風俗と競馬が好きな人こんにちは 31 お伊勢参り③
こんにちは夏子です。
前回の続きです。
日曜日の朝9時に近鉄難波駅でN美さんと待ち合わせしていました。
N美さんから伊勢神宮に参拝するにはスニーカーで行かないと歩きにくいと言われていたので夏子の服装はジーンズにスニーカーで上はグレーのパーカーにリュック、
そして日焼けがイヤなのでサングラスにキャップです。髪はポニーテールにしてキャップの後ろを通しています。
夏子は10分前に到着していましたが、N美さんは9時ぴったりに到着です。
「なっちゃん、待った?」
「いえ、私もちょっと前に着きました。」
「切符買いに行こうか。まず外宮からやから伊勢市駅までね。でも私も2年ぐらい前に1回行ったきりやからあんまり覚えてないねん」
「事前にいろいろと調べていますからなんとかなるでしょう」
「さすがなっちゃん、頼りにしてるで。私の希望は、外宮のあと内宮に行くやんか、参拝の前に横にある「おかげ横丁」でお昼ご飯を食べたいねん。伊勢うどん。
で、デザートは赤福の本店で赤福を食べるの。このポイントを押さえてくれたらあとはなっちゃんに任すわ」
「伊勢うどんって美味しいのですか?」
「私は大阪のかつおだしの効いたうどんの方が好きかな。伊勢うどんは汁がないねん。でな、うどんも太いねん。醤油のようなだしのようなものをうどんの上にかけて食べるねん」
「へー、変わっていますね」
「でも地方に行ったら普段食べれないものを食べないと、、、赤福は大阪でも買えるけど発祥の地で食べるのも良いもんよ」
「大阪の人はよく赤福を食べているようですね。夏子は大阪に出て来て1回だけお土産でもらった人のお裾分けで食べたことがあります。あんこが美味しかったのを覚えています。そのコースで行きましょう」
秋の行楽シーズンで難波駅は人が多かったのですが、
伊勢までの特急は結構空いていました。
N美さんは膝丈ぐらいのジーンズ地のタイトスカートに
胸を強調するようなピチピチのニットにスニーカーです。
そして肩に掛けているのは使いこんだヴィトンのバッグ。サングラスの下はバッチリメークです。
Fカップの胸がうらやましいです。
身長は私と同じで160センチなのですが足も細いしスタイルは抜群です。
夏子もスタイルはいいと言われますが、それは細身だからです。胸はBカップです。夜のお店ではCカップと紹介されていますが、本当にスタイルがいいというのはN美さんのような人のことで、どこに行っても売れっ子になるのがわかります。
「N美さん、今日もセクシーですね」
「ちょっと派手かな?なっちゃんは若いし可愛いから負けないようにと朝早く起きて準備して来たんよ」
「N美さんの横に並んだら私なんて地味で恥ずかしいです」
「何言ってるの、私なんかそんなスポーティで爽やかな格好は、逆立ちしてもできないし似合わない。このなっちゃんに彼氏ができないのが不思議でしょうがないわ」
こんな話をしながら電車に乗り込みました。
そして電車の中でも二人は小声で喋りっぱなし。
特に風俗の話は大きな声では喋れないので、、、
「それで、師匠とはどうなん?まだいいお客さん?」
「はい、時々、、、」
「店外やろ?イヤなこと強要してこない?本当にいいお客さんかもね。連絡はどうしてるの?メール?」
「私からはしません。向こうから時間が取れる時にこの日はどうかって。それもショートメールで。師匠はメールやってないので」
「ふ~ん。携帯番号やメールを客に教えたらめんどくさいことの方が多いから私は仕事用の携帯は別に持ってたわ。おはようとかお仕事お疲れさまとか、、、
そんなんいらんねん。プライベートの時間に入り込んで欲しくないわ」
「それは全くないですね。必要最小限の連絡事項だけです。電話もかかってきたことがありません」
「めっちゃ淡泊やん。それはそれでなっちゃんのことどう見てるんやろとか思わない?普通はいろいろと個人情報を聞きだそうとしたり、もっと関係を近づけたいとか
いろんなアプローチがあるんやけどね」
「う~ん、どう見ているんでしょうね。でも私は自分の知的好奇心をかきたててくれるし、知的な欲求を満たしてくれるしで楽しいんです」
「ちょ、ちょっと待ってなっちゃん、師匠のこと好きなん?」
「いえ、まだそんな感情はないです。いいお客さんという位置付けですけど」
「まだって、、危険、危険、、、危険なニオイがプンプンするわ。それで何している人かわかったん?」
「はい、脳外科医でした」
「えーー!そうなん!それで賢いねんや」
「でも自分のような理系の人間には歴史は苦手な分野って言っていますけど」
「何それ、自慢か?」
「そうじゃないと思いますけど、若い時にいろんな本を読んだので知識が蓄積したって言っていました」
「あっ、かばってる、、怪しいなァ。ま、いいわ。
それじゃ、なっちゃんにクイズ。外宮の元伊勢はどこでしょうか?」
「籠神社(このじんじゃ)」
「さすが!なっちゃん。よく知っているね、感心するわ」
「師匠に教えてもらいました。籠神社は伊勢神宮を知るうえで非常に重要な神社だって。籠神社も行ってみたい神社の1つです」
「私は深い意味は知らないけど、行ったことあるよ」
「そうなんですか、N美さんもやるじゃないですか」
「違うねん、例のママに連れられてお客と一緒に行ったんよ。その時に元伊勢というのを知ったのよ。
ある時、日本海にカニを食べに行こうってことになって、ママがそれなら天橋立に行きたいなってそのお客さんに言うのよ。ママは籠神社に行きたかったんよ。
私はカニが大好きやからホイホイとついていっただけ」
「籠神社には日本の歴史にかかわる大きな秘密があるんですって」
「えー!」
この続きは次回に
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