見出し画像

米国で民間ロケットの打ち上げが増えている背景とは

1989年以降の米国でのロケット打ち上げ件数・発射場等がわかるサイトを見つけた。

https://www.faa.gov/data_research/commercial_space_data

https://www.faa.gov/data_research/commercial_space_data

このサイトによれば、1989年以降、米国では合計584件のロケットが打ち上げられ、うち39件が大気圏に再突入して地上に戻り、32件は有人機の打ち上げ、9件は有人機が再突入により地上に戻ってきた、とのこと。

オペレーターとしてはSpace Xが253件として他の事業会社を圧倒し、発射場としてはフロリダが最も打ち上げ実績が多い。

米国のロケット打ち上げだが、近年その打ち上げ件数は急増してきている。2022年は79件、2023年はこれまで78件のロケットが打ち上げられている。

https://www.faa.gov/data_research/commercial_space_dataより作成

この急増の最も大きな要因は打ち上げコストの低下だろう。コスト低下に伴いSpaceX、Blue Origin、Rocket Labといった新興企業が、過去10年に多くのロケットを打ち上げ業界を牽引してきた。商業プレイヤーの台頭が、過去10年間における業界の著しい成長を牽引してきたことに起因している。

では民間ロケットはどのような目的で打ち上げられるのか?主な目的としては、通信手段の提供(注:日本のように海底ケーブルを利用したインターネット接続手段の国では想像がつかないかもしれないが、海底ケーブルを敷くことのできない内陸部の国などでは、衛星を介してインターネット通信手段を確保している)、位置データの取得・分析の活用(例:アマゾンやウォルマート等の小売業者であれば、配送状況のトラッキング等で活用できることが容易に想像できるだろう)等が挙げられる。

今後、ますます多くのロケットが打ち上げられ、米国ではさらに宇宙産業が拡大していくだろう。

いいなと思ったら応援しよう!