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【MLB】2022年エンゼルス開幕戦を振り返る

一時はシーズン短縮の可能性があったが、例年通り162試合開催となり、当初より1週間遅れたものの無事にMLBが開幕した。

試合をしないと給料が激減するという選手側と、観客を入れなければ試合をする意味がないというオーナー側との2020年のシーズン前のごたごたを考えると、今回の新しい労使協定合意に至るには泥沼になるのはわかっていたものの、3ヶ月以上全くMLBのニュースがなかったこともあり例年になく待ちわびた開幕戦である。


さて、ボク自身、この日は日本時間未明のNYY対BOSから始まり、NYM対WSH、LAA対HOUという怒涛の3試合観戦を予定していたが、NYY戦は天候不良で中止となり、さらにNYMは開幕投手に内定していたデグロムは肩の故障で離脱・・・。

大谷が開幕投手を務めるエンゼルス戦に全力投球することにした。

(もう一端末でダルビッシュの投球も確認しながら)


今回は、そんなエンゼルス開幕戦でのトピックをまとめている。


投手大谷は5回途中9奪三振1失点

全体的にストライクを取るのに困っていたがボールにはパワーがあった。3三振したアルトゥーべを筆頭に、アストロズの各打者は大谷の4シームに押されていた。

この日、印象的だったのがよく高めにカットボールを投げていたことである。


大谷自身、昨年は右打者に対して真ん中から外角低めにかけてのゾーンを中心に投げていた。

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(2021年 対右打者)

例えばカッター使いのジャンセンやリベラは、よく左打者のインハイに懐に食い込むように投げていたし、昨年のポージーもそんな配球をしていた。


低めのスプリッターを生かせるよう目線を上げるためなのか、高めで勝負する際の4シーム以外のバリエーションを増やすためなのか、今季、右打者に対するスライダーの使い方に何か変化はあるか着目している。


なお、開幕戦では80球程度で降板となった。

確かに走者が得点圏にいるケースで、この日2安打のブラントリーに対する場面であったが、おそらくスプリングトレーニングが1ヶ月ほど少なかったことが原因かと思われる。あともう1登板くらいは100球以下で交代するのではないだろうか。


打者大谷は4打数ノーヒット

この日は外角を中心に攻められ4打数ノーヒット。

昨季終盤は引っ張り傾向のバッティングになり調子を落としたこともあり、昨年のスプリングトレーニングで連発していたようなボールに逆らわない、逆方向へのバッティングを期待している。

また、8回にランナー3塁の場面では、惜しくもライトフライに。

昨年では確実に歩かされていた場面だっただけに、後続のトラウトの存在を実感したシチュエーションであった。


ジョー・アデルよ

活きのいい若手外野手という意味で、エンゼルスがマイク・トラウトに次ぐ二匹目のドジョウを狙っていたのが、ジョー・アデルである。

昨年までは奇妙なヒッチをするフォームでビックリーガーのピッチングへの対応に苦労していたものの、今季はそれが解消し、スプリングトレーニングではOPS .906を記録。

ポジションの被るJ.アプトンの戦力外にもつながった。


ただ、開幕戦では攻守共にあまりにも雑で、特にバッティングでは全く相手にアジャストする気配がなかった。

相手投手のバルデスのようなテンポ良く、かつ緩急を使えるピッチャーには確実に相手にされない。

守備でも衝撃の一投を披露。


アデル、エンゼルスがプレイオフに進むために、彼のような若手の台頭に期待している!


Y.アルバレスの可能性を感じる一発

大谷降板後、100億円を投資したエンゼルス自慢の新リリーフ陣の1人であるテペラが登板するも、ブレグマン、アルバレスにあっさりと連続被弾・・・。

特に印象的だったのがアルバレスのバックスクリーンへの一撃である。


この日の1打席目、アルバレスは大谷のスプリッターを正確に見極めており、何か怖さを感じていたところで、この打席ではアウトローの変化球をバックスクリーンへ。


もともとアルバレスは昨年39本塁打を記録したものの、オフスピードの変化球は苦手にしており、またアウトローのボールに対しても引っ掛ける打席が多かった。

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(2022年 コース別打率)

アルバレスはファストボール系にはめっぽう強いバッターである。変化球を待ちつつ、得意なファストボールに対応できるとなると、一気にMVP候補になるまでの成績を残すのではないかと考えている。

開幕戦でのアプローチを見る限り、今年はさらに成長を期待できそうである。


ヒューストン市民愛しのコレア・・・

アルトゥーべ、ブラントリー、ブレグマン、アルバレス、グリエル、タッカーと続いた打線はMLB屈指である。

ただ、全体的に大谷の球威に押されていて、こんな時に頼りになるのはカルロス・コレアである。


フィールド全体に長打を打てるパワー、人間離れした強肩、プレッシャーに屈しない勝者のメンタリティーはアストロズのシンボルであった。

ショートにいるコレアの存在がいかに大きかったか、ということである。



以上がエンゼルス開幕戦でのトピックである。

今季のア・リーグ西地区は、アストロズの戦力ダウンと、昨年自信をつけたマリナーズもおり、混戦となる可能性がある。

ここ数年負け越しが続くエンゼルスだがなんとか5割をキープし、プレイオフで大谷の姿を観れることを願い、今季も残り161試合を観戦しよう。


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