見出し画像

Music Radio:実験と衝動:浮遊信号

nachiの気になった音楽と感じたことを気ままに紹介する記事です。
一息つくときのお供になりますように。


今回紹介するのは、浮遊信号のアルバム、「実験と衝動」です。

浮遊信号の音は爽やかで、一つ一つの曲が透き通ったサイダーのように感じます。聞いた時に思い浮かぶのは海だったり空だったり。とにかく青い情景が浮かんでくるのも、サイダーを感じてしまう理由ですね。

アルバムの中でも私が一番気になった曲を紹介します。
いつも通り爽やかな気持ちでアルバムを聴いていると、急に聞こえてきた歌詞にどきりとしました。
(この時点ではまだ曲のタイトルを知りませんでした)

花束はもう枯れたでしょうか あれは僕のエゴでした

作詞作編曲:esora uma, 2021年 浮遊信号の「カーネーション」からの引用

「エゴ」という言葉は私にとってはすごく強い言葉で、小説や漫画では見るものの、自分の口から出るような言葉ではありません。どきりとした後に、花束を送ったこと、送られたことを思い出してエゴだったのかなとふと思い返してしまいました。
私は、生花の世話をする手間も楽しんでくれるだろうなとか、普段からお花を買っている人だから大丈夫だなと思う人には送るのですが、面倒だと思いそうな人にあえて送ることはなかなかないです。

それでも送りつけたい相手というのは、自分のことを忘れないでほしい、見ていてほしいという気持ちが捨てられないほど、主人公にとってはとても大切で、愛していた人なのだろう……。そう思っていたところで「花言葉」というキーワードが出てきました。これは歌詞かタイトルに花の名前があるパターンだ!と思い、CDの歌詞カードを手に取りました。

カーネーション

あぁ、なるほど。なるほどなあ。なんとなくぼんやりしていた情景が、輪郭を帯びていくのを感じました。いろんな解釈があるとは思うのですが、私はカーネーションを軸に主人公と送りたい相手の描写がはっきりと見えた気がしました。
そこから他の歌詞ってどうなってたんだっけと何度もリピートしていくうちに、主人公の「エゴ」に込めた気持ちがとても複雑で、でもそれしか言いようがなかったんだなあと腑に落ちていきました。

気づくと、最初はどきりとした言葉が、すんなりと受け入れれるようになっている自分がいました。後から曲名を知ることで、すごく素敵な体験ができたように思います。この曲を聞いた時に、紹介したくて、語りたくて、うずうずしてました。文章にできて満足です。

では、また次回。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?