アイドル戦国時代!!推しはジェネラリストかスペシャリストか?

皆さん、はじめまして。

法政大学経営学部永山ゼミの3期生です。私たちは普段、データサイエンスや統計学の側面から自分達が興味をもった事象について研究しています。

今回私たちの研究テーマは…
組織内での活動幅 × 組織離脱後の成功です!



【研究の動機】

私たち4人は全員アイドルが好きです。ジャニヲタ、K‐POPヲタ、欅坂ヲタ、ハロプロ…とにかく!全員の共通の趣味としてアイドルというジャンルがあります。そんな私たちからすると、推しメンが卒業してもたくさん活躍してほしいと思いますよね。

https://akira773blog.com/akb-top5/
しかしながら、上記の記事のようにグループ卒業後にタレントとして成功できるのはほんの一部であるというのが、芸能界の厳しい現実のようです。

この厳しい現実に対し、私たちはアイドルグループ卒業後にタレントとして成功する人物には、グループ所属時の活動の仕方に何か共通点があるのでは?という疑問を抱きました。


皆さんはアイドルの活動内容って何を想像しますか?例えば握手会やアーティストとしての楽曲活動、テレビ等メディアへの露出などでしょうか。
そんな中で私達は、グループ所属時の活動の幅に成功を分ける鍵があるのではないか、と考えました。


【仮説】

私たちはKacperczyk, A., & Younkin, P. (2017). の論文(以前所属していた音楽レーベルでの幅広い活動が、離脱後にレーベルを立ち上げた際の成功に影響しているか研究した内容)である「The Paradox of Breadth: The Tension between Experience and Legitimacy in the Transition to Entrepreneurship*. Administrative Science Quarterly. 」にて用いられた「HHI」という値に注目しました。これは企業の集中度を表す指標として使われています。詳しくは以下のサイトで分かり易くまとめられています。
http://r-o-y.info/tyusyo/tyusyo_2_HHI.html

Kacperczyk, A., & Younkin, P. (2017). によると前所属レーベルの離脱後に、新レーベルを立ち上げ、成功した人物には共通項があったと述べられていました。それが前所属組織での「幅広い活動」つまり、「1-HHI」なのです。

(先行研究の概念図)

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しかし上記の研究は、音楽レーベルにおいての研究結果でした。そこで私たちが大好きな「アイドル」というジャンルでも同じことが言えるのか、以下のような競合仮説を立てました。


アイドル業界において、

・卒業前の活動幅が広い方(ジェネラリスト)が、卒業後の成功に繋がる
・卒業前の活動幅が狭い方(スペシャリスト)が、卒業後の成功に繋がる


(競合仮説のイメージ図)

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【研究方法】

研究対象は、Wikipediaに個人ページが存在するAKB48の卒業生66名、SKE48の卒業生38名、NMB48卒業生19名です。

研究方法に入る前に卒業後の成功とはなにか。本研究ではアイドルにおける成功を「卒業後の世間からの関心の獲得度」と定義し、進めていきます。

仮説で示した活動の幅を「1-HHI」としWikipediaに掲載されている活動項目を要素にしました。ドラマやモデル、落語などといった項目を要素とし全員分のデータを取得しました。
また卒業後の成功はWikipediaの編集回数にしました。Wikipediaの編集回数は下記のように測ります。

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今回の研究における外部的要因を取り除くために以下の要素を考慮し、重回帰分析を行いました。
顔の美しさは公式の宣材写真をDeeplooks(https://deeplooks.com/)という顔の美しさを測るサイトで計測しました。

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【結果】


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上記が重回帰分析の結果です。この表から読み取れるのは、幅広い活動は卒業後の編集回数(結果)に対し優位に負の影響を与えているということが分かりました。反対に言えば、専門的な活動が卒業後の編集回数(結果)に対し優位に正の影響を与えているといえます。

よって私たちが設定した競合仮説である
「仮説1:アイドルグループ所属時の活動の幅広さは、卒業後の関心度獲得と正の関係にある」は棄却。
「仮説2アイドルグループ所属時の専門的な活動は、卒業後の関心度獲得と正の関係にある」は成立する。
という結果を得られました。


【今後について】

今回の私たちの研究では、「アイドルグループ所属時の専門的な活動は、卒業後の関心度獲得と正の関係にある」という結果を得ることができました。なぜ、このような結果になったのか、私たちなりに考察をしてみました。

私たちが考えた課題は2点あります。

まず1点目は、結果であるパフォーマンスを測定する期間が統一されていない(卒業後の編集回数の総数を用いたため)点があげられます。そのため、卒業後の期間が長い人物であれば、あるほど関心を獲得しやすいのではないか?と捉えることができます。今回の場合であれば、例えばグループ卒業前、卒業後の2年間の期間で編集回数を取得し、その前後の差を比較する等の分析を用いれば、また違った結果が得られたのではないかと考えています。

2点目はアイドルがグループ卒業後に所属する事務所の芸能界における強さが関心度の獲得に影響を与えているのではないか?ということです。一概に芸能事務所とはいえども大小様々な企業があり、事務所によって得意な芸能ジャンルも異なります。
(芸能事務所についてはコチラ→https://baseconnect.in/companies/category/69f5f1c6-ad86-46f8-8e8f-14794c32470b)
故に、卒業後に所属する事務所の属性に違いが今回の研究の結果にも影響を及ぼしているのではないかと考察しました。その点を考慮し、観測対象1人1人の卒業後の所属事務所をラベリング等するなりした後に分析を掛けられれば、より精度の高い結果が得られたのではないかと考えています。

今後の方針としては、AKB、SKE、NMB以外のグループも観測対象に追加し、パフォーマンスの測定期間を統一することで、より説得力のある分析結果を導きだしたいと思います!


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