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ぼっち人事で苦しんでいた過去の自分に1つだけアドバイスをするなら

ぼっち人事という仕事は大きなやりがいがある一方で、つらいこともあると思います。この記事では、ぼっち人事で苦しんでいたかつてのわたしへの今だからできるアドバイスです。
いま現在ぼっち人事の方、これからぼっち人事になる方の少しでも参考になったらうれしいです。

【筆者紹介】
"「働く」を豊かにする。"をミッションに掲げるフィードフォース人事部の中の人。2014年に同社1人目の人事として入社。人事全般を担当。好きなポケモンはカビゴン。

やるべきことが無限にあるぼっち人事

ぼっち人事とは、文字どおり1人ぼっちで人事を担当することです。社員数50人くらいまでの規模では人事が1人しかいないという企業も多いでしょう。

そんなぼっち人事の仕事の種類は多岐にわたります。新卒採用・中途採用・労務・人事制度・総務・研修・広報 etc...。しかも、社員数人〜50人規模の企業の多くは人事的な課題が山積みで、やること・やるべきことはそれこそ無限にあります。
ちなみに、仕事の"量"が多いことと仕事の"種類"が多いことは似ているようでかなり違います。ぼっち人事は、量はもちろんのこと種類が多くなりがちでけっこう大変です。

会社で唯一の人事というのは言うまでもなく重要なポジションです。やるべきことがたくさんあるというのは、それだけやりがいのある仕事である証なのだと思います。
でも、だからこそつらいことがあると思うのです。わたしにはありました。

「やるべき」と分かっているのに「やれない」ことがつらい

ぼっち人事には、いろんな人から多くの期待が寄せられます。
経営陣からの期待・社員からの期待・自分自身からの期待。これらの期待はすべて組織の伸びしろであり人事のやりがいでもあるのですが、限られたリソースの中ですべての期待に応えられるわけではない。そんな当たり前のことが、わたしにとってとてもつらかったのです。

例えばあるとき、社員から人事制度改善の要望がくる。わたし自身もその制度は改善したほうがいいと感じている。けれどそのときは採用に全集中していて、制度改善のための時間をとれない。やったほうがいいと思っているのに、できない。
そんなことがものすごくたくさんありました。

やった方がいいと思いつつやれない状態が続き、積み重なっていくことは精神的にくるものがありました。
わたしにもっとキャパがあればやれたかもしれない。わたしにもっと能力があればやれたかもしれない。毎日毎日、「自分の力不足でやった方がいいことをやれていない」と考えてしまうのです。
そう考えるうちに、唯一の人事がわたしで申し訳ない……と、誰に責められたわけでもないのに自分で自分を責めてしまうこともありました。

理想と現実のギャップに折り合いをつけられていなかった

当時は、このようにできない自分を責めてしまっていました。
それから数年経った今となっては、少し冷静に当時のことをふりかえることができています。

当時のわたしは、「人事として会社を良くするぞ!」という意気込みや理想に対して自分の実力が足りておらず、なおかつそのギャップに折り合いをつけられていなかったのです。

ぼっち人事のリソースの中でやれることは限られていて全ての期待に答えるのは不可能ですし、実力不足なのは事実なので仕方ありません。誰がやったって完ぺきにやるのは無理だとも思います。
それなのに、できない自分を責めて、できていない状態に心を痛めてしまっていたのです。そんなことしても何の解決にもならないのに。

ぼっち人事で苦しんでいた自分へ。やらないことを決めて、三者と対話する

そんな過去のわたしにアドバイスするとしたら。それは、「やらないことを決めること。そして、そのことを三者と対話して折り合いをつけること」です。
三者とは、「経営陣」「社員」そして、「自分」のことです。

まずは「経営陣」と、いまの会社がどういう状況で何の優先度が高いかの意識合わせをしましょう。やるべきことをすべてやるリソースはないはずなので、何をやって何をやらないかを決めるのです。

次は、経営陣と話して決めた優先順位と“やらないこと”を「社員」に共有しましょう。いまの会社の戦略上優先すること・現在のリソース・それらを考慮して決めた優先順位を丁寧に説明するのです。
社員が求めている施策について「今はできない」と説明することは、もしかしたら一時的に反感を持たれてしまうかもしれませんが、ちゃんと説明すればきっと分かってくれます。

そして最後に「自分」との対話です。ここで決めたのは“やらないと決めたこと”であって、“やりたいのにやれないこと”ではないと自分自身と折り合いをつけます。
油断すると、やらないと決めたことを「本当はやりたいのに自分の力が足りなくて」とベクトルが内側に向いてしまうので、「これはやらないと決めたこと」と折り合いをつけるのが大事です。

こうして、やらないことを決めたうえで「経営陣」「社員」「自分」と折り合いをつけることができれば、できないことに目を向けずに心安らかに仕事と向き合うことができます。
そうして迷いなく業務に取り組んだほうが、結果的に”今はやらないと決めたこと”に早く着手できるでしょう。

以上、ぼっち人事で苦しんでいた過去の自分へのアドバイスでした。最後までお読みいただきありがとうございます!

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