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好きだよ~Be Here Nowな放浪者たち! 本「ジプシー―漂泊の魂」★4

”自然の王” ”さすらいの人々” ”流浪の民” ”漂泊の魂” Gypsy。
そのジプシーについての生態、生活、文化、歴史。

1980年 相沢 久

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ジプシーには興味あったが、詳しくは知らず、よく映画などで見かける姿は、汚く悪いように描かれてることが多いように思う。日本だとあまりなじみがないが、サンカと似たような存在のようだ。

なんとなく、差別的扱いを受けていたのは、想像しやすい。多数派を占める一般市民からすると、汚く盗みをしたりする、ジプシーという存在は、理解できず?、忌み嫌われていたのだろう。

ジプシー(Gypsy)という言葉は、エジプシャン(Egyptian)から来ていると。しかし、発祥は北インドとのこと。自分たちのことは誇りを込めて「ロム(Rom)、ロマ(Roma、複数形)」と呼ぶ。

独ではチゴイネル(Zigeuner)、仏ではボヘミアン(Bohemian)、など地域によって様々な呼び名があるようだ。また彼らは、自分たち以外の人間をガージョ(Gadscho、文明人)と呼んでいたそうだ。

本書を読んで、ジプシーのイメージは大きく変わった。むしろ共感と共に、魅力的ですらあったし、学ぶことも多かった。元々、嫌悪感もなかったし、どちらかというと自分はジプシーよりの人間だと思っているので。

彼らに惚れるような興味を抱いたのは、「天の月や星の信仰」や「妖精信仰」というところ。ちなみに、ジプシー語で神は「デベル(Devel)」、英語のデイティ(Deity、神)に対応とのこと。

またちなみに、Deityの神って初めて聞くなーと思って調べたら、これは多神教の神、のようなもので、Godの神はキリスト教の神、ということらしい。あと、デベル(Devel)て、デビル(Devil)っぽいけど…。

月星信仰
「彼らは自分たちが、細い糸でもって、星と結びついていると信じている。そこで星の世界から下りてきた雨水や朝露を飲めば、その糸を通して、再び星と結びつくと考える。」
「月が雲間から出たら、帽子をとって月に向かって、うやうやしく敬礼、そしてなにやらつぶやいた。」

こういう信仰はなんだか新鮮だった。太陽はもちろんだけど、月や星も興味あって好きだし、自分も月に対して敬礼したくなる。素敵だなー。その時、彼らがつぶやいた言葉とは何だったのだろうか。

妖精信仰
「良い妖精は人を生かし育て、幸福にする。草木花が美しく見え、石岩が立派に見えるのは、良い妖精の力。悪い妖精は人を妨げ苦しめ、不幸にする悪魔。人は悪い妖精に負けてはならない。負けなかった人こそ長生きした年寄りだという。いろんな苦難に勝ったから、尊敬すべき存在。中でも、女性の方が尊敬される。」

それと、驚きだったのが、ナチスによるジプシー大虐殺というものがあったということ。ユダヤ人の話は聞くが、これは聞かない。これにより、三分の一もしくは二分の一に近い、約40万人が犠牲になったと。

読書メモに、「馬、熊、ハリネズミ」との言葉が残っていたが、これが何だったか記憶にない笑 たぶん、彼らの生活に深い関係があるものだったと思うけど。そうなってくると、だいぶ気になるが。

また、本書の中で気になる映画が出てきた。「ジプシーの唄を聞いた」(I even met the happy gypsies)、1968年ユーゴスラヴィア、監督アレクサンドル・ペトロビッチ。観てみたいが、無いかな…。

ジプシーは今を生きる。
過去にこだわらず、未来をくよくよ思い煩うことがない。

☆\(^^)/★

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