週末英文法 【強調構文】 Sep.8.2024
大学受験英語のスターのひとつが強調構文です。まずはベースとして次の英文を読んでみましょう。
(ex1) Tom broke this window yesterday.
(トムは昨日この窓を割った。)
何の変哲もない文ですね。この英文は次の4つの要素から成り立っています。
S(Tom) + V(broke) + O(this window) + M(yesterday)
これらの要素のうち、動詞以外の要素を強調することができるのが強調構文です。強調したい語句を``It is ◯◯◯ that 〜.''の形でくくりだします。訳すときは原則としてthat以下から訳し上げます。
(ex2) It was Tom that broke this window yesterday.
(昨日この窓を割ったのはトムだった。)
(ex3) It was this window that Tom broke yesterday.
(トムが昨日割ったのはこの窓だった。)
(ex4) It was yesterday that Tom broke this window.
(トムがこの窓を割ったのは昨日だった。)
今回はこのように3つの強調構文を作ることができました。強調構文は句や節も強調できるので、こんな英文も作れます。
(ex5-1) I met my wife in this park for the first time.
(私は初めてこの公園で妻と出会った。)
$${\downarrow}$$
(ex5-2) It was in this park that I met my wife for the first time.
(私が初めて妻と出会ったのはこの公園でだった。)
(ex6-1) Mary called me when I was watching TV.
(私がテレビを見ているときにメアリーが私に電話をかけてきた。)
$${\downarrow}$$
(ex6-2) It was when I was watching TV that Mary called me.
(メアリーが私に電話をかけてきたのは私がテレビを見ているときだった。)
(ex5-2)は前置詞句、(ex6-2)は接続詞whenによる従属節が強調されていますね。いずれにしても、強調構文はもともとの文から強調したい語句を抽出してできていますので、抽出のために用いたit isとthatを消去すると元の文に戻るという特徴があります。
さて、応用として次の英文を読んでみましょう。
(ex7) It was my science teacher who had a great influence on me.
(私に多大な影響を与えたのは科学の先生だった。)
(ex8) It is this book which I want you to read.
(僕がキミに読んでほしいのはこの本だ。)
(ex9) What is it that you want to buy today?
(今日キミが買いたいものは何ですか。)
(ex7)ではthatの代わりにwhoが、(ex8)ではwhichが使われています。このように強調語句が人の場合にはwho、人以外の場合にはwhichを使うこともできるのですが、読む側としてはもはや関係代名詞にしか見えません。長文の中で出てくるととても厄介ですから気をつけましょう。
ちなみに、関係代名詞なのか強調構文なのかは主語のitに着目することで区別ができるのですが、これはまた別の問題なので、後日取り上げたいと思います。
さて、(ex9)は疑問詞を強調した強調構文と呼ばれるものです。例えば買いたいものがDVDだとしましょう。すると以下のように英文が変化していきます。
① You want to buy DVDs today. 【もともとの文】
(あなたは今日DVDを買いたい。)
$${\downarrow}$$
② It is DVDs that you want to buy today. 【DVDsを強調した強調構文】
(あなたが今日買いたいのはDVDだ。)
$${\downarrow}$$
③ Is it DVDs that you want to buy today? 【②の文を疑問文にした文】
(あなたが今日買いたいのはDVDですか。)
$${\downarrow}$$
④ What is it that you want to buy today? 【DVDsをwhatで尋ねる疑問文】
(あなたが今日買いたいのは何ですか。)
結果として強調語句がwhatになっているのが分かりますか?疑問詞を用いた疑問文は疑問詞は文頭に置かなければならないのでこのような語順になるんですね。
この強調構文が入試で出題されると、英文和訳であれ整序問題であれ、どのような形式の問題でも超難問になりますので、簡単な文章で仕組みを理解しておきましょう。いずれ『1日2題の英文和訳』でも出てくるだろうと思います。
本日は以上です。明日からまた英文和訳を進めていきましょう。