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【名大URA通信】vol.51「名大は宝石箱。キラキラした技術がいっぱいある」


[1]  【URAコラム】名大は宝石箱。キラキラした技術がいっぱいある

菅原 洋平(すがはら・ようへい):神奈川県川崎市出身。「関西弁にあこがれて」京都大学農学部入学。学部卒業後、特許庁に入庁し、特許審査や知財行政に携わる。2010年英国知財留学、2015年ジェトロ・ニューデリー(インド駐在)、2021年工業所有権情報・研修館(INPIT)出向等を経て、2024年4月より学術研究・産学官連携推進本部 特任教授として出向中。時々、本部棟前のテニスコートで昼休みのテニスを楽しむ。

ー特許庁って、日々書類を精査して特許審査をしている「静的」イメージなのですが、菅原さんは違う雰囲気を漂わせてますね。

ー(菅原)審査業務だけを見るとそういうイメージかもしれませんが(笑)、私のキャリアの半分は知財支援制度や国際調和などの知財行政で、「動的」な企画業務も多いんですよ。

ー海外にも赴任されてたんですね。

ー(菅原)2年間の英国留学と、3年間のインド・ニューデリー駐在を経験しました。特にインド駐在時には、インドの最高裁長官を日本に招聘する知財セミナーを企画して、ご家族含めて19名を広島・京都・東京とアテンドしました。インドの方々は広島や長崎の悲しみを共有したいという想いを持っていて、広島市長の表敬訪問や平和記念公園での献花も実現しました。ちょうど当時のオバマ大統領が広島を訪れる1週間ほど前だったと思います。

ーそれは有意義なお仕事でしたね。

ー(菅原)日本の最高裁長官との会合もアレンジできたことも有意義でしたね。その裏で実は、ベジタリアン食の手配など、生活部分の調整が大変で、ここには書けないような出来事もたくさんありました…。私のキャリアのうち最も大きな仕事だったと言えるかもしれません(笑)。

特許庁勤続20周年でもらったペンと、愛用のRollbahnのノート。
英国留学時によく見かけたビジネス用のオーガナイザーに入れて持ち歩く。

ー先日は、アメリカの知財展示会にも出張されていましたね。

ー(菅原)Bio International 2024ですね。バイオ系シーズを医療/製薬企業などに売り込む世界的なマッチング・イベントで、こちらも貴重な経験でした。あらかじめ名大の10件程度のシーズを登録しておいて、ミーティングリクエストを230件以上送りましたが、実際に面談できたのは35社です。日本の展示会では、ブースに訪れた人とお話すればいいイメージですが、アメリカでは全然違いましたね。こちらからどんどん動いていかないと何も成果が得られないんだとわかりました。展示会といってもブースを見て回る時間はほとんどなくて、4日間ともびっちり商談エリアで面談していましたよ。

ーそれは体力勝負の出張でしたね!

ー(菅原)大学は、特許庁ではできない仕事を経験できて面白いですね。

ー例えば、どんな点が面白いのでしょうか?

ー(菅原)例えば「まず知財をとりましょう」という出願ありきの姿勢ではなく、ビジネスモデルからバックキャストで知財をとっていく考え方や、先生の次の研究成果を見越して現時点の出願戦略を立てるといった、知財戦略を経験できることが新鮮ですね。特許庁では、企業との知財契約に携わる経験も少なかったので、URAの皆さんの契約業務を横で見たり、サポートするのも面白いですね。

ー大学での仕事を楽しんでいただいているようで、こちらも嬉しいです。

ー(菅原)大学で一番面白いのは、やはり先生方の最新技術に直接触れられることですね。名大はまるで宝石箱みたいですよ。キラキラした技術がいっぱいあって、さらにノーベル賞もとれるんじゃないかと思ったり(笑)。もっと磨けばもっとすごいものになると思う一方で、知財戦略を間違えたら社会実装が上手くいかないかもしれないという責任も感じます。自分の経験を活かして、先生方やURAの皆さんをサポートしていきたいと思っています。

[2] JST「創発的研究支援事業」募集開始/機構内公募説明会

「創発的研究支援事業」では、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり長期的に支援します。
・詳細:https://www.jst.go.jp/souhatsu/call/index.html
・締切日(公募先):2024年10月10日(木) 正午

本公募に際し、東海国立大学機構内の構成員を対象として、「令和6年度創発的研究支援事業公募説明会」を9月11日(水)に開催します(zoomウェビナー)。応募を検討されている皆様は、積極的にご参加ください。
・日時:2024年9月11日(水)13:30-15:00 *zoomウェビナー
・内容:-開会挨拶:山中宏二副総長
    -創発的研究支援事業について:
     文部科学省研究振興局学術研究推進課 加藤久乃専門官
    -創発的研究支援事業に関する学内支援について:
     学術研究・産学官連携推進本部 渡邊真由美URA
    -採択者からのアドバイス:
     環境医学研究所 田中都講師、工学研究科 井口弘章准教授
    -質疑応答
・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/23449.html

[3] 学術産連セミナー「経済安全保障と外為法の関係」

令和4年に経済安全保障推進法が制定され、法規制が具現化してきています。同法制定によって、これまでの外為法にどのような影響があるのか、大学の安全保障輸出管理の観点から解説します。
・日時:2024年9月18日(水)8:45~9:15 *オンライン
・話題提供:宮林 毅 特任教授(東海国立大学機構 学術研究・産学官連携統括本部 学術連携リスクマネジメント統括室長)
・対象:東海国立大学機構の教職員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/headquarters/seminar

[4] 研究シーズ提案セミナー「宇宙天気予報とその事業化に向けて」

「研究シーズ提案セミナー」は、名古屋大学教員のシーズを会員の皆様に提案し、会員様と大学との共同研究等に発展することを目的として開催しています。今回は「宇宙天気予報とその事業化に向けて」をテーマに開催いたします。皆様のお申込みをお待ちしております。
・日時:2024年9月20日(金)15:00~16:30
・方法:Zoomウェビナー     
・講師:名古屋大学 宇宙地球環境研究所 草野 完也 教授
  富士通株式会社 クロスインダストリービジネス推進室 光田 千紘 氏 
・対象:名大協力会会員、学内教職員ほか         
・申込:下記の申込フォームよりお申込みください。*9/13(金)〆切
    https://forms.office.com/r/c8psREZUGV  
・詳細Web:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/public-info/23114.html

[5] TOIC NAGOYA 入居者紹介イベント”SUMMER TOIC”開催

産学融合拠点TOIC NAGOYAの入居者をご紹介するイベント”SUMMER TOIC”を初開催します。入居者からは、所属している会社やご自身が今取り組まれているプロジェクトのご紹介、さらに他企業との取り組み事例紹介を交えつつ、行政や企業と一緒にどういった取り組みやコラボレーションができるのか、という視点からもお話しいただきます。入居者や参加者との交流会も予定しています! これを機に新たな連携が生まれるかも!?
・日時:2024年9月6日(金)18:30~21:00
・登壇者:株式会社U-MAP 取締役COO 前田 孝浩
   名古屋大学COI-NEXT変環共創拠点 副プロジェクトリーダー 髙田 和明
・対象:どなたでも
・会場:TOIC NAGOYA(名古屋大学東山キャンパス内)
・申込・詳細:https://toic-n.aip.thers.ac.jp/event/918/

[6] 名大発アカデミックフラッシュ 第38報

若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第38弾!
・日時:2024年9月24日(火) 12:00~13:00 *オンライン
・発表:牧 茂義(名古屋大学大学院医学系研究科 講師)
    齋藤 大蔵(岐阜大学応用生物科学部 助教)
    村中 智明(名古屋大学大学院生命農学研究科 助教)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員であれば参加可能です。
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/22894.html

[7] 第108回名大カフェ「ちょっぴり数奇(すき)で乙(オツ)な研究の眺め方」

「世界初、〇〇発見!」や「革新的な〇〇を開発」など、新聞やテレビ、ウェブ媒体を使った報道の見出しやコメントは、分かりやすさやインパクトが重視されます。一方で、研究成果の一次情報は、原著論文として専門誌に公開されます。原著論文は、科学的な作法と構成で書かれていて、研究者でない方が読むことはあまりないかもしれません。2024年イグノーベル賞発表目前の今回は、過去のイグノーベル賞受賞研究を例に、『報道』と『論文』を比較してみましょう。
・日時:2024年9月7日(土)15:00~16:30 
・ゲスト:飯田 敦夫(名古屋大学大学院生命農学研究科 助教)
・会場:ワインバーボクモ(名古屋市中区栄5-26-39 GS栄ビルB1)
・対象:どなたでも
・参加費:1500円(ワンドリンク、軽食付き)
・申込・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/research-information/mcafe/event108

[8] あいちサイエンスフェスティバル2024|サイエンストーク特別版「名大ものづくりの匠たち」開催

今年も9月21日(土)~11/24(日)を会期として、名古屋大学主催「あいちサイエンスフェスティバル2024」を開催します!9月28日(土)には、本学が世界に誇るものづくり技術を、2人の「匠」が紹介。最新研究と社会応用の可能性を、参加者とともに探ります。
・日時:2024年9月28日(土)13:30~16:30 *オンライン配信あり
・テーマ&ゲスト:
ー「社会を支える低温プラズマ」豊田 浩孝(名古屋大学大学院工学研究科 教授/低温プラズマ科学研究センター 副センター長)
ー「洗剤でつくる「超」ナノ物質」山内 悠輔(名古屋大学大学院 工学研究科 教授/卓越教授)
・対象:どなたでも
・会場:TOIC NAGOYA(名古屋大学東山キャンパス内)
・申込・詳細:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3566

[9] Tongaliイベントのお知らせ

■ Tチャン海外編<カナダ>
今回はベンチャーキャピタル Monozukuri ventures からお2人をお招きし、カナダでの法人設立の成功と失敗、カナダのオープンイノベーションやスタートアップの状況などについてお話いただきます。
・日時:2024年9月12日(木)10:00~11:00 *オンライン
・ゲスト:Mr. Narimasa Makino(CEO, Monozukuri ventures)
 Ms. Sabrina Sasaki(Investment, Principal & Country Manager Canada)
・対象:どなたでも可。特に大学生・大学院生
・申込・詳細:https://tongali.net/events/tic2024-intl-2nd/

■ Tチャン「起業 or 就職だけがキャリアじゃない! ~企業の中から起業に関わる~」

学生時代に起業するだけが、キャリアの選択とは限りません。今回のTチャンでは、企業で働きながら、起業へ携わっている方として、ソフトバンクで勤務しながら副業で起業に携わっている外所さんをお招きします。前半では外所さんのこれまでの起業へのかかわり方を、お話いただきます。後半は、恒例の交流会も開催します!
・日時:2024年9月18日(水)16:30~18:00
・ゲスト:外所 祐香(株式会社ikigAI設立予定)
・対象:大学生、大学院生、社会人、どなたでも
・会場:Idea Stoa(名古屋大学東山キャンパス NIC1階)
・申込・詳細:https://tongali.net/events/tic2024-3rd/

■ デザイン思考とビジネスモデルの作り方!

本プログラムでは、アイデア創出のプロセスを通じて、新たな価値を作り出すデザイン思考を学びます。更に、ニーズのメカニズムを検証することで、ビジネスアイデアの高度化を目指します。「ビジネスアイデアの見つけ方」「ビジネス(モデル)の作り方」に関心がある方は、是非ご参加ください!
・日時:2024年9月21日(土)、22日(日)、23日(月・祝)、29日(日) 全4日、13:00~17:00
・講師:石黒 聡(14Lab 代表)
・対象:大学生・大学院生・ポストドクター・中学生・高校生
・会場:名古屋大学 東山キャンパス NIC 3階 大講義室
・申込・詳細:https://tongali.net/events/school2024-scale/

[10] 名大研究フロントライン|イベントレポート&Podcast

■ イベントレポート|第106回名大カフェ「炭素でつくる太陽電池」
・松尾 豊(工学研究科 教授)

■ イベントレポート|産学連携ワークショップ「見て、つぶして、調べよう!名大温室で育てた砂糖イネ」
・笠原 竜四郎(生物機能開発利用研究センター 特任准教授)、Prakash Babu Adhikari(生物機能開発利用研究センター 博士研究員)

■ イベントレポート|産学連携ワークショップ「植物の基礎体力UP!企業と大学が共同開発した「バイオスティミュラント」を使ってみよう」
・竹本 大吾(生命農学研究科 教授)、齋藤信さん(株式会社レゾナック基礎化学品事業部新事業開発プロジェクトリーダー)

■ プレスリリース連動 最新研究がもっとよくわかる!シリーズ
・上川内あづさ(理学研究科/ITbM 教授)、Matthew Paul Su(理学研究科 特任助教)

・山内悠輔(工学研究科 教授/卓越教授)

・竹本大吾(生命農学研究科 教授)

・中杤昌弘(医学系研究科 准教授)

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門   
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6527


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