【チームリーダー必見!】対象年齢4歳用のLEGOを使って組織の創造性を上げてみた

私たちは組織の創造性を高める実験を行いました。
そして、結果的に創造性を高めることに成功しました。

この記事は
・会社のプロジェクトリーダー
・部活動の部長
・サークル、学生団体の代表
・ゼミ長
など、組織の成果を上げるために奮闘するリーダーや、これからそのポジションにつく人に特にオススメする研究です。

なぜなら、組織の創造性を高めることがその組織でより成果を上げることに繋がるからです。そのため、今日クリエイティビティやイノベーションを掲げている企業は実に多いですよね。

組織で成果を上げることが出来るように導くためには、常日頃から色んな試行錯誤を行っていかなければいけません。
そこで、私たちは成果を上げるための1つの手段として、創造性を高めることにフォーカスしました。

先行研究による創造性を高める方法

まず創造性について研究された先行研究を調べて、
創造性の定義と創造性の高まる要因を調べてみました。
創造性の定義
創造性とは新規性と実用性の両方を兼ね備えているもの
引用:先行研究(Koh & Leung, 2019)

創造性の高いものの事例として、例えば、iPhoneがあります。
当時このiPhoneが販売されたころは世間ではガラケーが主流で、キーボード打ちが普通でした。しかしiPhoneは自分の指で画面操作できるようにしたことで、直感的に、より簡単にケータイをいじれるようになりました。

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先行研究**

では、創造性の定義を確認したので、その創造性が高まる要因を、まずは先行研究にあるものから紹介します。
先行研究から創造性が高まる要因は以下の3つがありました。
①時間的思考
②集団の一体感
③情報の精緻化

①時間的志向
引用:Koh & Leung, 2019

この先行研究は、時間的思考と創造性の関係について研究したものです。
具体的には、未来について考えることが創造性にどのような影響を与えるのかを研究したものです。僕たちの研究ではこの先行研究がキーになっているので、少し詳しく説明します。
言葉の定義
時間的思考とは、現在志向と未来志向を含めた総称のこと
未来志向とは、拡張的な思考ができる人のこと。=色んな事考えられる人
現在志向とは、論理的な思考ができる人のことです。=因果関係を整理し順序だてて考えられること
イメージ的には、図のように時間的思考というものの中に未来志向と現在志向の2つがあるという感じです。

研究方法
まず被験者を未来志向と現在志向に分け、「3歳児が喜ぶおもちゃ」を個々人で描いてもらう実験をしました。その後、個々人で描いたおもちゃを創造性を構成する要因の「新規性」と「実用性」の観点から評価しました。
実験結果まとめ
その実験結果は、未来志向になるとその人自身の固定概念が取り払われて、現在志向と比べて新規性は増すが実用性は変わらないという結果が出ました。ここまでが時間的思考の先行研究の内容です。

②集団の一体感
引用:Vander Vegt and Bunderson(2005)
続いて創造性を高める2つ目の要因として、集団の一体感があります。
これは集団の一体感と創造性の関係について研究したもので、集団の一体感が創造性にどのような影響を与えるのかを観察したものです。
 
集団の一体感とは、チームワークの高さを指します。
この先行研究によると、集団の一体感が高いほど創造性が高まることがわかりました。

③情報の精緻化
引用:​​Kearney,Gebert,Voelpel(2009)
これは情報の精緻化と創造性の関係について研究したもので、情報の精緻化が創造性にどのような影響を与えているのかを観察したものです。
情報の精緻化とは、既にある情報と新しい情報を繋ぎ合わせることを言います。
この先行研究によると、情報の精緻化が起こるほど創造性が高まることがわかりました。

先行研究まとめ
・未来志向は創造性を構成する要因の1つである新規性を向上させる
・集団の一体感は創造性を向上させる
・情報の精緻化は創造性を向上させる

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先行研究の課題**

ここまで創造性についての先行研究について調べてきました。
しかし、私たちはこの先行研究にある課題を発見しました。
それは、、
課題点
①創造性は何かと何かを組み合わせるものであるから、複数人で行ったタスクの評価を観察したほうがいい。
②実生活では1人よりも複数人で新しいモノやコトを考える機会のほうが多い。
「時間的志向と創造性」についての先行研究では、未来志向と現在志向の被験者がそれぞれ1人でタスクを行った場合の[新規性]、[実用性]の評価のみ観察しています。
そこで私たちが着目したポイントは、時間的思考についてです。
複数人による時間的思考の組み合わせの違いによって、創造性に与える影響は変化するのではないかと考えました。具体的にいうと、先行研究では未来志向と現在志向の被験者それぞれが1人でタスクを行った実験でしたが、それを複数人で組み合わせた場合、創造性に与える影響が変化すると考えました。

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リサーチ・クエスチョン**

リサーチ・クエスチョンとは、実際にこの研究で解明したい疑問のことです。つまり、この研究におけるメインテーマになります。
上記の一連の流れから、私たちはこの研究を通して、
1.創造性を最も高める時間的志向の組み合わせは何か
2.時間的志向の組み合わせが創造性に与える要因は何か
を解明したいと考えました。

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仮説**

また、リサーチ・クエスチョンを元に仮説を打ち立てました。
仮説①
現在志向と未来志向の共存が最も創造性を高める

仮説②
時間的志向が集団の一体感、情報の精緻化に影響を与える

仮説導出のロジック
そして、これらの打ち立てた仮説が創造性に影響を与えるまでの流れをまとめると以下の用になると考えました。

今回、私たちはこれらのデータを集めるために実験を行いました!!
その方法は、、、LEGO

小さいころ遊んだことあるのではないでしょうか?
LEGOの特徴として様々なものを自由に制作できるため、創造性を観察することが出来ます。
(また絵など創造性を表現できる他のツールに比べ、大人になるに連れて触る回数が減り経験の差が出にくいのではないかと考えました。)#いる?
実験の被験者は
都内の私立大学2校から92人の方に協力していただきました。
実験内容

実験は3ステップで、
① 時間的志向をもとに2人1組で4つのグループに分類

志向の分け方は、10分間で以下の課題について考えてもらうというものです。
先行研究(Koh & Leung, 2019)
現在志向 現在、人々がどのような生活を営んでいるか具体的に記述せよ
未来志向 50年後の未来、人々がどのような生活を営んでいるか具体的に記述せよ
コントロール 10分間ご自由にお過ごしください
※コントロールとは何も志向の条件を与えない比較対象
今回の実験では

現在志向×現在志向
11グループ
現在志向×未来志向
12グループ
未来志向×未来志向
12グループ
コントロール×コントロール
11グループ
計46グループのデータを得ることができました。

② LEGO制作
① でわけたグループをもとにペアで、「ワクワクする乗り物」を30分で制作

③ アンケート調査
いくつかのアンケートによりグループ間における
・情報の精緻化
・集団の一体感 の変化を測定しました。

ここで ある疑問が生まれる人もいるのではないでしょうか?
個人のLEGO作る能力が関係してくるのでは?
たしかに元の創造性によって影響してきそうですね。
そこで個人のパーソナリティも測定しました。
世界的に見ても信頼度が高く、心理学実験で最も使用される性格診断であるBIG5、ポジティブ、ネガティブ感情を測れるPANAS、事前アンケートや事後アンケートなどを用いて影響してきそうな以下の要因を考慮しました。

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評価方法**

実験で得た作品を、実験の概要を伝えてない2人の評価者に
新規性(作品としての目新しさ)、実用性(作品としての美しさ)の観点から7段階で評価してもらいました。
実用性がなぜ美しさかというと、映画などで内容が斬新で目新しくても構成がぐちゃぐちゃだと創造性が高いとは感じないですよね。
評価者には、作品を前後左右、真上からの写真+動画を見てもらい評価してもらいました。
ここで結果に入る前に皆さんに作品の一部を紹介したいと思います!
面白いことに志向のグループごとに特徴が見られました。
現在志向×現在志向
平均サイズ 縦18.45㎝(2位)横16,91㎝(2位)
特徴として左右が対象で形がきれいな作品が多かったです。
現在志向ということで現実的に構想を練ってから作品制作に取り掛かっているのでしょうか


作品タイトル 空飛ぶお家

未来志向×未来志向
平均サイズ 縦16㎝(3位) 横13,58㎝(4位)
こちらは現在志向グループとは違って、形にとらわれない幻想的な乗り物が多いグループです。

作品タイトル 夢の世界にご案内!!空飛ぶじゅうたんで未知なものに出会いに行こう!

現在志向×未来志向
平均サイズ 縦21,04㎝(1位)横17.92㎝(1位)
こちらのグループの特徴ですが、まずサイズに注目してみてください。
縦横の平均サイズが全グループでトップです!
また、ペガサスやドラゴンなど幻想の生き物を乗り物にした作品がいくつか見られました。

作品タイトル 竜のファミリーカー

コントロール×コントロール
平均サイズ 縦14㎝(4位) 横15.55㎝(3位)
志向に条件を与えてないのであまり特徴は見られませんでした。
これらの他にも30分という短い時間で素晴らしい作品がいくつも誕生しました!

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分析方法**

分析方法に行く前に、今回の実験を振り返ってみたいと思います!

上の図は、今回の実験の概要を図表化したものです。
ざっくりまとめると、時間的志向が創造性に直接影響を与えているのではなく、
創造性に直接影響を与える要因(媒介変数)に影響を与え、
間接的に創造性に影響を与えているということです。
そのため、分析では
1.どの時間的志向がもっとも創造性を高めるか
2.情報の精緻化・集団の一体感は媒介変数として適切か
この二点を、
被説明変数=LEGOの点数(新規性・実用性)
 説明変数=時間的志向
 媒介変数=情報の精緻化・集団の一体感 で回帰することで確認しました!

実験結果

実験結果としては、
新規性には現在×未来グループ
実用性には現在×現在グループ が最も影響を与えていました。
未来×未来グループは新規性・実用性共に現在×未来・現在×現在に比べ、
影響を与えていませんでした。
また、情報の精緻化・集団の一体感はどちらも媒介変数ではありませんでした。

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考察**

今回の結果を踏まえ、
1.グループで作業する場合は現在志向が一人でもいることがポイント
2.新規性・実用性共に現在×現在グループ>未来×未来グループであったのは
前者が時間を意識しながら作品を製作していたのに対して、後者は時間にルーズであったからではないか
この二点を考察しました。

今後の展望

今後の展望として
1.3人以上ではどうなるか
2.他の媒介変数が存在するかどうか
ex)観点の広さ
3.過去という要素入れたらどうなるか
この三点を挙げました!
個人を対象にした先行研究と、2人を対象にした今回の実験で結果が大きく違っていたため
3人以上を対象にするとまた違った結果になる可能性がありそうですよね...
また、実験を通して時間的志向のグループによって作品のコンセプトに偏りが見られたので
陸海空どこを動くか、形などで作品を分類して観点の広さを媒介変数として相応しいのではと思いました。
最後の過去ですが、英語の文法においても未来・現在・過去形があるように過去志向を入れるとどのような影響を与えるか気になりますよね!
固定概念にとらわれるあまりありきたりなものばかりになる気もしますが、
何か面白そうなことが起きるかもしれません!

執筆者紹介
久保田恭平
法政大学経営学部市場経営学科3年
長岡佑弥
法政大学経営学部経営戦略学科3年
横田佳樹
法政大学経営学部市場経営学科3年



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