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親の介護・6年の記録〜介護の始まりから葬儀・相続まで

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2021年8月某日、父が永眠しました。 6年に及ぶ、在宅での介助・介護が始まった日から、介護認定・デイケア・介護施設・ケアプラン・コロナ禍の病院の状況・救急車の搬送・終末医療・…
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2021年12月の記事一覧

親の介護が始まった日・第五話「介護が始まり、最初に直面する事…」

親の介護が始まった日・第五話「介護が始まり、最初に直面する事…」

父が退院後、介助・介護にあたる家族の負担は想定以上のものでした。

父は、ゆっくりですが自力で床から立ち上がり歩く事は出来たのですが、トイレに到着前で間に合わず、途中で漏らしてしまう事が時々ありました。
処理にあたるのは母か私。
そして、漏らした側の父の気持ち。
特にプライドが強いのが男性。
父はその度にプライドが削られていきました。
情けなさもあるのか、複雑な表情をしてその場に佇むしかない…。

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親の介護が始まった日・第四話「リハビリと今後…」

親の介護が始まった日・第四話「リハビリと今後…」

父の転倒した時の傷が癒えるのもそこそこに、リハビリがすぐに始まった。
いきなり立ったり歩いたりではなく、マッサージや軽いストレッチと軽い負荷運動からのスタート。
高齢になると筋力の衰えが早いので、1日も早くリハビリを始める必要があると、担当になった医師と理学療法士さんから聞いた。

私はというと、上司や職場に事情を説明し、急に休んだお礼をして、職場に復帰した。
母は病院から、入院時に用意して欲しい

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親の介護が始まった日・第三話「驚きと不安」

親の介護が始まった日・第三話「驚きと不安」

父が倒れた翌日、私と母は、父が入院している病院に行きました。

行きの車中、父は今どんな状態になのか、もし何か起こってしまっていたら、これからどうしよう…
そんな事が頭をよぎり、車内は無言。
「なる様にしかならないよね…」、その言葉を交わしたのだけは覚えています。

受付で父の居る病棟と病室の番号を教えてもらい、エレベーターに。
言われた階で扉が開くと、目の前にナースステーションがありました。

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親の介護が始まった日・第二話「診断の結果は・・・」

親の介護が始まった日・第二話「診断の結果は・・・」

息を切らし家に着き、玄関を開けると、母が病院に行く準備をしていた。子供は心配そうに居間の戸びらからこっちを見ている。

「おかえり、母さん、行ってくるね。タクシー呼ぶから、子供よろしくね。」
「うん、ありがとう。ママ(嫁さん)が帰ってきたら交代して、俺も車ですぐ病院行くよ。」
「分かった。」
母は車の運転免許を持っていないので、タクシー会社に電話した。普段より早口になり、明らかに動揺しているのが分

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親の介護が始まった日・第一話「父が倒れた・・・」

親の介護が始まった日・第一話「父が倒れた・・・」

ちょうど、6年前・・、12月の冷たい風が吹く、冬の日。

その日の仕事の終わりが見え始めた18時頃。
落ち度のないようにチェックをしていたその時に、一本の電話が職場に掛かってきました。
いつものように事務員さんが電話を受け、すぐさま私の名前が呼ばれました。

「○○さん(私の名前)、お家からお電話ですよ」(事務員さん)

「えっ?…あっ、はい。」(私)

今まで家から職場に電話が掛かってくることな

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