作方法を学び、結果、依存症になる…なんてことをしてしまう、とても愚かな存在です。

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コンセプトのエンジン

USBメモリやマイナスイオンドライヤーなど、数々の世界的ヒット商品を企画され大活躍されている、濱口秀司さんというコンセプトクリエイターがいらっしゃいます。

私は数年前から濱口さんの大ファンで、彼の思考方法をどうにかトレースしたいと本や記事を読み、行ける講演には参加しています。

今日はその中から「コンセプト」に関わる記事をピックアップしました。

なぜ日本企業は、コンセプト設計より戦術や実行段階の議論ばかりしているのか? 

「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」が大ヒットした山口周さんが常々感じていたその問題意識について、コンセプトクリエイターである濱口秀司さんと語り合うインタビュー記事。

濱口氏はそれに対し、コンセプトを考える力が弱いのは「フレームワーク力が弱いから」と加えます。

フレームワークとは、技術だけではなく、ビジネスモデルやコンシューマーエクスペリエンスなども踏まえた組み合わせのこと。

じゃあそれを鍛えるには?まではこの記事では応えていませんが、
濱口氏の著書『SHIFT:イノベーションの作法』(https://amzn.to/34FLCmx)などにその方法が詳しく書かれています。

書籍から少しだけ抜粋すると、

「何よりも先に『こういうふうに買うはずだ』というコンセプトをつくり、 それに基づいたプロトタイプをつくってしまう」

「(不確実性が下がる事業の下流フェーズに資源を重点配分するのではなく) 最も自由度の高い上流のコンセプトを構築するフェーズに効果的に資源を配分し、バイアスを壊すことこそがビジネスにおける深いSHIFTにつながる」

「『コンセプト』とはアイデアと切り口を合わせたものであり、『切り口』とは論理的で構造的な見せ方のことである」

などのヒントがたくさんあります。

私が「バイアス」について意識して考え始めたのは、2017年に武蔵野美術大学が主催したイベントで濱口氏の講演を聞いてからでした。

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MoneyMoneyMoney

漫才コンビ、キングコングの西野亮廣さんは、芸能のみならず、絵本作家や アーティストとしても活躍し、オンラインサロンも人気のようです。

そのオンラインサロンで、起業家のけんすうさんが投稿したお金に関する記事が面白かったというので西野さんがブログにその内容をシェアしてくれていました。

西野さんは生活費をほとんど使わず(貧乏大学生くらい、とのこと)、それをよく発言しているのですが、それに対し「嘘だろ」という反応があることが 未だにあるそうです。

けんすうさんはそれを、本当に興味がないだけだと思う、そして
「西野さんがプライベートでお金を使わない」ことと
「BBQ型エンタメを提唱していること」は、実は密接に関わっている、
と言います。

【※注】
レストラン型エンタメ:プロが作り上げたものを、お客さんに出すエンタメ
BBQ型エンタメ:お客さんが食べたいものを、お客さんが作るエンタメ

お金というものは、増えれば増えるほど、その人にとって価値が減っていきます。

これは経済学では「限界効用逓減の法則」と言い、最初に購入した車の効用と、100台めに購入した車の効用では、その便利さや満足度が全く違っている、ということです。

お金に関しても「一定を超えると、自分のために使ってもほとんど効用が変わらない」という状態になります。

では、西野さんはどのようにお金を使っているかというと、単純に効用が減りにくいものに使っているのではないか、とけんすうさんは分析します。

たとえば、自分のお金を使って1000円の個展を見に行くのと、1万円の個展を見に行くのでは、ちょっと違う効用があるかもしれませんが、
10万円の個展と100万円の個展だと、多分、その効用はほぼ変わらないです。

しかし、使う側になると、10万円使って作る個展と100万円で作る個展は
受け取るものが全然違うし、100万円と1000万円になるとさらに違う、
これが10億になると、全然違った面白さの個展ができるわけです。

なので、作り手としてお金を使うことはその効用が減りにくい、と
けんすうさんは述べています。 

そして、西野さんが提唱している「BBQ型エンタメ」、つまり、楽しむ側が作り手にも回って、より楽しめるようにする、という形は、さらに効用が逓減しづらい仕組みなのではないか?と推測しています。

お金という仕組みを開発した人は、本当に天才だなと常々思っているのですが、私達の生活のなかでこれほどまで物質と感情が絡みついているものは他にないのではないかと思います。

・・・以下、省略・・・

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ジャーナリズムの原点

米国では地方紙の衰退が激しいです。

2000を超える新聞が廃刊、もしくは統合され、残っている約7000紙も、2022年までに半分になると予測されています。

今日ピックアップしたのは、地方紙が無くなっていく危機感から、各地の大学に所属する学生ジャーナリストが地方記者の役割を担っているという記事です。

地方紙の衰退がなぜこんなに取り沙汰されているのか、ビジネスの側面ではない、様々な理由があります。

ミシガン州アナーバーで発行されていたThe Ann Arbor Newsが、独自の発行とウェブサイトを閉じた時(現在は別のサイトに統合されているようです) 、300人もの学生ジャーナリストが町の政策立案者や警察、権力者について 報道を続けました。

現在では、アナーバーの唯一の日刊紙となったミシガン大学の学生新聞であるThe Michigan Dailyでその役目を続けています。

こういった動きは他にも起こっていて、アリゾナ州立大学の学生新聞の編集者は国務省のウクライナ特使が突然の辞任というスクープを発表し、国際的に注目を集めました。
(参考:英語記事 https://www.nytimes.com/2019/09/28/us/asu-ukraine-volker.html )

The Michigan Dailyでも、学生記者ながら、市政府の内部労働などのアナーバー住民に関係する問題を中心に、郡の精神衛生予算の削減や黒人の射殺死事件をきっかけにした、警察監視委員会の問題などを扱っています。

他の学生新聞と異なり、The Michigan Dailyは報道を維持するための450万ドルの寄付金を持っています。

学期中、7500部が印刷され、キャンパスの内外、100箇所に週5日のペースで置かれます。

ただ、学生が地方記者の役割を負うのは、いくつかの課題もあります。

彼らが一時的にしかその仕事をできないため、仕事を通じて学び、その真髄を理解する前に、数学期後、違う場所に行ってしまうことや、政治家や権威のある人にインタビューしたくても、その要求が無視されることなどです。

しかしそれでも、米国における地方紙はコミュニティの維持、社会参画、政治監視、フェイクニュース問題等において、いまだに重要な役割を担っています。

地方紙の存在意義について、私はこれまで、真剣に考えたことがありませんでした。

新聞の歴史は約300年。

ドイツで初めての日刊紙が刊行され、日本では江戸時代に「瓦版」として始まりました。 

それ以前の情報伝達の手法は口コミだったため、その広さと速さ、正確さで浸透しました。

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バニラの秘密

今日は、18禁♡でお送りします!

「バーニラ、バニラバーニラ求人♪ 」
という耳に残るテーマソングを爆音で流しつつ、繁華街を派手なトラックで走っている風俗求人サイトのバニラ。

その特徴的なペイントは、実はひとりの職人の手によって行われていた!!!というニュースです。

実は全国各地で走っているバニラカー、地方によってそのペイントや種類などが異なります。

「中古トラックや路線バスを買い上げてから、“バニラカー” に仕上げるまで、約2カ月かかります」
と話すバニラカー職人のX氏は、制作だけではなくメンテナンスも全て一人で行っていて、マニアの間では『魔改造士』と呼ばれているそう。

今年の11月時点では、全16種類あるバニラカー。

内部には騒音計があり、いつでも音量が確認できます。

最初のバニラカーは小ぶりな2t車で、今は富山や石川などの北陸を中心に走ります。
神奈川を走るトラックは、10周年を記念したもの、大阪・兵庫はタイガースファンを意識して黄色と黒の虎色です。
京都は府の景観条例に配慮して、茶色でシックにまとめています。

このバニラカーの話題、いつくらいから出始めたのだろうと調べてみたら 2018年の12月頃からでした。

『「バニラカーには同じデザインの車体が存在しない」あのトラックに隠された意外な事実』
2018年12月11日
https://www.buzzfeed.com/jp/narumi/banirakanihazidezainnogasinaianotorakkunisaretana
(関係ないですがすごいURLですね)

この記事以外にも、いくつか同時期に似ている記事があったのですが、Buzzfeedさんはバニラカーがお好きなようで、グッズを販売したり、カラオケで歌えるようになったり、プラモデルが発売されるたびに記事にされています。

『最高にかっこいいTシャツ買ったからみんなに見せたい』
https://www.buzzfeed.com/jp/narumi/vanilla-t

『これ絶対歌うwww 「バーニラ、バニラ、バニラで求人♪」がついにアレに…』
https://www.buzzfeed.com/jp/aihinishi/vanilla-karaoke

『これは欲しいwww 「バーニラ、バニラ、バニラで求人♪」のトラックがプラモデルになった』
https://www.buzzfeed.com/jp/narumi/vanira


Buzzfeedさんの記事広告は、それとすぐにわかるよう筆者名の部分が企業名になっているので、この記事はどれもPR案件ではないです。

施策を行うたびに取り上げられるキャラ設定の濃さと、耳に残る音楽のパワーは、

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以上、先週のDearMedia Newsletterでした。

明日は、
「隠れた消費者スコア」というお話をお送りします。

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