なかえ

96年生まれ。石川県金沢市出身。大学院生。美術史学を学んでいます。目は悪いです。どうぞ…

なかえ

96年生まれ。石川県金沢市出身。大学院生。美術史学を学んでいます。目は悪いです。どうぞよろしくお願いいたします。

最近の記事

美術館の外で、作品を考える。-「生命の庭」展レビュー

先日、東京都庭園美術館で開催中の「生命の庭」展に行ってきた。 アール・デコ建築として有名な庭園美術館。元々は朝香宮家の邸宅として使われていたという。小さな装飾から壁、天井の照明など、細かい所まで気が配られていて、なんだか心がくすぐられる。こんな住まいなら自粛生活も華やかだろうな、なんて考えてみたり。 各部屋には8名の現代作家による作品が置かれ、いずれも生命(自然と人間)を題材としていた。アール・デコというと、直線的な装飾が思い浮かぶが、所々に植物的なモチーフが隠れていた。

    • 生きるものへのまなざし-「鴻池朋子 ちゅうがえり」展レビュー

      先日、アーティゾン美術館に行ったので、僕なりに考えたことを書いておく。 現在、同美術館では3つの企画が同時に開催されており、 ・6階「鴻池朋子 ちゅうがえり」 ・5階「Cosmo-Eggs 宇宙の卵」 ・4階「石橋財団コレクション選」 という内容だった(上階から降っていくルート)。 今回は鴻池さんの展示について語りたいと思う。 鴻池朋子さん、恥ずかしながらお名前を存じ上げず、作品も拝見したことがなかったが、今回の展示で少しばかり理解することができたように思う。

      • 展覧会を言葉で保存する。

        先日、ある授業で、 「これまでに行った展覧会で一番心に残っているものと、その理由を教えてください。」 と課題が出た。 部屋に溜まっていた展覧会チラシやカタログなどを振り返りながら、 2年前に東京国立博物館で開催された「マルセル・デュシャンと日本美術」に決めた。 理由は、デュシャンの前衛的な作品と日本の工芸品や絵巻物が並置されており、あり得ない比較によって、両者を新鮮なまなざしで見ることができたから。 それっぽい回答のようだが、振り返ってみると、不自然に感じる。 チラシ

      美術館の外で、作品を考える。-「生命の庭」展レビュー