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オタクが2022年下半期に"見た"アニメを振り返る

無計画に昨年を振り返ろうとしたらドン引きする文字数になってしまったせいで初めて記事を二つに分けました、藤吉なかのと申します。

前置きは良い……!とっとと本編に入る!!


7月『私に天使が舞い降りた!』

公式PVの「PV第1弾!」の文字が公民館の主催するつまんねーこども集会イベントみたいなダサいフォントなのは偶然なのか、それともロリを愛するみゃー姉の犯罪性を強調するためなのか…

ともかくとして、めちゃくちゃ面白いアニメなのは間違いない。最終話では愛らしいロリっ子たちの歌唱パートが続いて最高でしたね〜
普通に創作演劇のストーリーにちょっと感動しちゃったし…

乃愛ちゃんが群を抜いて好きでしたね、大人びたロリっ子の萌えパワーはあまりに強い。お母さんがcv.豊崎愛生の天然さんというのもあり、「私がしっかりしなきゃ…」なお姉さんマインドと「私のこと、ほめてほめて!!」のロリっ娘マインドの間で揺れ動くオトメゴコロ。きゃわいい〜!!!!萌えです!!!!!

どことなくダメっぽさを感じさせるお姉ちゃんとロリっ娘たちという構図には、ちょうど私が今見ている『苺ましまろ』との近似性を感じます。みっちゃん絡みのギャグを捌くときに頻出する残酷なまでに洗練されたテンポ感、面白すぎる。佐藤卓哉監督すげ〜ぜ

ただ、にゃるらさんの記事よりも面白く作品を評価できる気がしないので短めで畳みます。こうやって潔く逃げることは大事。



8月『シャインポスト』

とりあえずこのアニメ知らないな〜って方はこのリンクからライブシーンをできるだけ高画質&でかい画面で見てくれ!!!

各メンバーの表情・仕草の芝居も完璧ならダンスシーンも難なく描いてしまう圧倒的作画力…………ッッ!!新鋭・スタジオKAIが物凄いことは『スーパーカブ』で既に知っていたんですが、オタクはクオリティを以て改めて思い知らされる結果となりました。

売れないアイドルであるTiNgSの元に、敏腕すぎるが故に有名アイドル事務所を辞めざるを得なくなってしまった男が現れる。才能はあるが日の目を浴びることが叶っていない彼女らを彼は上手にマネジメントして、アイドル界の頂点に突き進んでいく…!

こんなあらすじ100万回見たことあるでしょうから要らないかな?とも思ったのですが、特異性を際立たせるために敢えて書いてみました。
このアニメの特異な点は、マネージャーに特殊能力があることです。

それも生半可じゃない、「嘘をついている人が輝いて見える」というもの。

どうです?この絵面。僕はめちゃくちゃ笑いましたけどね。

嘘ついた人が輝いちゃうって、絵的にギャグになっちゃうだろ!と心配しながら見ていたのですが、これがKAIの物凄いバランス感覚で…奇跡的にオモロにはならないんですよね。

この能力の初出もめちゃくちゃオシャレ。
ただ能力を言葉で説明するんじゃなく、マネージャーが歩く視点の画面のさまざまな人たち(騙し合うカップルや建前で会話している女子など)が発言の度に輝いていく…というシーン作りはテクニックを感じました。

楽かつ確実にストーリーを進めるためなら説明セリフを読ませれば済む話だろうに、敢えてセリフを使わず能力を示唆するさりげなさには感服。こういう丁寧な作りをしているくせに、1話では「私たちが、解散〜っ!?」的なコッテコテの天丼ネタとかも入ってきますからね。シナリオの駱駝さんは尺管理の鬼か?

ストーリー上必要なシーンの合間合間で、厨二病風俺様キャラの理王さまが実は礼儀正しい子…などのキャラクターの細かい性格を補完する。派手なシーンは思いっきり暴れる!地味なシーンは作画の細かい芝居で画面を保たせる。

TVアニメのお手本になるようなテンポ感と安定した作画、脚本パワーが高クオリティの作品を生み出しています。理王さま可愛すぎるので、みんな見てくれよな!!!

『シャインポスト』は原作なしのアイドルものという境遇も相まってか、少し知名度が低めなのが残念。ウマ娘アニメに夢中になっているみなさん、ぜひ同じ制作会社という縁で見てみませんか?

この月は他にも『ヤマノススメ』の再放送を一気見したり、『けいおん!』を見たことない友人と2期まで一気に鑑賞会をしたりと珍しく充実していました。普段は船底にくっついた藻のような生活しかしていないので、友人と遊ぶと楽しい。


9月『ギャラクシーエンジェル』

9月にはずっと見たかった怪作がdアニメストアに上陸。原点にして頂点の「ぶっとび系萌えギャグアニメ」として何かと引き合いに出される今作ですが、それにも納得させられるバケモンみたいな作品です。1期はもう22年前だと言うのに…いや、だからこそのクオリティ。

何から話せばいいのかなぁ…という圧倒的な情報量が魅力の一つかもしれません。
なんせ1話で2話やるタイプのショートギャグで、全話数にみどころがあるもんですから「とりあえず見てくれや!!」としか言えない。

脚本は昨今ドンブラザーズで話題の井上敏樹さんが担当。井上さんのお父さんが『仮面ライダー』で頭のおかしい脚本を乱発していた名脚本家・伊上勝だと知った時は大爆笑しました。どうにも血は争えねぇ…………!

キャラクターを一言で表すなら、「薄情」。
作品を一言で表すなら、「混沌」。
最も使われたオチは、「爆発」。

そういうアニメです。


とにかくキャラクターは全員が全員、宇宙で出会うさまざまな困難に対して「自分だけは助かりたい!」の一心でガンガン仲間を犠牲にしていく。

これが自分の生命の危機とかだったら、自分の身可愛さに仲間を犠牲にしてしまうこともあるかもしれないと理解もできます。
でもギャラクシーエンジェルのキャラクターは、「人に言えない趣味が仲間にバレそう」という理由ひとつで開き直って仲間全員を海の底へ沈没させようと企みます。格が違いすぎる。

貧民街で荒んだ生活を送るこどもとおでん屋台を通じて絆を深め合う感動回があったと思えば、全てを無茶苦茶にしたあと画面がブラックアウト→「だめだこりゃ!」の文字でオトすなんていう剛腕は最早現代のアニメでは見られないものでしょう。


彼氏とのデートに遅刻した言い訳のために同僚が死んだことにしたり、人間の乱獲によって絶滅寸前にまで追い込まれた生き物を「このままだったらほっといても絶滅するから」という理由で積極的に狩り尽くすなんていうのもあります。倫理観ゼロかお前らは…

今となってはビッグネームの小林靖子さん、荒木哲郎さんなども参加していて見応え抜群。とにかくこの凄さは、見た人にしか伝わらないところがある…!
田村ゆかりさん演じる蘭花ちゃんが時々見せる漢気や、デビューしたての新谷良子さん演じるミルフィーユの天然っぷりも印象深い。ド新人だった新谷さんの演技がどんどん上手くなってくのもなんか味わいあって良いんです。
これだけ無茶苦茶なことしといて、ちゃんとキャラに愛着湧かせるのは本当に桁違いの作品だと思います。


この9月で言うと、『よふかしのうた』も素晴らしいアニメ作品でした。


シャフトで鳴らした板村智幸の"癖"が漏れ出しまくっているed映像も最高の一語に尽きるんですが、なんといっても11話の超絶クオリティには舌を巻きました。

「吸血鬼である七草ナズナちゃんと出会うと普通の夜が紫に光りだす」という演出を軸に据えて進んでいった『よふかしのうた』。

こういうシリーズ通した演出って一貫性が出て素晴らしいんですが、回を重ねるにつれて見慣れてしまうのもまた事実だと思います。
良い悪いじゃなく、「よっ!いつものっ!」という感じでね…斬新さが次第に安心感へと変わっていくわけです。


しかしこのアニメはそれを許さない。11話でストーリーを大きく動かす探偵さん(cv.沢城みゆき)が登場すると、演出もまた大きく舵を切ります。

冒頭からこのクリーム色の世界…!紫・黄・青系統の夜描写が目立つ今作では珍しい落ち着いた色調は、逆に強烈な違和感を持って我々を襲います。このカットの遮蔽物を利用してキャラを三角形に収める構図、あまりに良い。

あまりに振り切ってる沢城さんの怪演っぷりはもちろんのこと、タバコの煙をガンガン利用して会話シーンを面白くしていく気概もたまりません。ラストで描かれるある吸血鬼の死亡シーンでは、朝焼けで反射した窓枠の光がまるで十字架のように吸血鬼の背中に射し込む

今までのただ純粋に楽しいことだらけだった夜を疑う気持ちが芽生えていく主人公の歩みシーンなんて、もう完全にシャフトの美意識ですよ。

このカットの『叛逆』感たるや!

とにかくこの11話は単話としての完成度がずば抜けて良かった…!もちろん全体通してのお話もLoveです、コトヤマ先生の描く細くてエロい女が好きすぎるので。



10月『モノノ怪』

こちらはもう1人のnote友達、深夜区トウカから勧められた作品。
いかにもヘビーなアニメだったので勧められてから見始めるまで、かなり待たせてしまったのですが、軟派なオタクでも見始めると止まらない!独特な世界観に引きずり込まれて気がついたら見終わっていました。

画面全体の和紙のような質感、特徴的な世界観設計…撮影さんがすごい苦労してそう。
そして止め絵でも十分成立してしまうクオリティと密度があるのに、動かすところはガンガン気持ちよくアニメーションしていく!

「もののけ」というワードが出た際に挿入される真っ黒のタイトルカットや、襖での場面転換。さまざまなシーンに配置される隠喩。(2話の帯が特に良かった!)
海坊主編ではこの純和風な世界観にクリムト風装飾を、化猫編ではゲルニカ風の美術を挿入するという凄技。ホラーは向いていないとされがちなアニメにおいて、不気味さを演出するためならなんだってするぜ!という姿勢が印象深い作品です。

汚い男や渋いキャラクターばっかりだったもんだから、チヨちゃんが貴重な萌えキャラだったんだけども…最終話でまさかの展開があったからなぁ…オタクは深く傷ついたので、『月刊少女野崎くん』見て癒されていた。


11月『エロマンガ先生』

基本的にラノベ原作作品はあんまり見ないのですが、『ワンダーエッグ・プライオリティ』の若林信監督が各話演出で参加なさっているのに釣られて視聴…………

そうしたらまんまと夢中になってしまった。沙霧ちゃん、萌え萌えすぎるよ……っっ!!
各ヒロインたちの作画があんまりにも良くて、見ているだけで萌えパワーが心臓に溜まっていくのが分かります。義理の妹とはいえ…とドン引きしてたオタクもいたようですが、そんな奴はまだまだ覚悟が足りない。萌えに身を委ねよ。

というのも、「沙霧担当アニメーター」なる役職が置かれているんですねこのイかれたアニメには。

出身スタジオのジーベックにおいて今作の監督、竹下良平さんのひとつ後輩にあたる小林恵祐さんがその役職に就き、沙霧中心のカットを手がけていらっしゃる。

作画wikiによれば小林さんは「リアル動作を意識したアニメート」が持ち味とのことですが、それも頷けるカットが1話から登場。
アクションアニメのファンという訳でもない軟弱オタクの私からすると、こういう可愛い演技が描けるアニメーターさん大好きになります。

それが1話で久しぶりにしっかりと口を開けてしゃべる機会が来たために、沙霧ちゃんのくっつきっぱなしだった上と下の唇がちょっと離れにくくなってるカット
これ見た時は「こもりきりな美少女」に対するこだわりとリアルさの追求が凄すぎて笑っちゃいました。

この細かさ…!

そしてやはり話題作だけあってセリフ回しやストーリーも面白かった…!2話で山田エルフ先生が「私がライトノベルよ!」と言った時は「高度な自虐!?」と思ったし、6話では「おまえ、ファッションビッチだな!」という最低最悪のセリフも飛び出したり、飽きることがない。

『エロマンガ先生』って脚本自体は良い意味でありふれた面白いラブコメアニメなんで、展開とかはコテコテの王道なんですよね。
でも、とにかく美少女が一瞬覗かせるささやかな萌えエロを逃さない。フェチズムにあふれたカットを演出するのがずば抜けている。

監督も「俯瞰めで上目遣いにするとか、体のパーツを見せること」「指やおへそ、足の裏といった、普段見えないような場所を見せる」こと。そして「生々しい絵」を意識していたらしく…マジで変態的なカット割が多数登場します。正直、アニメでここまでしっかりと興奮したのは『長瀞さん』以来かもしれない。

若林信の手がけた8話も、意味が分からないくらい良かった…これはいずれ絵コンテをちゃんと勉強して読み解きたいところです。


本編をたっぷり語りましたが、まだまだ語りたいことが尽きない!外せないのはop・ed映像でしょうねやはり…
沙霧ちゃんのダンスや各キャラクターのキメがアニメらしい気持ちよさに溢れていて、何度でも見返したくなる素晴らしいクオリティ!

公式が映像を挙げていないので各自配信サイトでその素晴らしさを楽しんで欲しいのですが、op演出を手掛けたのが当時21歳のアニメーター・演出家「ちな」さんというところが凄い。いや、この方の作品良くてサ…

『ヤマノススメ Next Summit』第7話Bパートでは脚本・絵コンテ・演出・作画監督を全て1人で担当するというユーティリティプレイヤー(狂人)っぷりを見せつけた「ちな」さん。
この7話はAパートも『ぼっち・ざ・ろっく!』の監督・斎藤圭一郎さんによるもので流石のクオリティなんですが、個人的にはBパートがあまりにもすごいんですね。

意図を感じる美しい構図

アバンから「上画像の構図→長めの脚映し→バストアップ」の流れがあまりに美しい。コミカルな作画やあおいちゃんと友人たちの距離がつまっていく心情を丁寧に描く各シーンは、全てが見応えたっぷり。お話全体の構成(画面・物語)共に最高の作品でした。

冒頭のシーンとラストのシーンをほぼ同じ構図でキャラの表情だけ変えるとかさ!!!!!オタクは好きに決まってるよな!!!!!

そしてメガネにちょっと画風の異なる過去回想を映して現代と過去の時間を無理なく繋ぐ…なんて高等テクニックも。ヤバスギル・スキルかよ

エロマンガ先生に参加したスタッフさんたち、あまりに若手が多いからこれから大活躍なさる方ばかりなんじゃないの〜!?とワクワク出来るのも、今作の魅力なのかもしれません。少なくとも私みたいにアニメスタッフさんの名前を勉強中の身としてはすごく面白い体験になりました。


12月『ぼっち・ざ・ろっく!』

説明不要のスーパーアニメ。いずれ個別に記事を書くつもりなので、文章量はかなり控えめにしておきます。

『ワンダーエッグ・プライオリティ』『その着せ替え人形は恋をする』でオタクはお世話になっているcloverの梅原プロデューサーの新作!

まぁ1話からあんまりにも最高だったんで10月にしようか、5話が凄すぎたんで11月か?と迷ったんですが…12月は少し多忙で過去アニメあんまり見れてない!という大人の事情で12月に。クオリティや凄かった点に関してはいつか書く記事に譲りたいところです。

とりあえず考えたいのは、この作品が話題になってすぐ、「令和のけいおん!」などと『けいおん!』と『ぼっち・ざ・ろっく!』を比較する投稿がネット上で相次いだことについて。

確かにその圧倒的なクオリティと楽器を操る女の子の姿、そしてきららアニメというある種のフォーマットが持つ共通性には『けいおん!』と『ぼっち・ざ・ろっく!』を繋げうるものがあります。

しかし、そんな安易にこの二作品を繋げて良いものだろうか?

デフォルメ描写は多くありつつも丁寧に女の子たちの柔らかい雰囲気を描き、バンドという連帯から生まれる日常のゆるやかなドラマで小さく稀有な感動を与える『けいおん!』。

意図的な作画の崩しや実写の挿入など飛び道具を使いながらも軸としてはリアルなバンド物語を描き、「ぼっち」という現代的なテーマ×スポ根的な暑さを合体させた『ぼっち・ざ・ろっく!』。

………一緒にしたくねぇ〜ッッ!!!と最終回の感動で咽び泣きながらオタクは思ったのです。
残念ながら多くのアニメ作品は時間が経つにつれ次第に忘れられてしまう運命にありますが、『ぼっち・ざ・ろっく!』は必ずその時の試練に打ち勝つであろう歴史的傑作。だからこそ丁寧に評価したいところです。いずれ敬意を込めて記事を書くからな、やってくれたなclover works…斎藤監督…けろりら様…梅原翔太P…


あと、1番好きな5話が『ワンダーエッグ』の座組で作られていたのがときめきポイントでした。最高かてオイ



おわりに

これは本当に信じて欲しいんですが、初めは各月の作品ごとに5〜6行のちょっとした感想コメントだけを書くつもりだったんです。だから大した文章量にはならないんじゃないかな〜って。息抜きになるな〜って。

上半期・下半期合計で約15000字弱書いとるやんけ!!!!オイ!!!!!!

旧年中に上半期下半期ともにアップしたいと思っていたんですが、怠惰により普通に間に合いませんでした。懺悔…

今年も既に『お兄ちゃんはおしまい!』に強烈な萌えのアッパーカットを喰らって夢中になっています。アニメってほんとに、常に何かしら見どころのある面白い作品が放送されていて凄すぎるな…

過去アニメに関しても、にゃるらさんが「観てないやつ、平成より先に終わるだろうね」と語っていた『えんどろ〜!』良かった!

久野さん演じるマオちゃんがやっぱり破壊的に可愛い…!
マオちゃんに絡む女戦士さんの変態性と、シリーズ構成の「あおしまたかし」さんが直々に脚本書いてる回だけ異常にテンポとギャグのキレが良いところがこの作品の見どころです。
ということは他の回は若干…………カルタード祭りの回とか特にね…………


あと、「オタクのくせに、今更見てんのかよ」枠の『カウボーイビバップ』もめちゃ楽しんで見ています。『えんどろ〜!』の隣にこの作品の名前が並んだの、恐らく地球史上初だろうな。

こんな訳で、アニメを語り出すと本当に止まらない!映像の専門家というわけでもないし、アニメオタクとしてもまだまだド新米ですが、ここまで楽しく記事が書けるだけでも本当に幸せなものです。

2023年も、アニメをたくさん観るぞ〜ッッ!!!!!!!!!!

上半期編もありますので、ぜひこちらも!

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