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これだけは見ておきたいルーブル美術館7選|超個人的なコメント付き

はじめに

とっても広くて1日ではとても見きれないルーブル美術館。運良くアフリカへのトランジットで昨年・今年と2回ルーブル美術館を訪問することができたので、これだけは見ておいた方がいい超有名な作品を、ごく個人的なコメントを付けてご紹介します。美術の専門家ではなくあくまで一般人目線でのルーブル案内ですのでご了承くださいませ。

① 鍛えています!「ミロのヴィーナス」

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想像以上にアスリートな体つきの彼女。ジムのインストラクター並み、整体に行ったら「なんかスポーツやっていますか」と絶対聞かれると思います。

ここ数年体を鍛える女性が増えていますが、 2000年以上前から人類は筋肉質な女性を美しいと感じていたんですね。

古代ギリシャの神様たちの像は男女問わずアスリートな体つきをしています。モデルになった人たちもきっと鍛えていたのでしょう。識者の知人が古代ギリシャにもジムがあったことを教えてくれました。

男性の神様の写真も載せたいのですが、そのまま出すとちょっと恥ずかしいパーツがあり、スタンプで隠してみたんですがどうも下世話な感じになるので自粛します。

最近プヨプヨが加速している私。どうやら鍛えられた体が美しいと言う感覚には普遍性がありそうなので、これを機会に頑張ろうかと。

②警備員も最強「モナリザ」

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レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画はルーブルに4点(ダ・ヴィンチ作と伝えられるものを含めると5点)あるそうですが、この絵だけはガラスで厳重に囲まれています。

そして、長蛇の列と屈強な警備員。どれぐらい屈強かというと、兵士か警察官にしか見えない。絶対この人たちには逆らいたくない。

他の警備員もちらちら見ていましたが、モナリザの部屋の警備員が一番ガタイが良かったです。

モナリザ自体はふわっと浮かび上がっているように見える絵で、読み取れない表情も含めなんとも神秘的な絵なのですが…

想像以上に小さいので…

私は「岩窟の聖母」の方が好きです。(小声)

ルーブル美術館所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は以下の通り。

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岩窟の聖母

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洗礼者聖ヨハネ


聖アンナと聖母子…今回は見れず
ミラノの貴婦人の肖像(伝レオナルド・ダ・ヴィンチ)…今回は見れず

「モナリザ」以外はさらっと置いてあるのでぼーっと歩いていると見逃すので注意です!(私は団体旅行のガイドさんが説明しているのにたまたま遭遇して気づきました)

③忖度の表情「ナポレオンの戴冠式」

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第一印象は「で…でかっ!」

本当に大きい。端から端まで写真を撮るのが困難なほど、あと、他の人を入れずに撮るのが不可能なほど大きい。

そして正式名称。

「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」

こちらも長っ!

ジャック=ルイ・ダヴィッド作。

とにかく大きい絵なので、それぞれの登場人物の表情がよく見えます。

図録なんかではわからないのですが、すべての人物が晴れやかな表情というわけではなく、中には複雑な表情を浮かべている人物もいて、ナポレオンのその後を予感してしまいます。(画家が意識したのかどうかはわかりませんが…)

演劇の一場面を見ているような気分にさせる、ダイナミックな作品です。

④その存在感、まさにモノリス「ハンムラビ法典」

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「目には目を、歯には歯を」のハンムラビ法典。懐かしすぎる世界史B!

ハンムラビ法典が発布されたのは3800年前、バビロン第一王朝。

このハンムラビ法典(を書いた石棒)。大きさは2.25m。平均的な身長の人の1.3〜4倍ぐらい。決して大きいものではありません。

それなのに、威圧感と神々しさに圧倒されます。

それというのも、ハンムラビ法典、神聖な感じがする要素てんこ盛りなんですよね。

黒々とした色といい、玄武岩という素材といい…
そして何といってもこのフォルム!
左右均等で絶妙なカーブは、どこか宇宙から来た謎の物体を思わせます。

こんなものを見せられたら「はい、守ります!ハンムラビ法典」となってしまいますよね。

単なる石に威厳と意味を持たせるために緻密な計算を重ねた古代人の執念、本当にすごいと思います。

私の拙い語彙力ではハンムラビ法典の凄さを伝えきれないので、気になる方はぜひルーブルへ!

⑤空を飛んでいるわ!「サモトラケのニケ」

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「空を飛んでいるわ!」

といえば「タイタニック」。

さっきまでレオ様と恋に落ちていたはずなのに、映画館が明るくなった瞬間に現実に戻った女子はさぞ多かったと思われます。(多くの場合、隣を見て)

「レオナルド・ディカプリオは顔は普通だけど色気がある」と言い張っていた私。画像検索して前言撤回することにします。タイタニックの頃のディカプリオは美しすぎる!

こちらのサモトラケのニケ、タイタニックのあの有名なシーンの元ネタになっているらしいんです。

船の舳先に降り立った勝利の女神。

美術か世界史の教科書に載っていた気がするんですが、何せ顔も手もない像。そこまで印象に残っていなかったんです。

しかし、実物を見ると、その瞬間をピタリと捉えたような躍動感に驚きます。力強く羽ばたく羽根、海風を受けた服のひだ。表現力がとにかくものすごい。

さらに、顔と手が欠損していることで、動きのある胴体部分に視線がフォーカスされるんです。

ちなみに、この像は階段の踊り場部分に一つだけ展示されていて、そんなところもこの像の特別感を引き立てています。

2200年ぐらい前に作られたそうなのですが、その時代に「羽根がある人間が降りてきたらこんな感じ」というのをリアルに想像できたのもすごいですよね・

そうそう、ちょっとおじさんになったディカプリオも好き。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「ジャンゴ 繋がれざる者」の名演も眩しかったです!

⑥下を見ると結構怖い「民衆を導く自由の女神」

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ウジェーヌ・ドラクロワの代表作。前回の訪問では特別展期間で見られず、今回ようやく見ることができました!

こちらの作品も、図録で見るのと実際に見るのでかなり印象が異なる作品です。

この作品、結構大きいです。259cm×325cm。つまり絵の高さの3分の2程度を占める「女神」はほぼ等身大ということになります。

図録で見ると、「女神」と右側の少年、左側のシルクハットの男性ぐらいしか目に入らないかもしれません。

しかし、実際のサイズで見ると、下に革命の犠牲者が折り重なっていて、さらにかなり残虐な方法により亡くなったことがいやが上にも目に入ります。

当時、この作品はかなり物議を醸したそうです。1830年の7月革命をリアルタイムに描いており(制作年もなんと1830年です)、しかも描き方がリアル過ぎたから。

時事に関わるトピックをリアルに取り上げると攻撃を受けがちですが、今も昔も変わらないのかもしれません。

ちなみに左側のシルクハットの男性はドラクロワ自身と言われており(そっくりです!)、右側の少年は『レ・ミゼラブル』のガブローシュのモデルとなっているそうです。

ガブローシュ…貧しいながらもたくましく生きる少年の役ということですが、『レ・ミゼラブル』は他の登場人物のエピソードが強烈すぎてまったく思い出せません。今度観るときはしっかり確認しよう。

⑦女子ウケ抜群の裸体画「グランド・オダリスク」

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ドミニク・アングルの「グランド・オダリスク」。数少ない女子ウケのいい裸体画です。

この絵の前で中国系の女性に「(この絵の前で)あなたの写真を撮りましょうか?」と声をかけられました。撮られて撮って、知らない者同士で撮影合戦に。

しばらく周りの絵を見て戻ってくると、その方はまだこの絵の前にいました。ものすごく好きなんだなぁ。

何を隠そう私も、高校時代の美術の教科書で見てからずっと、この絵が大好きでした。

この絵の発注者も女性だったそうです。ナポレオン1世の妹でナポリ王妃のカロリーヌ・ボナパルト。

オダリスクというのは、イスラムの君主に仕えるハーレムの女性のことで、18世紀から19世紀にエキゾチックな題材としてよく描かれたのこと。

しかし、Googleの画像検索で「オダリスク」と検索するとわかるのですが、一般的にオダリスクの絵は肉感的でしどけないポーズの女性が描かれていることが多いのです。

そんな中で、この絵は唯一と言っていい、女性に好まれるタイプのオダリスクの絵かもしれません。

性的なパーツが隠されたポーズ、端正な顔立ち、誘惑しつつも媚びを感じさせない視線…

ぱっと見ても、じっくり見ても、とても美しい絵だと思います。

むしろ完璧に整った印象すら与えるこの絵ですが、描かれた当初は骨格が不自然だとさんざん非難されたのだとか。

今も昔も美しさと正しさは折り合わないことがあるのだなぁと実感させる絵でした。

おわりに

今回は超有名な7作品をご紹介しましたが、ルーブルには本当にたくさんの名画があります。ぜひしっかり時間を取って、歩きやすい靴で回ってみてくださいね!

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