【経済の教室】 日本で日本円が流通しているのはなぜか?

経世一郎:こんにちは、司会進行の経世一郎です。
今回は、「日本で日本円が流通しているのはなぜか?」について経済評論家の長坂総研さんに解説していただきます。
よろしくお願いします。

長坂総研:こんにちは、経済評論家の長坂総研です。
今回は、日本円ついて話したいと思います。

経世:日本円についてのお話なのですが、日本円は常に使用している通貨ですが、なぜ日本で日本円が流通しているのか、良く知らないと思います。
日本についての解説をお願いします。

長坂:そんなに難しくはないのですけど、メディアでいろいろなことを言って、難しくしている面はありますね。
日本で使わている通貨は日本円、アメリカではアメリカドル、中国では元、EUではユーロ、イギリスではポンド。
ではこれらの通貨はなぜ流通しているかです。

その国の通貨がその国で流通するのは、その国が発行しているからとか、信認されているとか、保証しているとかではないのです。
単にその国、これからは日本としますけど、ここでいうと

「日本が、日本円でなければ納税を認めない」

言い換えれば「納税をするときは日本円でなければ認めない」、としているからに過ぎないのです。
日本に住んでいて、日本で稼ぎ、日本で行政サービスを受けるため、日本に納税の義務を果たすには、日本円でなければ日本は受け取らない、それだけです。
アメリカならば、アメリカドルでないと納税できない。
それが日本ならば日本円が国内で流通している理由です。
日本では日本円以外の通貨は納税では受け取ってもらえません
そのため、国民は納税するために、日本円を使用するしかなくて、そのため日本円が流通し、使用されている理由です

経世:日本円は日本に納税するため、流通されている、ということですか。

長坂:そうです。
例えば、日本政府が納税にユーロを使えと、法律を変更すれば、施行の日からユーロが日本の流通通貨になります。
まず企業が日本で経済行為を行い、納税するために、ユーロが必要ならば、その対価を受け取るのは当然ユーロになります。
さらに国民も納税するためのユーロしか受け取らなくなります。
そして、従業員は納税するためユーロを企業に要求し、また家庭では買い物をすると、その支払いはユーロになります。
企業が受け取らないからです。
日本円は紙くずで何の価値もないですから。
それによって、ユーロが日本の流通通貨に替わります。
このように通貨の流通というのは、政府によって規定されています
政府がどの通貨で納税をさせるかによって、国内の通貨の流通は変化するということです。
通貨の流通については難しく考えることなく、納税ができる通貨は何かによって流通する通貨が変化すると考えればよいのです。

経世:良く分かりました。
では、世にいう通貨の信認はどのようになりますか?

長坂:はっきり言って、私には通貨の信認という言葉が良くわかならないのです。
いま話したように、国内、国際市場で通貨の信認が、とかいう話しを聞きますが、通貨は政府が規定しているのです。
国民は、それに従い納税するのですから、通貨が信認されようがされまいが、国民は政府の規定した、日本で言えば日本円で税金を政府に納税しないといけないのです。
素晴らしく価値がある金の延べ棒でも政府は納税を認めてくれません。
はじめは、金を通貨に交換してから納税してください、となるのです。
それがドルでもユーロでも納税はできません。
納税できないと、どうなるかはご存じですね。

経世:差し押さえですね。

長坂:そうです。
いくらドルを持っていようが、日本円で納税できない限り、国民の義務は達成できないのです。
はじめから言うように、日本で生活をして納税をするために、日本が規定する日本円を使用する。
全てで、日本円が日本の通貨として流通するということです

経世:なるほど良く分かりました。
ありがとうございます。

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