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第196号 「自立!」

先月号の「私達はもう持っている」を引き継いで、自立について考えてみたいと思います。この自立を考える上で大事なポイントは、先月号に書きましたように、自分は自分の人生に必要なものをすでに持っている事に気付く事です。100億円でも代えられないものを持っている事に気付かない人は、自己評価が低くなり、他者評価に依存して振り回されやすくなります。
アドラーは自立とは、自分の価値を自らが決定する事と言っています。そして、その為には特別な存在にならなくても、優れていなくても、平凡なる自分で良いのだと言っているのです。
アドラーの言わんとする事は、平凡で普通である勇気が必要だと言うのです。

 昨年一年間、どんなに無様な自分でも受け入れる事に焦点を合わせて生きてきました。
その過程で一つの結論を得ましたが、平凡で普通だけでは自立するのは中々難しいと思います。
ノーベル賞を取る程の優秀さはなくても、少なくとも何か自分らしい特徴が必要だと思います。
他人と比較して自分のあら探しをすることなく、そのまんまの自分でオーケーと言える事。
何があっても言い訳する必要性を持たず、人に認めて貰おうとして自慢する必要性を持たず、
自分は自分これでいいと言える事。それには自分にしか出来ない存在理由を持っている事。
例えば、親子関係であれば、この世にどれだけ親がいても、この子の親は私しかいないとか。
大切な人との関係であれば、この人のわがままを受け入れてやれるのは自分しかいないとか。
平凡で普通な自分でも、自分なりのそう思える存在理由を持っている事が大切なのでしょう。

 そしてもう一つの存在理由として、ワクワクする目標・夢を持つ事が必要だと思います。
ワクワクする夢の実現の為に今出来る事をする。そこに自分の存在理由が生まれるのです。
例えば、私は95歳までゴルフのクラブ競技に参加し続けようと目標を決めています。
私は今まで、46年間ゴルフをして来ましたが、プロになれるような実力はなく、クラブチャ
ンピオンになれる技量もありません。只、平凡な普通のゴルファーです。
 でも、健康維持の為にプレーするのではなく、優勝を目指して努力・精進し続けたいのです。
朝晩のストレッチ、月平均180㎞の散歩、腹筋350回、腕立て伏せ110回、スクワット150回、
毎朝の素振り、パットの練習は欠かさずやっています。例え、寿命や病気・ケガで目標が達成
出来なかったとしても良いのです。大事な事は結果ではなく目標達成の為に、今、自分が出来
る最善をやり続けて、平凡な自分でも生きる意味を感じながら生きていく事が大切なのです。

 そしてもう一つ忘れてならない事は、今の平凡で普通の自分に満足しているかという事です。
平凡で普通の自分でも、自分の個性・一票の重さを実感しているかという事です。
『自立』には、アドラーの言う平凡で普通でいいという勇気が必要なのです。そして、平凡で
普通であるからこそ、生きる意味が実感出来る自分の夢・目標を生きる必要があるのでしょう。

平成28年 5月