人の役に立ちたいからBtoC企業に行きたいというあなたへ
「人の役に立ちたいからBtoC企業に行きたい」という学生の方に、BtoBのサービスがいかに人の役に立っているかを知ってほしくて書いた記事です。
就職活動をしている学生の方、キャリアに携わる方に読んでもらえると嬉しいです。
【筆者紹介】
人事のなべはる。フィードフォース人事部の中の人
2014年にフィードフォース1人目の人事として入社。人事全般を担当
好きなポケモン歴代御三家はカメール
人の役に立ちたいからBtoC企業を志望する学生
わたしが人事・採用に携わるようになって10年余りが経ちます。そのなかで、いまも昔も学生と話していてよく聞くのが、
「人の役に立ちたい。人の身近な日常の課題を解決したいからBtoCの企業に行きたいと思ってます!」
というもの。特にここ数年くらいは、「自分がこうなりたい」よりも「人の役に立ちたい」という志向の方が増えてきている印象です。
「人の役に立ちたい!」と純粋な心で未来を語ってくれる彼らは頼もしく、日本の未来は明るいなぁなんて感じたりします。
ただ、「人の役に立ちたい」ならtoCだけじゃなくてtoBでもできるよ!とも思うので、今日はBtoBのサービスがいかに人の役に立っているかをまとめてみます。
わたし自身はBtoBの企業勤務歴が13年なのでポジショントークがゼロとは言い切れないですが、toBのほうがtoCに比較して良いぞと言いたいわけではありませんので悪しからず。
この記事を書くきっかけになったツイート
おさらい:BtoB・BtoCの意味
本題に入る前に、BtoB・BtoCの言葉の意味を確認しておきましょう。
BtoB・・・Business to Business 法人・企業向けのビジネス
BtoC・・・Business to Consumer 消費者向けのビジネス
顧客が企業なのか一般消費者なのか、が大きな違いです。
企業は顧客の課題解決をすることで対価をもらうのがビジネスなので、課題解決する対象が企業なのか一般消費者なのか、という言い方もできますね。
「会社さん」は存在しない
上記のとおり、BtoB企業は顧客企業の課題解決をしています。ただ、多くの学生にとっては「企業の課題解決」と言われてもピンとこないですよね。
ここで知ってほしいのは、「企業・会社」というのはそこで働く人の集合体であり、実態としては存在していないということです(以下、「会社」「企業」の表記が混在しますが同じ意味で使っています)。
サイボウズの青野さんが下記の記事でも、「会社さんは存在しない」と言ってますね。
企業とは、そこで働く人の集合体のことです。一人ひとりの社員が日々仕事をしていて、その集合として企業があります。
ということは、企業の課題を解決しているBtoBのサービスは言い換えると「企業で働く人の課題を解決」していると言えます。
「売上を上げたい」「コストを抑えたい」「業務効率化したい」「社員のモチベーションを高めたい」…どんな企業にも課題は山ほどあります。企業で働く一人ひとりの人間が、日々真剣に課題解決のために働いているわけです。
働く人にとっては、企業活動こそ日常
BtoBのサービスは企業で働く人の課題を解決しているという話をしました。
ただ、そうはいっても学生の方には企業活動は日常から遠く感じるかもしれません。「人の役に立ちたい」だけではなく、「人の日常の役に立ちたい」という志向の方も多いと思います。
多くの学生の日常は、消費者としてサービスやアプリなどを使う側にいます。そういった方からすると、人の日常の課題を解決 = 自分が普段使っているC向けのサービスやアプリ、ゲームなどをイメージするのはごく自然なことだと思います。
ですが、すこし想像力を働かせて、日々働いている社会人の視点に立ってみると、少し違った景色が見えるかもしれません。
企業で働いている人は、毎日のように会社に行って仕事をします。例えばフルタイムで働いているわたしの場合、1年のうち200日以上出勤して、仕事のある日は1日のうち10時間前後が仕事の時間です(通勤や休憩含めてます)。起きている時間の割合でいえば半分近くが仕事関連の時間なわけです。
そんなわたしにとって、働くことはまさに日常です。趣味や家庭の時間と同じくらい、仕事は大切な日常の時間なのです。
BtoBのサービスは、そんな日常にある仕事の課題を解決するものなのです。
わたしが毎日仕事で使っているチャットツール・メール・スケジューラー・採用管理システム・勤怠管理システム・社内のネットワーク環境を支えるインフラシステム等々、どれもなくてはならないものになっています。
これまでの社会人生活のなかで、便利なサービスを使うことで業務が劇的に効率化したり、仕事の成果を飛躍的に高めることができたという経験は幾度となくあります。
業務効率化されれば浮いた時間で新しい仕事にチャレンジしたりプライベートの時間を充実させることができますし、仕事の成果が上がれば会社や社会に役立っているという充実感を得ることができます。
どうでしょう、BtoBのサービスも「人の日常の役に立っている」と思いませんか?
世の中を良くしたいという思いは同じ
以上、「人の役に立ちたい」という気持ちからBtoB企業を選択肢から外すのはもったいないな、と感じたことを言語化してみました。
【まとめ】
企業向けのサービスであってもそのサービスを使うユーザーは血の通った1人1人の人間です。
今の自分にとって身近じゃないからといって思考停止にならずに想像をめぐらせたり企業の人の話を聞いてみることをオススメします。
BtoB企業もBtoC企業も、顧客の課題解決を通じて世の中を良くしたい、ユーザーに喜んでもらいたい、という想いは一緒のはずですから。
顧客の声を直接深く聞けるのはBtoBならではかも?
最後に蛇足というかおまけです。少しポジショントーク入ってるかもしれません。
「人の役に立ちたい」という志向の派生形に「顧客/ユーザーの声を直接聞きたいからBtoC企業がいい」という方がいます。
これについても、同じように想像力をめぐらせてみましょう。
学生の方にとっては、自分が使っているサービスやアプリについて感じたことをSNSなどで日常的に受発信していることと思います。友だち同士でこのアプリいいよねー、と話すこともあるでしょう。
そういった、今の自分にとって直接ユーザーの声を聞ける、という視点で「ユーザーの声を直接聞きたいのでBtoCの企業がいい」という志向になっているのだと思います。
では、BtoBのサービスでは顧客の声を聞けないのか?となると答えは No です。
業務で使っているサービスについて、提供している企業の担当者に直接意見や要望・感想などを送ることは日常的にあります。
わたし自身もつい最近、使っている採用管理システムについて開発者に機能の要望を伝えたり、新しい機能のおかげでとても助かっているという感想を送りました。
企業で働いていない今の時点でイメージできないかもしれませんが、BtoB企業がユーザーの声を聞く機会は必ずあります。
さらに言えば、"直接"という点に関してみるならtoCよりもtoBのほうがユーザーの声を聞きやすいのでは?と思います。
皆さん、普段使っているアプリが使いやすいからといって、アプリの開発会社に直接感想を言うことってありますか?明らかな不具合は別にして、少し使いづらいな、という程度でその要望を直接伝えることは?......全くないわけではないかもしれませんが、toCのユーザーの声を"直接"聞くハードルは高いかもしれません。
一方、toBのサービスの場合はサービスの使い勝手が利用者の仕事の成果を左右するので要望や感想は良くも悪くもシビアに伝えます。
ときには厳しいご意見をいただくこともありますが、それも顧客が真剣に課題解決したいと考えているからこそ。使いづらいという意見をいただいた顧客とコミュニケーションをとりながら、サービスをより良く改善していくこともあります。
顧客の声を直接聞きながら、いっしょに課題解決していくことはBtoBサービスの楽しさの1つでもあります。
わたしがお伝えしたいことは以上です。「人の役に立ちたい」という志向は素晴らしいものだと思うので、少しだけ想像力をめぐらせて、視野を広げてみると良い会社に出会える確率が高くなるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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