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新しい朝が来た

 子どもの頃の夏休み。
 地区ごとに、学校のプールに泳ぎに行かなくてはいけないのが、嫌だった。地区が、アルファベットで分けられ、わたしの地区は学校から遠いからかEとかFとかで、学校から配られたカレンダーにEとかFが書かれている日には行かないといけなかった。
 朝は早起きして、近所の集会所に行き、ラジオ体操をしなくてはいけなくて、嫌だった。
 わたしの娘の小学校には、夏休みのプールもラジオ体操もない。登校日もない。
 そういう話を、母としていて、母に、ラジオ体操は、母親たちは子どもたちのカードにハンコを押しにいかなくてはいけなかったでしょう、あれ、嫌じゃなかったの? と訊いたら、学校から決められていたから、当たり前だと思い、やっていた、と言う。
 母親たちは、当番を決めて、順番に、ラジオ体操に参加して、終わった子どもたちを並ばせて、カードにハンコを押し、そして、ラジオ体操の曲は、母親たちが集会所に車で行き、その車のラジオから、流していたと言う。
 わたしは、自分が今、娘の学校から、ラジオ体操にあなたは母親なので行ってください、そして、子どもたちが体操するための例のあの曲は、自分の車のラジオから流してください、と言われたら、どうするのだろう、と考えた。
 すごく、嫌だ。

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