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#タイムマシン ニューヨークレポート No 10 By 霧生宣子 記7/20/2001 ブラジリアン・ジャズ in ニューヨーク

 土曜日の午後、ユニオンスクエア (14丁目)には、フリーマーケッ トの露店が並び、新鮮そうな野菜や農場から来た手作りのアップルパイやジャ ムなどに沢山の人が群がっている。その人ごみを押し分け 16丁目西側の道路を渡ると大きな字の「コーヒーショップ」という看板を目にする。そのあたりまで来ると「あれ!このリズムは・・・」ブラジルのサンバやボサノバのメロディとリズムがかすかに開こえてくる。

   ここ「コーヒーショップ」はアメリカ ではお馴染みのダイナーレストランで、アメリカンブレックファースト(朝 食)のハムエッグやハンバーガーとフライドポテトのようなランチが食べられ る。アメリカ人達にとってまさに大衆食堂なのだが、毎週土曜日はブラジリアンジャズパンドが演奏している。ここで歌っているシンガー・マウーシャさん はニューヨークで活躍するブラジルから来た出稼ぎミュージシャンの中でも草分け的存在で、「イパネマの娘」の作曲者で良く知られているアントニオ・カ ルロス・ジョビンのバックヴォーカルもしていた正統派ボサノバシンガーである。バークリー音楽院出身のエリオ(ピアノ)、ニルソン・モッタ(ベース)マウーシャの夫ドゥ・ドゥーカ(ドラム)のバンドもブラジル人達にも 定評のある本場のブラジル・サウンドである。又、どこからともなくパーカッションのミュージシャンが飛び入りしてくる事もあり、私が見ていた時も、男性がひとり、タンバリンを見事にたたきながらもマウーシャとデュエットしていた。「コルコバード」や「ウェイブ」など皆に良く知られた曲目が多く、 立ち見の人が出るほどの人気であった。

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