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#猫
拾ってきた小さな命は儚くて
小学生の頃、いつも学校が終わるとランドセルを家に置いて一目散に遊びに行く公園があった。何の変哲もない、滑り台とブランコ、砂場があるステレオタイプの公園だ。
いつものように学校の友人と公園で待ち合わせをしていると、ミーミーというか細い鳴き声が聞こえて来た。声がする方に行くと薄汚れた段ボール箱の中に、子猫が数匹いた。まだ、目も開いていない、ちまっとした子猫。
いつからここにいるのかしら?母猫は?
猫が大好きなんだとずっと思っていた。
「犬派?猫派?」と聞かれたら、「ネコ派」と即答する。
◯◯派で分けてしまうことを無粋に感じる人もいる。それでも私は犬より猫の方が好きだし、それをごまかすつもりも隠すつもりもない。
もともと猫が好きだったけれど、その中でも特別に好きな猫がいた。私の心の中には、その猫がずっと住みついている。
私の腕の中でだんだん硬く冷たくなっていったあの子のことは、きっと一生忘れない。何度も名前を呼んだことも、