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無我夢中の1ヶ月。コロナウイルスがNAGOMI VISITに与えた影響(2)

こんにちは。楠めぐみです。「世界中の旅人と食卓を囲むホームビジット」を運営するNPO法人NAGOMI VISITの代表をしています。

3月にホームビジット活動を一時的に凍結するという判断をしました。2011年から毎日毎日、地道に重ねてきた自分たちの仕事が完全にストップしてしまうことは、私にとってもメンバーにとってもかなり大きな出来ごとです。

でも、「ただ止まっているわけにはいかない。どうしたらこのピンチを未来につなげられるか?」という一心で、まさに無我夢中という言葉がぴったりな1ヶ月でした。

何年後かにこの時を思い出せるように、何を考えどんなアクションをとったのか記録しておこうと思います。

ひとつ前の投稿では、2月中旬からのコロナウイルス関連の動きと、活動停止を決断した3月3日までのことを書きました。

活動停止を、ただのがっかり話にするわけにはいかない

一時停止することを決断した3月3日の夜、2人のメンバーに伝えた時の各々のがっかりした反応を見て、「一時的に活動をストップすることを、ただの情報として伝えるだけではだめなんだ」と悟りました。

これからNAGOMI VISITに登録している全国の1,200世帯に向けて活動停止のお知らせをすることになる。その時に、ただ「コロナウイルスの影響で資金が足りないので、しばらく活動停止します。」とだけ伝えることはとても簡単。恐らく多くの方ががっかりするけれど、仕方ないねと思ってくれるはず。

でも、それでは、これまで維持してきたNAGOMI VISITらしさが全然ない。ホストの皆さんには、「がっかり。でも仕方ないね」で終わってほしくない。

いかにホストの皆さんがNAGOMI VISITの未来を前向きに捉えてもらえるかが、活動を再開する未来のNAGOMI VISITにとって大切なポイントなるはず。

NAGOMI VISITは必ず再開する。今はホームビジットはできないけれど、再開に向けて進み続けるんだ、という方向性が必要なんだなと。

そんなことを考えながら眠りにつきました。

ホームビジットをストップしても、ビジョンに近づく為にできることは他にもあるはず

翌日3月4日、いつも通りに娘を保育園へ送りすぐに「これからどうするか?」についての1人ブレストをはじめました。

今この状況で、何ができるのか。何をするべきなのか。

目的はただひとつ。

ホームビジットは停止しても、それでもNAGOMI VISITが前進するために前向きな空気を作ること。

NAGOMI VISITが前進し続けて、「すべての人がグローバル市民として暮らす日本社会」というビジョンに近づく手段は、ホームビジット活動だけではないはず。

そんな想いでブレストを続けました。

そこから導き出した答えは2つ。

クラウドファンディングとプロボノの募集です。

「NAGOMI VISIT、一旦ストップします」というニュースだけをホストや社会に流すよりも、「こういう状況なので一旦ストップせざるを得ませんが、クラウドファンディングやプロボノの形で応援してくださる方を募集します。NAGOMI VISIT が再開できるその日まで、一緒に支えてください」という方向性にすることにしました。

また、クラウドファンディングから派生して「チャリティートークムービー(仮称)」のアイディアも思いつきました。

NAGOMI VISITでは、ホームビジットに参加する人が毎回のホームビジットで様々な気づきや発見を得ることで個々人が少しずつ成長し、グローバル市民に近づいていく、その人口を増やすことで日本の未来を良くしていけるのではないか、というロジックがあります。

ホームビジットを経験する1人1人が得る気づきや発見は千差万別、百人百様。毎回、各々のストーリーがあるわけで、もちろんそれを実際に体感することが最も強い成長につながるのですが、そのストーリーを他人に伝えることで、その他人も国際交流による成長を疑似体験することができます。

そこで、ベテランホストに協力をお願いしてホストが各々のストーリーを語ってもらい、それを一連の動画にして社会に発信する。動画は有料として、集まったお金はすべてホームビジットの運営に使われ、次のストーリーを生み出すことにつながる。そんなエコシステムはどうかなというアイディアでした。

早速このチャリティートークムービー企画の骨子を資料に落とし込み、日頃からNAGOMI VISITを応援し続けてくださっている、鈴木さんと室さんに連絡を取りました。

寄付型トークムービーP

快くスピーディーに協力をしてくれる皆さんに感謝の連続

鈴木さん、室さんはNAGOMI VISIT活動当初から賛同してくださっているお二人で、今も積極的にホームビジットの受け入れを続けてくださっています。また、鈴木さんはNAGOMI VISITの理事を担ってくれていて、室さんは昨年度スタートしたNAGOMI VISITの新事業「はじめよう!親子で国際交流」プロジェクトでも中心的な存在として協力をしてくださっていました。

そんなお二人にこのチャリティートークムービーへのご協力をお願いしたところ、すぐにMessengerで快諾のお返事をくださり、夕方には私から企画書と合わせてざっくりとしたプレゼンをzoomで録画し、お2人にお送りしました。

また一方で、システム会社さんから前の晩に相談した活動ストップに関わるシステム修正案が届き、早速具体的な作業をスタートしました。

翌日には活動停止をするために必要な公開文面を日英で作成し、システムへの反映を待つばかりとなりました。

3月6日(金)の12:00から1時間、私と鈴木さん、室さんの3人でチャリティートークムービーに関するキックオフMTGをすることになりました。お二人ともワーママということで、仕事中のお昼休みに時間を確保してくださった形。とてもありがたかったです。

どんな動画にするのが良いか?どんなホストから、どんな話を引き出せそうか?まずは鈴木さんと室さんが第一弾を作成するにあたり、どんな話題でトークを繰り広げられそうか?ということを話し合いました。

ちなみに、室さんは午前中のお仕事のミーティングが長引いてしまいこちらのMTGには間に合わなかったので、急遽私と鈴木さんの話し合いをこれまたzoomで録画し、後から室さんに見てもらう形となりました。(コロナウイルス対応の一連の中で、zoomの便利さをこれでもかというほど実感しています)

また、この日の午前中にはシステム上での修正も完了し、いつでも活動ストップができる状態に。 急な依頼であるにも関わらず、速やかに対応してくださったシステム会社さんにも本当に感謝です。

いよいよ本当に活動停止

ホームビジット活動停止とは、具体的には以下の2つを凍結することを意味します。

(1)ゲストとして参加したい人が、新たにリクエストを送ること

(2)ホストして参加したい人が登録手続きをすること

既にマッチングが確定している場合には事務局は通常通りの対応をすることとしました。

3日前に活動停止を決断してから、ホストへの案内や調整も含めて2週間程度の余裕をみようということで、3月20日頃を目処にストップするつもりで動いていました。

が、システム上の調整をすぐに対応していただけたおかげもあり、ここで判断をあえて覆しました。

というのも、連日キャンセルが止まらないので、この状況で新規リクエストを受け付けて仮にその件がマッチングしても、結局キャンセルとなる可能性も高くなっていたので、続けていても意味がないことに気づいていました。そこで、停止は早ければ早いほどよいという判断で、この日の午後には完了してもらうことにしたのです。

通常であれば、こういう大きな変更はホスト全員宛に数週間前に告知し、そのあとで実行するようにしているのですが、今回は事後報告となることが確定しました。

ちなみにこの日は元々、私と娘の2人で実家に帰ることにしていたため、満員電車となる夕方は避けてお昼ごはんタイムが終わった娘を保育園でピックアップしそのまま電車に乗って実家に向かいました。よって午後は仕事が進められず、夜に娘を寝かしつけてから再開することに。

ホストにどう伝えるのか悩む

既に活動をストップしたからには、少しでも早くホストの皆さんにお伝えする必要がありました。

そこで、活動停止を報告する文章のトーンや、資金繰りの説明、寄付のお願い、チャリティートークムービーとの兼ね合いなど、この時点でどんな説明をするのが効果的なのかを悩みに悩みつつ、ホスト全員宛の文面を検討しました。

実家で、娘を母に遊んでもらいつつ細切れ時間を確保し、なんとか7日(土)の午前中にドラフトが完成。チームメンバーからも意見をもらいつつ、夜に最終版を完成させ、翌日8日(日)8:00に登録ホスト1,200世帯へ配信しました。

続きます。

ホスト宛のメッセージ

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