【阿南町】山田百次さん 阿南探訪 2日目
4月18日、山田百次さんによる阿南町探訪の2日目が始まりました。
昨晩お世話になった「まるはち旅館」のご主人から昔のお話を聞くことが出来ました。
新野は古くは交通の要衝として栄え、まるはち旅館は宿屋や酒屋としての機能を果たしており、現在のコンビニのような役割を担っていたということ。
そして鉄道が発達するにつれて人の流れが減っていったこと。
新野の盆踊りは毎年8月14日~16日で行われるが、そのあとの8月第4土曜に行われる「うら盆」の盆踊りは、通常の盂蘭盆会とは若干違い、「おら盆(自分の盆)」というニュアンスが含まれており、新野の人達に心待ちにされていること。
他にも滞在できそうな古民家や、新野の行人様のお堂までの道順など、様々なお話をいただき、出発となりました。
ーーー
まずは、まるはち旅館からほど近い場所にある空家を拝見しました。
落ち着いた通りに佇む古民家の周りでは、ゆったりとした時間が流れていました。
続いて一同は新栄山の「新野の行人様」のもとへと向かいました。
新野の行人様とは、貞享4年(1687年)に生きながら即身仏(ミイラ)になった日本でも数少ない僧です。対面こそ叶いませんでしたが、行人さまが安置されているお堂は新栄山の山頂の巨大な岩石の上にあり、荘厳な雰囲気が漂っていました。
行人さまへのあいさつを終え、新栄山の中腹にある展望台へと向かいました。ここは新野一帯を見渡せる絶景スポットです。これから新野に滞在することになる山田さんの目には、なにが見えているのでしょうか。
山を下った一行は、新栄山の麓にある巣山湖で車を止めました。巣山湖からの景色は、まるで故郷に帰ってきたかのような暖かい心持ちにさせるようなものでした。
巣山湖から新栄山をぐるっと半周し、「瑞光院」を訪れました。
瑞光院は地元の方々からの信仰が篤い名刹です。その荘厳な佇まいは新野を南北に縦断する国道151号からでも十分に伝わってきましたが、敷地内に降り立ってみると、意外にも暖かく迎え入れてくれるような雰囲気に感じました。
瑞光院をあとにした一行は、資料収集のために阿南町農村文化伝承センターへと向かいます。
阿南の土地を実際に見て回り、歴史をひも解き、自らの作品に落とし込む。山田さんの作品に対する熱意と真摯さを感じました。
阿南をより深く見つめ、理解するために、山田さんは阿南探訪と資料収集を続けます。
一行は新野を出て、和合地区の松林寺を訪れました。松林寺は、毎年8月13日から16日にかけて開催される「和合の念仏踊り」の会場のひとつです。町の人達の心が集う地で、作品作りのヒントを拾っていきます。
最後に阿南町立図書館を訪れました。ここでは郷土資料をはじめとした様々な資料を閲覧することが出来ました。山田さんは情報収集に余念がなく、児童向けの絵本から分厚い資料まで、様々な本に目を通していました。
ここから生まれてくる作品が今から楽しみです。
1回目の阿南町探訪はこれで終了しました。まだまだ下調べの段階ではありますが、阿南町の空気と山田さんの丁寧な情報収集の様子を見ていると、今から出来上がってくる作品が楽しみでなりません。
(文:「信州art walk repo」取材部 清水 康平)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?