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ブラックな会社に勤めていた話~2社目~

人から散々怒られると眠くなる人っています?私がそのタチなもんで、はい。

前回の「ブラックな会社に勤めていた話~1社目~」の会社を退職して3か月後。しっかり休養を取れて、本来の自分を取り持出した私は、何を思ったか、全く畑違いな「経理」という事務職に就いた。とりあえず、面接で終始ニコニコし、「数字に強いか?わかりませんががんばりまーす!」というノリで面接を受けたら見事合格。

職場環境は和気あいあいとしていて「最高」としか言いようがない。定時で帰れるし、お給料も前職に比べて高い。同年代もたくさんいて、飲み会も多くて、それは楽しかった。

ただ、働いていても「先」が見えなかった。女性は「結婚、出産したら退職」という流れができていて、妊娠した先輩達は次々に退職していった。「ここは手に職をつけて転職するしかない!」と考え、悩み、悩み…当時労務関係の業務もこなしていたこともあり、「社会保険労務士」を目指そうと決意。
2年ほど通信教育や職業訓練所に行って学んだりしたが限界を感じ、「それならとりあえず社労士事務所に転職して働きながら勉強しよう」と地元の社労士事務所の求人を探し始めた。

そこで見つけたのが次なるブラックな会社。ホームページで見る限りでは何か雰囲気がよさそう。とりあえず履歴書を送るとすぐに面接に来るように言われた。

ファーストインプレッションは大事だって
面接で社屋に入ると、またよろしくない「何か」を感じた。「気のせいだ」と自分に言い聞かせ、面接でもしっかりアピールでき見事合格。
事務職で働いていた職場の皆に盛大な送別会を開いてもらい、転職。そして、翌日からブラックな日々が始まる…

毎日社屋に入ると、ずっと胸が締め付けられるように苦しい。はじめは「慣れてないからだろう」と思っていたが、これはずっと続いた。そして、パソコンを開けると退職者が使っていたであろうフォルダが10個以上はあった。さらには事務の方に「なんでここに転職なんてしちゃったの…」と言われた。序盤から怪しい雰囲気。
それでも社労士目指して頑張ろうと、毎日無我夢中で働いた。仕事を覚えるのは本当に大変で、ミスの繰り返し。毎日朝早くに出勤し、夜遅くまで働き、帰って寝るだけの生活。勉強する余裕なんてどこにもなかった。そんな中、ある大きな仕事で私は所長に認められ、顧問先を多く任されることになった。

事件発生。毎日説教
「がんばるぞ!」と気合を入れ直した直後のこと。私が「正しい」事務手続きを踏んで進めた仕事が、大人の事情で「正しくない」事務手続きを踏まなければいけなかったことが判明した。それは私の確認不足であり、大いに反省し、その担当だったお局の方にも所長にも何度も頭を下げた。それでも許されることはなかった。
さらに、お局の方が犯したミスがいつの間にか「私のミス」となっており、所長にも、そしてなぜかお局にもこっぴどく叱られた。それから出勤して所長室に朝の挨拶に行けばそれから1,2時間ほど説教、夕方も暇さえあれば説教の日々。何かにつけて文句を言ってきた。そして「勉強しろ、勉強しろ」と何度も言われた。勉強不足であることは百も承知であったが、勉強する時間や気持ちの余裕がなかった。

次第に、説教されると手足が硬直し、身体が重くなり、眠くなるようになってきた。そして叱られているのに、なぜか笑いがでてくるようになってきた。

当時、夫とは付き合い始めの頃で遠距離恋愛中だった。仕事が辛いということは少し言っていたけれど、あまり心配はかけたくなかった。その反動が両親に行ってしまい、再び家に帰っても全く話をしない状態に。
心身共に悲鳴を上げていたようで、ストレスで倒れた。

退職してもうなされる
数日仕事を休んでいる間、寝ても覚めても仕事の事を考えていた。夜は何度も目が覚めて仕事の事でうなされていた。「もう限界だ」そう感じ、仕事に復帰した初日。「急ですが、来週いっぱいで辞めます」と申し出た。所長はまさか辞めるとは思っていなかったようで、想定外の表情をしていた。

無事に退職し、所長から解放されても、しばらくはしょっちゅう夢に所長が出てきた。そして必ず「ごめんなさい」と私に謝罪する。そんな夢を辞めて5年くらいは見たかなー。

敗北。仕事とは?
今でもたまにその事務所のホームページを覗くけど、相変わらずホームページ上での雰囲気は良い。しかしメンバーは頻繁に入れ替わっている。

「社労士になろう!」という夢を持って転職したけど、私は敗退した。「私の夢はこんなもんだったのか」と思うと悔しくて情けないけれど、これが現実。私のようなあまちゃんはは足を踏み入れてはいけない世界だった。「やってみたけど、向いてなかった」という結論になってしまった。

そこを退職するときに事務の方に言われた言葉。

「仕事は体を壊してまでするものじゃない。生活するために仕事をするのに、体を壊したら生活ができなくなる」

当時まだ独身で「自分のために仕事をする」という感覚で、「生活するために仕事をする」という考えがなかった。結婚を見据えた彼氏がいて、これから生活するために仕事しなきゃいけないのに、体を壊してしまって相手に迷惑をかけられないとハッとさせられた。
そのこともあり、今はゆるーい事務職をしている。相変わらず「手に職を!」という考えはあって、非常~にゆる~く勉強している。

それにしても、そのブラック事務所。私に虚偽の研修報告書を提出させて助成金を貰おうとしていたけど、ホントに貰ったのかな。それ貰ってたら不正受給だぞ。きっと。

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