イワナガヒメの美徳

あるお客様から教えていただいて、とても共感する内容だったのでお客様の了承を得てシェアしたいと思います。
古事記・日本書紀に出て来るイワナガヒメは桜の女神として有名なコノハナサクヤヒメの姉です。
コノハナサクヤヒメに一目惚れしたニニギノミコトが父親の大山祇神に結婚の許可を求めた時、コノハナサクヤヒメとの結婚を許可すると同時に姉のイワナガヒメも一緒に妻に…とされたのですが、ニニギノミコトは見目の悪いイワナガヒメとの結婚を断り、コノハナサクヤヒメのみを受け入れました。
実はイワナガヒメは岩のような長寿をもたらす女神で、コノハナサクヤヒメは移ろいゆく美を象徴する女神だった。
それ以降人間の寿命は短くなった…という神話です。
この系の神話、全世界に似たようなモチーフで語り継がれているのは不思議なところですが。

それはさておき、イワナガヒメは「醜い」ではなく「見にくい」、つまり「普通の人が気づきにくいところが長所だった女神」ではないか、というのがお客様のお話でした。
この新鮮な解釈に思わず「なるほど」と思ったkina^_^;
女性の見目麗しさでなく、優しさ、気遣い、そういう部分を象徴する神様で、決してイワナガヒメは悪い神様ではない…と。

古事記・日本書紀はこの後すぐに懐妊したコノハナサクヤヒメに対して、「他の男の子供だろう」とニニギノミコトが疑惑を抱き、ブチ切れたコノハナサクヤヒメが産屋に火を掛けてその中で子供を産む…という話になります。
その子供が海幸彦・山幸彦となり、話は続いていくわけですが…

それはさておき、「見目が良くない神様の娘である妻を追い出して、その妹でもある神様の娘である奥さんにビッチ疑惑をかけるニニギノミコトってどんだけ?!」と思うのと同時に…「こういう先祖の恥を堂々と歴史に載せる古事記・日本書紀の作者&編集チームもどんだけ?!」と思ったりもします^_^;

今の日本が自由で、不敬罪なんてものが無くてこういうことが言えるのは本当に有り難いことです(¯―¯٥)。

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