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セゾン投信のインベスターリターンと、バンガード投資成功の4つの秘訣

バンガードとセゾン投信の共催、投資セミナーに参加してきました。投資を勉強したいけど、時間がなくて参加できない人のため、要点を参加レポートとしてまとめています。

なるべく、インターネットでは知れないこと、これから注目しておくべきことを中心に書きます。

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【開催日時】

2019年10月26日 14:00~16:30

【講師】

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[出典:セゾン投信]

三上 和久 氏は、バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社で、セールス・クライアントサービス本部インターミディアリー営業部長ディレクターをされています。

初めてお話を聞きましたが、やわらかな口調で、説明もとてもわかりやすいかったです。

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[出典:セゾン投信]

言わずと知れた、セゾン投信代表の中野 晴啓 氏です。セゾングループで運用部門を経て、セゾン投信を設立されました。その苦労話は、一度は会って聞いてみて。

今回新たに知ったのは、なんと元々はブランド服を売りたくて、セゾングループに入社したそうです。

【講演タイトル】

一部:バンガードとセゾン投信が伝えたい 長期投資のすゝめ

二部:バンガード、長期投資のすゝめ -変わらぬ投資哲学と不透明な市場環境を乗り切る秘訣-

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1.セゾン投信が大切にするインベスターリターンとは?

セゾン投信では、2つのファンドのインベスターリターンと基準価額の騰落率を比較した指標(下図)を提供しています。[算出:設定開始~2019.3末]

基準価額の騰落率とは、ファンドの基準価額の変化率を年率換算したものです。

インベスターリターンとは、実際の投資行動の結果、投資家が得た平均的な収益率(年率)です。「高値掴み」、「安値売り」した人が多ければ、インベスターリターンは低下します。一方、安値のときにも積立投資した人が多ければ、インベスターリターンは上昇します。

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セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、基準価額の騰落率が+3.2%に対し、インベスターリターンは+5.5%です。つまり、このファンドを保有していた人は、実際にファンドが成長した年率よりも、+2.3%多くリターンを得たことになります。

セゾン・資産形成の達人ファンドは、基準価額の騰落率が+6.3%に対し、インベスターリターンは+9.4%です。こちらも同様に、+3.0%(小数点第2位を四捨五入)多くリターンを得ていました。

セゾン投信では、投資家(私たち)の利益を最大化するために、積立投資を推奨しています。実際に、セゾン投信を購入している人の63.8%で積立投資しています。[2019.5時点]

その行動の結果、インベスターリターンが基準価額の騰落率を上回っています。

なぜ、積立投資を推奨しているのか。それは、投資家のリターンと市場のリターンにギャップがあるためです。

こんな調査があります。1983年~2013年の30年間、米国市場において、市場と平均的な投信保有者のパフォーマンスを比較すると、次の結果が得られました。

・S&P500指数:11.11%/年
・株式ファンドの投資家平均:3.69%/年
・両者のギャップ:7.42%

多くの人が、高値掴みして、安値で売却してしまっていることを表しています。株価が上がってくると買いたくなり、株価が下がってくると売りたくなる心理が働いた結果です。

そのまま持っていたら、11.11%/年という高リターンを得られたのに、投資家は逆の行動をとってしまいがちです。

そのため、セゾン投信では、基本投資行動として、「長期・分散・積立」を口を酸っぱくして、言い続けられています。それが最もお客様へのリターンにつながることがわかっているからです。

投信の平均保有期間(2018年度)は、業界平均がで3.49年に対し、セゾン投信が12.04年とかなり長いです。セミナーでも、書籍でも何度も伝えてきたがゆえの結果でしょう。

インベスターリターンの良さが、客観的な積立投資の効果を証明しています。ちなみに、金融庁の前長官・森さんからもこの指標を絶賛されたそうです。その影響もあり、運用損益別の顧客比率を開示する共通KPIができたそうです。


2.バンガードが大切にする投資に成功する4つの投資哲学

まず、バンガードについて簡単に紹介します。1975年に設立された米国に本拠地をおく、資産運用会社です。運用総資産額は、5.6兆米ドル(605兆円)です。商品数は、投資信託とETFを合わせて400本以上です。

お客様の8割が個人投資家で、低コストファンドが多く世界で人気の運用会社です。

バンガードには、実証された4つの投資哲学があります。

1.目標
2.バランス
3.コスト
4.規律


一つ目が目標です。資産運用する目標は何ですか。

バンガードでは、明確で適切な投資目標があると投資に成功しやすい、という結果が得られています。

米国民が資産運用する目標で一番多いのは、「退職後の医療費コストを貯めるため」とのことです。米国は、日本ほど医療保険制度が充実していないため、老後には病気になるリスクも高まるため、その補てんを第一に考えているようです。

最悪の場合、借金して病気に立ち向かい、支払いができなくなって破産する人もいるようです。

一方、日本国民が資産運用する目的で一番多いのは、「退職後の資金を貯めるため」です。米国とは違い、医療制度は整っていますので、医療ではなく、日々の生活費の補てんを第一に考えているようです。

目標がなくても投資はできますが、あった方が理由は何でしょうか。


2つ目のバランスに影響するからです。

バンガードでは、バランスの定義を「株式と債券の資産配分」、「幅広い資産に分散」としています。

一般的に、株式と債券の資産配分によって、リターンが異なってきます。例えば、投資対象として、株式にMSCIワールド・インデックス、債券にFTSE世界国債インデックスとしたとき、資産配分別の平均リターンは次の通りでした。[1985年~2016年]

・株式100%:7.0%/年
・株式70%、債券30%:6.7%/年
・株式50%、債券50%:6.3%/年
・株式30%、債券70%:5.7%/年
・債券100%:4.6%/年

株式の配分を増やすとリターンも高くなり、債券の配分を増やすとリターンも低くなります。先の目標が明確だと、それを逆算して資産配分を決めることにつながるので、目標も達成しやすいです。

幅広い資産に分散する理由は、翌年にどの資産のリターンが高いか予想することができないためです。

セゾン投信では、バンガードの投資哲学に準じて「国際分散投資」を基本戦略としています。すべてバンガード社のファンドで構成される「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」がその例です。

このファンドは、株式と債券に50%ずつ資産配分されています。投資対象地域は市場規模に合わせて、比率が決められています。株式の比率は下記の通りです。

・米国:28.1%
・欧州:9.6%
・日本:3.5%
・太平洋:1.8%
・新興国:5.6%

市場規模の大きい、米国が最も多いです。このように、国際分散投資することで、世界全体の成長を平均的に取り入れることを目標とされています。


3つ目がコストです。

住宅ローンなどお金を借りる時には、1%の差でも気にかける日本人です。しかし、投資信託のコストにはこれまで鈍感でした。

昨今、低コストファンドが多く登場し、コスト意識が高まってきました。購入時手数料はゼロのもの以外は、購入の対象外になりつつあります。信託報酬もインデックスファンドであればより安く、アクティブファンドであれば適正価格を判断していく必要があります。

たった1%の差でも、将来のリターンに影響します。

バンガードでは、信託報酬のコストを引き下げることで、お客様に利益還元しています。例えば、信託報酬が1.0%とします。総資産が100億円の運用会社では100億円×1%=1億円が売上になります。ここから、信託報酬を下げるのはことは難しいでしょう。

一方、バンガードは総資産が605兆円ですので、信託報酬が1.0%なら6.05兆円もの膨大な売上になります。そのため、信託報酬を0.1%まで引き下げて、売上を6000億円として、お客様の実質的なリターンに貢献しています。

セゾン・グローバル・バランスファンドは、2007年に設立した当初の信託報酬が0.77%でした。総資産が増加するごとに、信託報酬が4回見直され、2019年では0.61%まで引き下げられています。

セゾン投信も、バンガード同じビジネスモデルを採用しているため、お客様の実質的なリターンに貢献しています。


最後が規律です。

規律には2つの重要性があります。1つ目がリバランスの重要性です。例えば、リスクとリターンのバランスを考えて、株式50%、債券50%の資産配分で運用したいとします。

もし、一度もリバランスをしなかった場合、市場の影響を受けて株式と債券の評価額ベースの比率は変わっていきます。毎月1万円積立していても、株式50%、債券50%で運用できていません。

このとき、リスクとリターンのバランスを考えて資産配分したにもかかわらず、思わぬところで株式比率が増えて、リスクが増します。そのため、想定したリスクとリターンで運用するには、リバランスが必要ということでした。

2つ目が、市場の変動に合わせて資産配分を変えないことです。

リーマンショックなど株式市場が大暴落したときに、「もう株式はダメだ」と決めて、株式50%、債券50%から債券100%に変更した場合、本来得られていたリターンを逃してしまうことになります。

それを回避するためにも、規律を守った運用が重要であるとのことでした。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドでは、株式50%、債券50%の資産配分を厳格に守ってリバランスされています。資産配分が1%以上ずれないように、月に何度もリバランスされているとのことでした。

このファンドの信託報酬は、低コストインデックスファンドと比較すると0.61%とやや高めと思いますが、このリバランスの維持にコストがかかっているためです。

ちなみに、株式と債券の配分が50%ずつなのは、明確な理由はなく王道だからだそうです。株式70%、債券30%にしてもよいが、明確な根拠を示せないため、そうしなかったそうです。


3.感想

中野さんのセミナーに参初めて参加したのは2014年、そこから5年経ちましたが、中野さんの「長期投資を日本に根付かせたい」という熱い想いは変わっていませんでした。

日本では、つみたてNISAやidecoなど個人の資産形成をサポートする制度が充実してきました。日本で積立投資で資産形成するのが、徐々に浸透しつつあるのを感じます。

バンガード社のセミナーは初めてでした。低コストファンドの代表として十分に認知していると思っていました。

今回、三上さんの話を聞いて、バンガードが長年貫いてきた投資哲学、そして利益はお客様に還元するビジネスモデルを聴けて、改めてバンガードが支持される理由がわかりました。

これからも、セゾン投信や投資を一般化する方々を応援していきたいなと思いました。

以上。

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ありがとうございます!勉強に使わせていただきます。

オブリガード!(ブラジル)
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オンラインスクール"NISA SCHOOL"を運営。投信の基礎知識や選び方を教えています。受講生は696名。noteでは、投資や働き方に関する参加レポートを中心に記載します。よろしく、お願いします。ブログ:www.nisaschool.com
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