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おやつ

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毎日の日記を書くって大変!なときに登場する『おやつ』です。 ほんとうにその日食べたもの(時間は午後3時じゃなくとも)なので、季節感を感じられれば。 <これまで【note】に綴っ… もっと読む
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いきなり団子

いきなり団子

仕事帰りの夜8時半。
新橋の地下道で「いきなり団子」を買った。

少し前から店が出てるな、と気にはなっていたけれど、仕事を終えて通るときはもう閉まっていて、なかなか買えずにいた。だから今日はとても嬉しい気分で、ショーケースを覗いた。

熊本名物だから、夫と帰省する度に買うほど大好きな『いきなり団子』。中に大きなサツマイモとつぶ餡の入ったお饅頭である。
初めてのこの店は、5つの種類があった。

プレ

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イエンセンの王冠

イエンセンの王冠

代々木八幡に、デンマーク駐日大使館御用達のパン屋さんがある。
名前は『JENSEN(イエンセン)』。
本場のデニッシュが味わえる、東京で唯一の(と個人的に思う)店だ。

昨日はお昼頃に立ち寄ったのだが、お目当てのスモースナイル(※デンマーク語で「スモ―」はバター、「スナイル」は渦巻きの意味。シナモンロールだと思って頂ければOK)は、すでに売り切れてしまっていた。
ヨーロッパのベーカリーのように、朝

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ハワイ土産といえば

ハワイ土産といえば

コレ!このチョコレート。
ロケ帰りのディレクターから頂き、久しぶりに出会った。

親戚からハワイ土産に頂いて、初めて食べたのは小学生の頃だったと思う。大きな箱にぎっしり入っていて、子供心にわくわくしながら、なんて美味しいんだと感激した。中に入っているマカデミアナッツも当時はまだ日本で珍しく、南の島のアーモンドは白いんだと勘違いしていたほど。

グリコの「セシル」(とくにアーモンドチョコ)が大好きで

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雪あられ

雪あられ

東京で、朝から雪が降り続く今日。
幸いにも外での打ち合わせもなく、急を要する仕事もない。
こんな日は、「ちょっと特別な」家事をしようと思い立つ。洗濯や料理でなく、ふだんは手の届かない家のこと。
初めは食器棚の皿の整理をしようと試みたが、キッチンに立つと底冷えの寒さで、すぐに断念した。しかし何か、ふだんとは違うことをしたい。

そうだ、「あられ」を揚げようと決めた。
10日ほど前に鏡開きをしてカビを

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飛騨の『豆つかげ』

飛騨の『豆つかげ』

昨日までの名古屋帰省で、初めてのお菓子に出会った。
飛騨の『豆つかげ』という、大豆の揚げ菓子。

節分を前に、いつも立ち寄る豆菓子店で特別販売をしていたのだが、味見をさせてもらい、カリっと噛んだ途端「!」となった。

「つかげ」とは、飛騨の方言で「揚げたもの」という意味らしい。
「カリっと」した歯ざわりが心地よく、ほんのり甘くて、大豆の香りがやさしく口のなかに広がる。文字通り「クセになるおいしさ」

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ホットケーキから蝶が羽ばたく

ホットケーキから蝶が羽ばたく

昨春『四角いホットケーキ』という詩が、世田谷文学賞の二席に入ったことがきっかけで、『木庭撫子』というわたしが生まれた。

それまで詩を書いたことはほとんどなく、そもそもこの文学賞には随筆部門で出してみようかと軽い気持ちで考えていた。街のポスターで「あ、今日がしめきりだったな」と締め切り当日になって思い出し、詩ならなんとかなるかもと慌てて書いたものだったので、地域の小さな(しかも1番じゃなく2番の)

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フルーツパワー!

フルーツパワー!

誰しも「ここぞというときの食べもの」があると思う。

わたしにとってそれは、新鮮な果物だ。

徹夜必至で原稿を書かねばならないときは、近所のスーパーでカットフルーツを買って備える。
いまの時期、りんごや柿などは常備しているけれど、台所で切る余裕もなくなってくるので、ちょっと割高でもこの際仕方ない。すでにカットされたフルーツで手軽に頂く。

父方の祖父は、戦後の混乱期を果物屋で生計を立て、乗り切った

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限りなく熱いコーヒー

限りなく熱いコーヒー

名古屋のコーヒーは、半端なく熱い。

カップも熱湯で温めているため、口をつけただけで「あちっ!」と反射的に離してしまい、すぐには飲めない場合も多い。多いというか、日常茶飯事だ。

昨日、食後のコーヒーが熱すぎて、急いで店を出たくてもなかなか飲めずに困ってしまい、ふと「どうして名古屋のコーヒーは熱いんだろう?」と疑問に思った。

そこで今日、老舗の喫茶店(コンパル)で待ち合わせた友達に「なんでかな?

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ごはんなのかおやつなのか

ごはんなのかおやつなのか

名古屋の中心地・栄(さかえ)にある『コメダ珈琲店』で、今日は遅めのお昼を食べることにした。
コメダといえばモーニング(コーヒーを頼むと、無料のトーストとゆでたまごがつくサービス)なので、名古屋に帰ってもわたしはお昼をここで食べることはほどんどない。だから、ランチメニューを見て「!」となった。

小倉ホイップのサンドイッチが、ランチプレートの一角に堂々と鎮座していた。しかも、野菜サラダと唐揚げの横に

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苺のパンケーキ

苺のパンケーキ

夕方。数寄屋橋の交差点で立ち止まると『不二家』の看板が目に入った。
次の約束まで随分と時間があったので、お昼も食べ損ねたことだし、どこかで食事でもしようと銀座方面に足を伸ばした矢先のことである。

そうだ、苺のパンケーキを食べよう。

思い立つより先に、あのふんわりと温かい甘さが口のなかに広がった。次の瞬間、信号を渡って、向かいのビルの二階を目指すわたしがいた。

子供の頃、母に連れられてよく通っ

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マドレーヌは太陽だ

マドレーヌは太陽だ

11月3日、文化の日。

このところずっと天気が悪かったのに、今日は気持ちいいほどの快晴。
秋晴れとはこんな日のことをいうんだな。

晴れの特異日らしい。知らなかった。
体育の日は特異日じゃないらしい。そっちのほうが驚く!

けれども今日は家から一歩も出ず。

おやつのマドレーヌが、太陽に思えた。

困ったときのおやつ

困ったときのおやつ

数日前、わたしは雨が好きと言った。
しかし晴れてくれなければ、洗濯物が気持ちよく乾かない。

ここ2週間ほど熊本を行ったり来たり&台風もあったりで、ずっと洗えなかった洗濯物が物凄い事態(!ご想像にお任せします)に陥っていた。
そこへ今日の快晴である。
間が悪いことに今日はいろいろと仕事が山積みで、ナレーション書きにも没頭せねばならず、洗濯をしている場合ではないのだが、そこはいちおう主婦でもあるので

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秋です、栗きんとん

秋です、栗きんとん

東京では、ほとんどの人がお正月の甘露煮を思い浮かべる『栗きんとん』。
名古屋で生まれ育ったわたしは、まったく違うものを想像します。岐阜の中津川や恵那でつくられ、この時期になると店先に並ぶ、上品で素朴な味わいの和菓子です。
「上品で素朴な」というと真逆のようだけれど、このお菓子にはぴったり。蒸した栗と少しの砂糖だけを材料に、甘過ぎずほろりとした食感に仕上げられていて、小さくひと噛みするだけで、山里

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名古屋の月とお月見団子

名古屋の月とお月見団子

今宵は、中秋の名月。
夜のさざなみの上に浮かんでいるかのよう。
名古屋で愛でるのは、何年振りなのか、
思い出せないほど久し振りです。

お月見団子はやはり、つるんとした雫のこの形。
ほんのり甘くて、やさしいこの味がいい。