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私が52歳で30年勤めた会社を辞めた理由

人生100年時代

私が人生100年時代という言葉を最初に目にしたのは、『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」リンダ・グラットン、アンドリュースコット著だったと思います。

随分と話題となって、日本でも20万部以上の大ベストセラーになり、ビジネス書大賞なども受賞してました。
 
日本でも、安倍首相を議長とする「人生100年時代構想会議」が発足され、長寿に対応する経済社会システム改革などの、議論が進められました。
 
LIFE SHIFTでは、人間の寿命が伸びることで、これまでの「教育→仕事→引退」という3ステージの人生が、多くのステージを経験する「マルチステージ」の人生になる、としています。
 
幸か不幸か、定年前のサラリーマン世代の多くは、この「仕事」というステージから、そのま「引退」というステージには行けずに、「マルチステージ」に突入して行くこととなります。
 
そして、「マルチステージ」の人生では、選択肢を多く持つことが重要と言っています。

選択肢を多く持つためには、失敗を恐れずにとにかく試してみる、という考え方が必要になります。
 
長年組織の中で仕事をしていると、絶対に失敗してはいけない!という完璧を目指す考え方に捉われがちです。
 
でも、これからの「マルチステージ」の人生では、失敗しても修正可能な範囲で、新たなことを試してみることが大切です。
 
そして、何にチャレンジするかは、お金になりそうだからとか、多くの人がやっているからという、他人の価値観で判断せずに、自分の価値観に従って、自分が本当にやりたいことを選ぶ。
これが最も重要かと思います。
 

具体的には、サラリーマンを続けながら、小さな自分のビジネスをスタートさせ、そのビジネスを育てていく。

そして、ある時点で定年のあるサラリーマンを卒業し、自分のビジネスで生きていく。

これが、マルチステージを生き抜く一つのやり方だと考えています。


自分が本当にやりたいこと、これをビジネスにすることが目標ですが、自分のやりたいことはやってみないとわからないものです。
やってみて、違っていれば、自分のやりたい方向に変えていけば良いのです。

一番重要なのは、自分の価値観にあったビジネスをスモールスタートさせること。

そのために、必要な知識やスキルを身につけること。

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人生を自分でデザインする
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何も考えずにこれまでの3ステージの人生を生きるのはとっても危険です。

自分の生き方を決めるのは自分です!


お金より大切な無形資産とは

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」で、これからは、有形の金銭的資産と同じくらい無形資産が重要だと言っています。

有形の金銭的資産とは、いわゆる金融資産です。

現金、株式、債券、投資信託、不動産などですね。

ライフプランを考えるとき、一般的にはこれらの金融資産をどう増やし、どう運用して人生を最後まで生きるかの計画を立てます。

でも、それだけでは不十分で、これからは、有形資産と無形資産のバランスを取っていく必要があります。

無形資産とは何なのか?
それは、知識とか健康、友人関係といった、お金には換算できないが、幸せに人生を送るために不可欠のものです。

LIFE SHIFTの中では、無形資産として、次の3つが挙げられています。
 
1.「生産性資産」
 所得、キャリアを向上させるスキルや知識
 
2.「活力資産」
 肉体と精神の健康、良好な家族・パートナー・友人関係
 
3.「変身資産」
 変化や新しい経験にオープンなマインド
 
有形資産と違い、これらの無形資産を自分がどれだけ持っているか、計測するのは難しいものが多いです。

それでも、それぞれの資産について、現状の自分を評価し、それを今後どうして行きたいのか?

そこに到達するために何をやるのか?を決めることはできます。

無形資産も有形資産と同じく、何もせずに放置していれば、どんどん減少していくでしょう。

人生をより良くしていくためには、それぞれの資産を増やすための行動や習慣が必要です。

まず、上記の3つの無形資産について、自分の今の状況を把握するところから始めましょう。

有形の金銭的資産にとらわれすぎず、無形資産も含めたライフプランを考えることが、これから重要になってきます。


私が52歳で30年勤めた会社を辞めた理由

私が会社に入社したのは、平成元年のバブル期真っ盛りの時でした。
就職は売り手市場で、希望した大手電機メーカーの情報処理技術の研究所にすんなり入れました。
そのころの私は、良い大学に入って、大手企業に勤めて、そこでなるべく出世して定年まで働いて、退職金で豊かな老後を送るというのが最も可能性の高い成功だと思っていましたので、その会社で定年まで働くことに疑いも持っていませんでした。

しかし、人間の寿命が伸びることで、これまでの「教育→仕事→引退」という3ステージの人生が、多くのステージを経験する「マルチステージ」の人生になることを考えると、人生設計も変わってきます。

さらに、日本経団連会長やトヨタ自動車社長も「終身雇用を守っていくというのは難しい」と発言しており、それまでの生き方はできなくなることが明確になってきました。

「終身雇用」や「年功序列賃金制度」が終わりを迎え、50代以降は給料は下がる人が多数、退職勧告か転籍、降格、配置転換によって自主退職を促すということも当たり前になってきています。

何とか会社にしがみついたとしても、60歳以降は極端に給料は下がるし会社の中でのポジションもなく人生の消化試合のような時間を過ごす。

そういったことを考慮してライフプランを見直した時に、今の会社で定年まで勤め上げるよりもなるべく自分の気力や体力があるうちに、自分のビジネスを始めることにチャレンジした方がこの後の人生を価値のあるものにできると考えるようになりました。

そう考えてみて自分が会社を辞めて新たなビジネスにチャレンジできない理由、それは単に今の年収を下げることへの不安だけだということだと分かってきました。

年収が下がったら何が困るということではなく、単純に年収が下がることが不安だし嫌だったのです。

でも、よくよく考えてみるとすでに給料は横ばい状態で、この先は下がるしかないし、60歳の定年を過ぎたら極端にもらえる給料は下がることは分かっていました。

そうであれば、単純に今の年収にこだわるのではなく、人生全体を考えて今からの働き方を考えるべきだと思うようになりました。

そのように、今の会社で定年まで勤めるのが前提で、それ以降はその時に考えるといった視点から、今から人生全体を考えてどのように働いていくことが、その後の人生を最も楽しく幸せに生きていけるかという視点に変わったことで、考え方も選択肢も大きく広がりました。

単に視点を変えることで、より自由で幅広い人生の選択肢を考えることができるようになったのです。

そうして、私は49歳の時に会社員と並行して起業準備を開始して、52歳で会社を辞めて自分のビジネスに移行しました。

これからのサラリーマンも1つの会社に依存するのではなく、今の会社だけでなく、他の会社でも通用するスキルを身につける。そのための仕事を優先してやる。自己投資して自分で学ぶ。といった姿勢を持つことが大切です。

そして、会社の給料だけでなく、副業や投資などで、少額でも複数の収入源を得る。
副業は小遣い稼ぎではなく、自分のビジネスとして育てて最終的に起業するための道筋を描いておく。

さらに、今の会社を退職し、別の道へ進むことを自分の選択肢として持っておくこと。
退職金がいくらもらえるか、早期退職優遇制度が使えるのか、などを把握し、退職後のシミュレーションをしておく。


そうやって、いつでも退職を選択できる状態にしておけば怖いものはありません!


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