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賞与ありと賞与なし、どちらの会社に行きたい?

賞与がある会社とない会社、どちらに入社したい?

賞与がある会社とない会社、どちらに入社したい?

こう聞かれたら、皆さんどちらを選びますか?単にこれだけ聞かれたら、多くの人が、賞与がある会社のほうがいいと答えると思います。

では質問に一言追加して、下記ではいかがでしょう?

提示された年収額が同じだったとして、賞与がある会社とない会社、どちらに入社したい?

これだといかがでしょう?
・賞与あり
・賞与なし
・どちらともいえない
それぞれの意見があると思いますが、「初年度年収」で比較すると、多くの場合は賞与なしの会社のほうがお得です。

下記に、なぜ賞与なしのほうがお得なのか?を説明します。

前提:賞与は給与

まず、当たり前中の当たり前ですが賞与は給与です。降ってわくものではありません。

「ボーナス」という言葉から、うっかり「プレゼント的にもらえるもの」という認識をしてしまう人もいるようですが、まぎれもなく労働の対価としての給与であり、会社の売上利益から捻出されるものです。

賞与をもらえる条件:算定期間と支給時期

賞与を満額もらうには2つの条件を満たす必要があります。

それは、「賞与算定期間に勤務していること」と「賞与支給日に在籍していること」の2つです。

賞与算定期間に一定以上勤務していないと満額もらえませんし、賞与支給日に在籍していないと1円も支払われないケースがほとんどです。
どちらも、必ずそうと決まっているわけではなく各社の規定によって異なりますが、多くの場合はこのように決まっていることと思います。

【賞与を満額でもらう条件】
・賞与算定期間に勤務している
・賞与支給日に在籍している

この、算定期間勤務と支給日在籍の2つのルールがあるため、年収額が同じ場合は「賞与なし」のほうがお得と言えるのです。

下記に、具体的な金額をあてはめて考えてみました。

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入社時期によって大きな差になる

例えば下記のような2社にいずれも提示年収600万円で4月1日に入社したとします。

A社・・・賞与年2回。それぞれ月給の2ヵ月分ずつ支給。賞与算定期間は6月~11月・12月~5月。算定期間中に入社した場合は日割りで支払う。
B社・・・賞与はなし

まずは月給を計算しましょう。
A社では賞与が4ヵ月分出るので、年収600万円を16で割って月給37万5千円。
B社は賞与なしなので、年収600万円を12で割って月給50万円です。

続いて、A社の初年度賞与を計算します。4月1日入社なので、初回の賞与算定期間の12月~5月のうち1/3在籍していますね。初回の賞与は満額75万円の1/3の約25万円です。2度目の賞与は満額支給の75万円で、年間合計で100万円です。

月給と初年度賞与額を計算できたところで、初年度の年収を出して比較してみましょう。

【初年度年収比較】
A社・・・月給37万5千円×12+初年度賞与100万円=550万円
B社・・・月給50万円×12=600万円

なんと、賞与ありの会社のほうが50万円も安くなってしまいました。
上記のケースでA社とB社の初年度年収が等しくなるのは、6月1日入社か12月1日入社の場合のみ。確率だけでみると2/365しかないわけです。

賞与なしのほうが残業代も多くもらえる

さらにさらに。賞与なしのほうが月給(=残業代基礎給)が高くなるので、残業代も多くもらえます。

A社、B社ともに月の標準労働時間を160時間、時間外割増率を1.25、残業時間が月10時間で年間120時間だったとして計算すると下記のとおりです。

【年間120時間残業した場合の残業代比較】
A社・・・37万5千円÷160×1.25×120=約35万円
B社・・・50万円÷160×1.25×120=約46万円

年間120時間残業した場合、賞与なしの会社のほうが約11万円多く残業代をもらうことができます。

このとおり、賞与支給タイミングと残業代基礎給の点で、初年度に関しては賞与なしの会社のほうがいろいろとお得なのでした。

まとめ
年収が同じ場合、「賞与算定期間」「賞与支給時期」「時間外手当基礎給」の3点から、賞与がない会社のほうが初年度に多くお給料をもらえる

注意:2年目以降は社会保険料を考慮する必要がある

これまで書いたことは、初年度年収に限った内容です。2年目以降は、社会保険料(4月~6月の給与で決定される)を考慮する必要があるので、一概にどちらが得とは言えません。社会保険料を将来戻ってくるものとして考えるかどうかにもよるでしょう。

おまけ:賞与は支給額に弾力性を持たせやすい

賞与の特徴についてもう1つだけ触れておきます。
賞与は業績と連動させるケースが多いので、支給額はその年の業績に大きく左右されます。大きな利益が出ていればたくさんもらえますし、業績が悪ければ支給なしという場合もあります。

一方、月給は一度上げたら下げづらいことから、業績が良いからといって一度に大きく上がることはあまりありません。賞与に比較して弾力性が低いわけですね。

支給額の弾力性は、一概にどちらのほうが得とは言えません。また、弾力性を持たせるというのはあくまで一般論であり、実際の支給ルールは各社の規則によるところが大きいです。

以上、賞与ありなしのあれこれについてまとめてみました。皆さんは、賞与ありの会社となしの会社、どっちがいいですか?

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