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【名大URA通信】vol.53「共同研究というツールでお役に立ちたい」


[1]【URAコラム】「共同研究というツールでお役に立ちたい」

大地 幸和(おおち・ゆきかず):岐阜県多治見市出身。岐阜大学大学院工学研究科修士課程修了。松下電器産業(現パナソニック)入社。材料・プロセス・デバイス開発(記録媒体、キャパシタ、リチウムイオン電池)に携わる。2023年2月、学術研究・産学官連携推進本部 産学協創・国際戦略部門URAとして着任。趣味は旅行で、学会や出張で47都道府県の県庁所在地を制覇した。ただし、海外には行ったことがない。

ー大学まで岐阜で過ごした後、関西で長くお仕事をされて、昨年東海圏に戻ってきたんですね。

ー(大地)はい、地元は陶器産業の街でしたので、学生時代はセラミックという言葉に惹かれて無機材料の研究室を選びました。自身の研究で磁性元素を扱っていましたので、結局「磁器ジキ」ではなく「磁気ジキ」の仕事に就くことになりました(笑)。
 会社での最初の仕事は磁気記録媒体の開発でデジタル化の到来時期でもあり、デジタルビデオテープのトライボロジーや潤滑剤開発でした。

ービデオカメラに使っていたminiDVとかですか? 懐かしい・・・

ー(大地)現在のハードディスクドライブでも、このトライボロジー技術や潤滑剤が活かされているんですよ。潤滑剤は磁気ヘッドと磁気メディアが擦れ合う間に必要不可欠なものです。モノとモノの接触に潤滑剤が必要なように、人と人、組織と組織の間にも潤滑剤的役割が必要だということを学び、今のURAの仕事に活かしています。

ー一気に話題が展開しました! 企業時代に大学とも縁があったんですか?

ー(大地)某大学に2年ほど招へい研究員として出向していたことがあり、事務職の方やURAと話すこともありました。勤めていた会社のOBがURAとして就職する例があることも知っていましたし、実際、私が早期退職する際も会社からURAという職種を紹介されましたよ。

ー企業経験を活かせる仕事として、URAが企業にも認知されてきているんですね。実際にURAとして仕事をしてみて、どんなことを感じますか?

ー(大地)現在は、企業と大学との共同研究の創出や契約業務を担当しています。関係者たちと一緒に共同研究を創り出す仕事は、モノづくりの仕事と想いの部分では変わらないと感じます。企業の悩みも理解できますし、大学側の登場人物もイメージできていました。ただ、名大の産学連携制度や契約については、他者にかみ砕いて伝えられるレベルまで十分理解する必要がありました。

(上)新入社員時に買って実家に置いたままだったサックス。最近たまに吹いてみる。
(下)彗星、スーパームーンをたまに覗いてみる天体望遠鏡。

ー仕事の中で感じる課題はありますか?

ー(大地)企業はまず近くの大学を頼る傾向にあるので、東海圏以外の企業との共同研究の創出に、やや課題を感じます。名大の魅力ある先生を見つけて新しい共同研究テーマを提案し、企業が地域を超えて名大に来てくれるようにしたいですね。

ー最後に、今後の抱負を教えてください。

ー(大地)企業の悩みや課題を聞き、将来に向けて何とかよくしたいと思っている気持ちに答えることができたらと思っています。昔の仲間で東海圏の企業に勤めているメンバーと仕事で再会したり、過去に読んだ文献、当時の先生方が、今ご立派に研究者としてご活躍されていたりするので、そういう人々をつないで、共同研究というツールでお役に立てたらと思っています。東海国立大学機構や名古屋大学の研究力強化や活発な活動の手助けとなるように、今の仕事を続け、後のメンバーにも何かを残していけたら良いですね。

[2] 学術研究・産学官産連セミナー「研究協力部研究事業課の業務紹介」

名古屋大学研究協力部研究事業課は、東海機構法人化の際に事務集約化を行い、新たに設置された組織です。今回の学術産連セミナーでは、当課が所掌する、外部資金に関係する事務業務について概要をご説明します。
日時:2024年11月20日(水)8:45~9:15 *オンライン
・話題提供:小林 利成(名古屋大学研究協力部研究事業課長 )
・対象:東海国立大学機構の教職員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/headquarters/seminar

[3] 異分野融合推進セミナー「オスとメスの巧みなやりとり ~イメージングで解く植物の受精戦略~」

二光子顕微鏡による新しい生体深部イメージング法を開発することで、花の奥深くを生きたまま覗くことが可能となりました。雌雄と母体の巧みな細胞間コミュニケーションによって効率的に子孫を残すしくみと、そのしくみを利用した新しい生殖工学技術について紹介します。
・日時:2024年11月5日(火) 16:30~18:00 *オンライン
・講師:水多 陽子(名古屋大学ITbM 助教)
・対象:東海国立大学機構の教職員・学生
・詳細・申込:https://www.miu.aip.nagoya-u.ac.jp/info/2146/

[4] Tongaliアイデアピッチコンテスト2024 ★聴講者募集★

学生たちの、新しくておもしろい「アイデア」を競い合う「Tongaliアイデアピッチコンテスト」。書類審査、準決勝(セミファイナル)を勝ち抜いたチームが自分たちの実現したいアイデアを競います。観覧者の皆さまによるオーディエンス投票もありますので、ぜひお越しください。
・日時:2024年11月9日(土)12:30~18:00
・会場:なごのキャンパス体育館(名古屋市西区那古野2丁目14−1)
・対象:どなたでも聴講可
・申込・詳細:https://tongali.net/events/pitch-contest2024/
※ 定員に達し次第、申し込み受付を締め切り、学生優先の調整を行います。

[5] 名古屋大学協力会・研究シーズ提案セミナー「カーボン・ニュートラル実現に向けた国際的な取組み」

名大教員のシーズを名古屋大学協力会員の皆様に提案する「研究シーズ提案セミナー」。今回は「カーボン・ニュートラル実現に向けた国際的な取組み」として、水素など次世代エネルギーを中心に国際的な情勢・動向を異なる分野の観点からお話しいただきます。
・日時:2024年11月22日(金)15:00~18:30
・会場:TOIC NAGOYA(名古屋大学東山キャンパス内)
・講師:石川 知子(名古屋大学 大学院国際開発研究科 教授)
    Fang-Ting Cheng(日本貿易振興機構 アジア経済研究所 研究員)
    孫 穎(横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 教授)
・対象:名大協力会会員、後援機関会員、学内教職員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/public-info/23922.html

[6] T-GEx 研究成果エキシビションーAI時代の教育と研究―

世界トップクラスの人材の育成を目指す、若手研究者育成事業「世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業」(T-GEx)。第3回目となる今回の研究成果エキシビションは、「AI時代の教育と研究」を開催テーマに、特別講演と事業参画研究者らによるプレゼン&ポスター発表をおこないます。
・日時:2024年12月2日(月)13:00~18:00
・会場:名古屋大学 東山キャンパス EI創発工学館 FUJIホール
・特別講演:藤吉 弘亘(中部大学 教授)
・対象:若手研究者の先端研究や人材育成にご興味のある方、研究者を目指す学生、大学院生など、どなたでもご参加可能です。
・詳細・申込:https://www.t-gex.nagoya-u.ac.jp/3309-2/

[7] 東海国立大学機構 量子拠点設立式典・記念シンポジウム

東海国立大学機構では、量子技術の社会実装にむけた研究を強化するため、今年4月に「量子フロンティア産業創出拠点」事業を開始し、名古屋大学未来社会創造機構に「量子化学イノベーション研究所」、岐阜大学医学部に「附属量子医学イノベーションリサーチセンター」を設置しました。これら量子拠点の設立を記念し、式典と講演からなるシンポジウムを開催します。
・日時:2024年12月9日(月)13:00~17:00
・会場:名古屋大学 東山キャンパス 坂田・平田ホール
・基調講演:馬場 嘉信(量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所長)
      村山 宣光(産業技術総合研究所 副理事長)
・申込:要事前申込。https://forms.gle/5VWxHjzfV6qBxBke8
・詳細:https://www.nagoya-u.ac.jp/event/upload/8e0e701f0e67722a5cf7af7edd8b971e.pdf

[8] 名大発アカデミックフラッシュ 第40報

若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第40弾
・日時:2024年11月20日(水)12:00~13:00 *オンライン
・発表:大塚 北斗(名古屋大学 大学院創薬科学研究科 助教) 
    飯田 忠(名古屋大学 医学部附属病院 光学医療診療部 病院助教) 
    坂口 謙一郎(岐阜大学 応用生物科学部共同獣医学科 准教授)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員であれば参加可能です。
・申込・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/23701.html

[9] PI育成セミナー「科学雑誌をつくる ~サイエンスをどう伝えるか~」

科学雑誌『Newton』は、イラストレーションを多用したビジュアル豊かな誌面と、中学生以上なら誰でも理解できることをめざした平易な文章が特色で、世界中の最新の研究成果が掲載されています。最先端の科学の営みを、広く、わかりやすく、魅力的に伝えるための『Newton』編集部での取り組みについて、お話しします。
・日時:2024年11月26日(火)14:00~15:20 *オンライン
・講師:板倉 龍(株式会社ニュートンプレス 『Newton』編集部長)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員であれば参加可能です。T-GExアソシエート・T-GEx企業アソシエートも参加可能です。
・申込・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/23703.html

[10] あいちサイエンスフェスティバル2024★サイエンストーク★

■ サイエンストーク動画公開!
● 名大ものづくりの匠たち

・工学研究科/低温プラズマ科学研究センター 豊田 浩孝 教授

・工学研究科 山内 悠輔 教授/卓越教授

・環境学研究科 平野 恭弘 准教授

★申込受付中|これから開催のサイエンストーク★ 

■ ゆるやかにつながる社会へ向けて ~情報+モビリティ技術で、できること
・日時:2024年11月12日(火)18:00~19:30
・ゲスト:米澤 拓郎(名古屋大学大学院工学研究科 准教授)
・会場:TOIC NAGOYA(名古屋大学 東山キャンパス内)
・申込・詳細:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3580

■ 心臓を守る新技術!オーダーメイド心臓ネットで難病治療
・日時:2024年11月15日(金)19:00~20:00 *オンライン
・ゲスト:秋田 利明(名古屋大学医学部附属病院 心臓外科 特任教授)
・申込・詳細:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3583

■ 図書館サイエンス夜話 第二夜「糖鎖ってなに?ヒト糖鎖計画で生命の謎を解き明かす」
・日時:2024年11月20日(水)18:30~19:45
・ゲスト:郷 慎司(名古屋大学糖鎖生命コア研究所 特任准教授)
・会場:名古屋市鶴舞中央図書館 1階 第一集会室
・申込・詳細:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3588

■ 進化する皮膚疾患治療 ―最新研究とその未来―
・日時:2024年11月21日(木)19:00~20:00 *オンライン
・ゲスト:秋山 真志(名古屋大学大学院医学系研究科 教授) 
     氏家 英之(北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室 教授)
     岩永 聰(長崎大学病院 皮膚科・アレルギー科 助教)
・申込・詳細:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3582

■ 宇宙天気博士と話そう! ~GPSを使って超高層大気を診る~
・日時:2024年11月23日(土)15:00~16:00
・ゲスト:大塚 雄一(名古屋大学 宇宙地球環境研究所 准教授)
・会場:名古屋大学 東山キャンパスNIC館1階 Idea Stoa
・申込・詳細:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3581

[11] 名大研究フロントライン|イベントレポート&最新研究♪

■ イベントレポ―ト|第109回名大カフェ「がんとのいたちごっこはなぜ起こる?」
・加藤 真一郎(医学系研究科 助教) 

■ プレスリリース連動 最新研究がもっとよくわかる!シリーズ
河口 信夫(工学研究科 教授)

・部矢 明(工学研究科 准教授)

・清水 一憲(工学研究科 准教授)/ 永井 研迅(工学研究科 博士後期課程学生/サントリーウエルネス株式会社研究員)

・三宅 恵子(WPI-ITbM 特任講師)/ MoleQrious!メンバー

■ 名古屋大学大学院法学研究科 PSIMコンソーシアム連携コンテンツ
・上松 健太郎(法学研究科 准教授/実務家教員)

・北口 雅暁(素粒子宇宙起源研究所 准教授)/ 名古屋大学サイエンス裁判所(有志グループ)

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門   
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6527

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