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自分の仕事はプラスサムゲームか

キャリアアップの話になると、僕みたいに小さなビジネスやってる人は、ほんと虚しくなっちゃうよね。

僕も40代になってから、この先どうしようかってことは、日に日に深く考えるようになっている。

ゼロサム・プラスサム

ゼロサム、プラスサムとかって言い方は、ビジネス用語というより、投資用語になるのかな。

念のため簡単に説明しておくと、ゼロサムとは、利益の合計がゼロにゲームのこと。賭け事でいうと、麻雀なんかはそうだよね。

誰かが勝つということは、その分だけ、誰かが負けると言うこと。

ビジネスの世界で一番わかりやすいのは、フード業界。

日本の人口がざっくり1.2億人だとすると、全員が3食たべているとしても、3.6億食という上限は変わらない。その3.6億食を取合いするのが飲食業で、どこかに急に流行っているレストランがあれば、その分どこかのラーメン屋の客はへっているかもしれない。

ゼロサムとはそういうことだね。

プラスサムというのは、文字通り、利益の合計が増えていくゲーム。

例えば、同じ飲食業でも、昔は事情が違ったかもしれない。

江戸時代の後期に日本人は1日2食から1日3食になったといわれている。

その頃は、人口も増えて、食べる回数も増えて、「食」というのは成長産業だったと想像出来る。その頃に粋な飲食店を展開した商売人は儲かったかもしれないね。

現代で言うと、伸びしろが大きい、新しいテクノロジーや未開拓ジャンルじゃないと、なかなかプラスサムにはならない。日本だけに限定すると、単純に人口が減っているので、全ての業界がマイナスサムとなる。

つまり、僕らはグローバルに目を向けていくしか生き延びる道がないということだよね。

斜陽産業

僕が作って売ってる「念珠(数珠)」という商品は、どういう特性があるかというと、一昔前は、日本人のほとんどが持ていた。完全に飽和して、数で圧倒する安価な品も多く出回った。

ほとんどの人が持っているのは、そういう念珠で、長く使えば修理が必要になるものだけど、実際には、買った方が安いということが多い。

それでも、故人の形見だとか、特別な思い入れがあって、高上がりでもなおして使いたいなんてことも多いんだけどね。

家や車と違って、単価も安い上に、一生に1連持ってくれたらまだ良いほうってのが念珠の業界だ。

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宗教関連業界というのは、そもそも寺社仏閣自体が厳しい時代になってきたし、そこにぶら下がっていた仏壇、仏具、神具等の業者も大変な勢いで廃業している。

強いて言えば、葬儀業界はあの手この手で、やや頑張っている印象はあるが、葬儀単価は恐ろしく下がっているだろうし、どちらにしてもあと20年もすれば、一気に人口減少時代で、葬儀自体の件数も減り続ける。

一般にこういうのを、「斜陽産業」というよね。

どこから発生した言葉なのかよく知らないけど、文字を見るからに、ピークを過ぎて陽が傾いているという感じがわかる。上手いネーミングだと、変なところに感心しちゃうわ。

だからね。僕がメインで扱っている念珠っていう業界は、ゼロサムどころか、完全にマイナスサムに見える。

念珠屋で食って行けるのか

普通の志高い実業家なら、こんな業界は早めに見切りを付けて、新しいジャンルに飛び込むんだろうけど、僕は未練がある。

念珠を売るというのは、自分の人生のゴールを見たときに一つの手段であって、別に念珠を売ること自体が目的ではない。

仏教に先に惚れてしまい、それを広めるツールとして、念珠に魅力を感じている。

だから、安直な鞍替えを考えずに、なんとか生き残る道はないかと模索しているのだ。

単価が安いし、売れないし、みんな興味が無いしというのは事実だけど、悪いことばかりじゃない。

食事と違って、1人1連とは限らない。だから、市場は無限に伸びしろはある。たとえば、同業でも毎年、何万連、何十万連と製造しなければ維持できないよう大きな会社は今後潰し合いにしかならないだろう。

でも、うちの場合は夫婦二人で年間1500連も仕立てたら御の字だ。
それで商売を維持できることが同業社には信じられないと思うけど、知恵を絞ってなんとかしている賜物なのだ。

指示してくれるお客さんはずっと右肩上がりである。

スケールメリットというと、一般には規模が大きいが故強いというときに使われる言葉だけど、スモールスケールメリットもあるってことね。

斜陽産業でも、マクロに見れば、プラスサムのブルーオーシャンということはある。

億を売る企業に成長させるとか、上場を狙っているというなら話にならないけど。

だから、念珠屋っていう商売は、超マイナスサムゲームの中にある、マクロ的プラスサムと見ている。

ちょっと、何言ってるかわかんないね。笑

余裕がある人は整理して読み直してみて。
僕の頭ではそう解釈して、まだまだここで生き延びる道はあると踏んでいるのだ。

ここからの十年は、変化が大きそうだ。
蓄積したノウハウをどう生かしていくか。

世界がヤバイ状況でしょ。
普通の経営者なら青ざめて胃が痛くなる状況なのかもしれないけど、長年、野生に生きていると、世の中が動いているときの方が、なんかわくわくしちゃうんだよね。

国や自治体の不満を言っても、結局は誰も助けてくれない。
資本主義のルールのなかで、このゲームどうやって勝ち逃げるか。

なかなか気を抜けない状況になってきたなということだけは、はっきりしてるね。


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