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魚の美味しさは扱う「人」が決める

おさかなコーディネータのながさき一生です。この度、noteを始めてみました。美味しい魚は世の中を豊かにします。そのような世の中を作るために、魚を美味しくする情報を発信していきたいと思います。

今回は、手始めのテスト投稿ですが、著書である「五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味くて安全な魚を食べる方法 」(秀和システム)の中でも、かなり気合を入れて書いた節である「魚の美味しさは扱う「人」が決める」という話を書きたいと思います。

NAGAYA出版記念

◯「魚の美味しさは扱う人が決める」という事を心に深く刻み込もう
 【理由】獲れてから口に入るまでに人の手が多く介入し、それによって味が変わる

●魚が私たちの口に入るまでに
 魚が私たちの口に入るまで様々な人の手を介在します。魚を獲る漁師、それを流通させる魚問屋、そして消費者に料理を提供する飲食店。また、水産加工業者や小売店の方々も忘れてはなりません。

 魚は漁獲されてから、人から人へと渡っていきます。魚が私たちの口に入るまでの間には様々なことが起きています。これは魚に限った話ではないですが、モノが私たちの手元に届くというのは結構すごい事なのです。

 これは、美味しい魚が私たちの口元までやってくる際にも同様です。飲食店で食べる魚が美味しいということは、それを獲る漁師の扱いが良く、それを流通する問屋の扱いが良く、最後に調理して出す飲食店の扱いが良くなければあり得ないことで、その中のどこか1つでも残念な扱いをされてしまうと起きないことなのです。

 「魚が美味しいのは、多くの人の努力の結果」という事を忘れないで欲しいのです。

 このように、魚は多くの人の手を介在して私たちの手元まで届きますが、デリケートな分、「扱う人の影響が大きい食材」と言えます。

 つまり、「魚の味は人が決める」のです。

●消費者は飲食店と向き合おう
 魚の流通にとって飲食店は、一般消費者の口に入れられる最後の段階を担う重要な存在です。飲食店まで流通してきた魚を活かすも殺すもその飲食店次第なのです。

 獲れた時にどんなに美味しい魚でも、流通の段階でダメになる事もあります。それを仕入れるかどうか判断をするのは飲食店です。また、仕入が上手くいって、完璧な魚が飲食店にやってきたとしても、最後の調理が適切にされないと美味しく食べる事はできません。

 最近では、魚に関する情報も溢れ「〇〇という魚は美味いらしい」、「〇〇産の魚がいいらしい」、「〇〇は今が旬らしい」といった事を私たち消費者も耳にするようになりました。そのような情報を知っておく事はよいのですが、あまり消費者がこだわる所でもないように思います。というのも、結局、美味しいと言われている魚もその扱いによって味を変えてしまうのです。

 美味しい魚を食べるためには、魚種がどう、産地がどう、旬がどう、天然だからどう、冷凍だからどうなど、色々とあると思いますが、究極的には、「今、目の前にある魚が美味しいかどうか」だけであるはずです。様々な情報に囚われず、目の前にある魚といかに向き合えるかが、美味しい魚を食べるために最も大事なことです。

 では、目の前にある魚は何の影響を一番受けているのかというと、それは飲食店です。いくら「〇〇産の魚が美味しい」、「〇〇という魚は美味しい」といっても、状態が悪い日もあります。努力を惜しまない飲食店は、そのような時、もっと状態のいい魚を見つけてきて提供してくれます。このような飲食店をいかに見つけられるかが、外食で美味しい魚を食べるためには最も大事な事なのです。

 そう、美味しい魚を食べるために私たち消費者が最も見るべきは、魚種、産地、旬、天然か養殖か、生か冷凍か、などではありません。飲食店なのです。

 そして、その飲食店は、人が営んでいるということを忘れないで下さい。飲食店の良し悪しも、魚の良し悪しも、最後は人が決めます。結局、人を見れば、飲食店の良し悪しも、魚の良し悪しも分かるのです。

●本当に見るべきは「人」
 ここまでをまとめると、「外食で美味しい魚を食べるためには、飲食店を見ればよいこと」「魚の良し悪しも、飲食店の良し悪しもそれに携わる人が決めること」が言えます。そして、美味しい魚を提供してくれる飲食店が見つかれば、日々の魚ライフは一層充実したものとなるでしょう。


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