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「反転授業」は、家庭毎にやりましょ?

アクティブラーニングという言葉がもてはやされて、その陰で、にわかに流行りそうで流行らない「反転授業」

最近はICT教育ということも話題になることが多いので、端末の活用法のひとつして反転授業ということも上げられる。

ググってもらえばすぐに基本情報は集まると思うけど、耳馴染みがない方のために、簡単に説明しておく。

反転授業というのは、何を反転するか端的に言ってしまえば、「予習」と「復習」のタイミングを逆にすること。現在一般的な学習の流れは、

学校で新しい単元を習う

宿題や家庭学習など自分で復習

これを反転させて、

自分で新しい単元を勉強する

学校の授業内では問題解決、教え合いなどの時間にする

こういった授業のあり方のことを「反転授業」と呼ばれている。
習ってないことを自分でやるって厳しいだろうと思うかもしれないが、そこで活躍するのが、ICT(Information and Communication Technology)情報通信技術。よく知られる「IT」にコミュニケーション要素も足したと考えるとわかりやすい。

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従来の学校の講義の部分は、自宅でタブレット端末を見ながら学習してしまえば、学校の時間をもっと有意義に使えるという発想だ。

従来の一方的に習う勉強ではなく、主体的に学ぶようになる。予習で理解できなかった子を、学校の授業の中で先生が拾うこともできる。

一見するとすばらしいシステムのような印象を受けるが、教育のプロじゃなくても、すぐに問題点が気になってくる。

そのタブレット、誰が買うの?壊れたらどうするの?一人で勉強してわかるんだろうか?そもそも、子ども達は自分で勉強時間を確保して勉強してくるんだろうか?機械苦手なんですけど・・・、っていうか先生は大丈夫なの?等々、実際にやろうとしたら、課題は山積みでごり押しすると大ひんしゅくを買うことになるのは、簡単に想像出来る。

だからそう簡単には普及しない

反転授業の話題になると、学校単位では初めての試みとなった佐賀県武雄市立武内小学校の「スマイル学習」が有名だ。評判や実際の効果は上々のようだ。
しかし、今後、全国の学校で始めようと思ったら授業ノウハウが全く変わってくるので、現場の先生達にまたまた大変な負担を強いることになる。

また、ある論文の中に書かれていたのは、反転授業の予習部分については、「保護者が教えなければいけない」と思っている人も多いということだった。

これは、一概に否定も出来ず、とくに低学年においては、タブレットを見て自分で勝手に新しいことを学んでくれるかというと、それは現実的に難しいかもしれない。

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アメリカでは結構普及しているという話を聞く。
なぜかと考えたら、「自己責任」という土壌がもともとあることが要因のように思う。

問題点は色々あるが、僕が個人的に解決すべきだと思う課題は、家庭環境によって、相当な格差が予想されると言うことだ。

例えば、新単元を予習してこなかった子、やってみたけど、全然わからなかった子。彼らが授業の時には主体的に参加して問題解決してくれたら、反転授業は成功といえる。わからないものはわからない、興味ないことは興味ない、と投げ出してしまったらどうなるだろうか。

前述の通り、従来の授業形態よりも自己責任の要素が増える。「主体的な学習」といえば聞こえが良いが、主体性のない子は落ちこぼれる可能性があがる。逆に、「やらされる学習」によって救われている子もいることは否めない。

反転授業は家庭毎に

学校の先生や塾など、教育を生業にしている人は、教育に関わる全体の質向上を考えなければならない。反転授業の普及はそう簡単にいかないだろう。

僕は、教育者でもなんでもなく、現役小学生一介の親として思うのは、これすごくいいので、まずは家庭毎にやろうよ、という提案だ。

当然、授業の内容は復習的にならず、当面は初めて教える前提で進んでいくはずだ。それに、予習用の動画を学校が用意してくれるわけではない。

学年があがるにつれ、親もなかなか教えることができないということはあると思うけど、実はYoutubeで検索すると、無限に教材が出てくる。子ども一緒にこういったものを活用し、わかりやすい先生の解説を無料でみることができる。

勉強のためになんていう口実で、子どもに専用のタブレットを買ってあげることはやめよう。オンラインゲームかくだらないYoutubu動画漬けになることは目に見えている。

パソコン、タブレット、スマホ、親が一つも持っていないという家庭は少ないだろう。一つでもあれば、子ども一緒に見れば十分。十分というか、その方がベターだと思う。

忙しくて子どもの勉強を見ていられないという人もいるかもしれないが、たとえば、30分一緒に動画を見るくらいできないというのは薄情すぎる。自分がスマホゲームをやったり、テレビを見ている時間を少しだけ削れないだろうか。毎日20時間働いてるということでもなければ、僅かな時間の捻出は各自で考えてもらいたい。

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それこそ、ICT教育もあわせて、まずは家庭からだと思うのだ。
デジタルネイティブ世代の子ども達は、電子機器と異常なほど親和性がいいので、親の方が多少機械が苦手でも、心配することはない。

予習がよいか、復習がよいか

どうせ理解出来るなら予習でやっても、復習でやっても同じと思う人もいるかもしれないが、周囲よりも一手先に行動することはとてもメリットがある。

クラスのみんなが初めて習うときには一通りわかっていて、先生の話がスルスル入ってくる上、学校でもリーダーシップを取って活躍しやすい。実はこれ、友人関係でもアドバンテージになることで、こういう些細なことが自尊心を育てる。

家庭学習というと、今学校でやっている計算や漢字の練習などをやらせてしまいがち。そして、子ども達もそれしか選択肢を持っていないので、自分で考えると、そんなことを適当にやって家庭学習の実績を作ろうとする。

うちでは、「それは勉強じゃなくて、ただの作業だ」と。いつも言っている。

一手先行く予習重視の家庭学習。現状では、反転学習とは違うけれども、それに近い態勢は家庭毎に作れると思っている。
高価な塾や教材を検討する前に、ぜひ、チャレンジしてみてはいかがだろうか。

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