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思考力を身に着けるために全く身にならないことを長考する話

私はどうでもいいことでも
時間があれば長考して、
多角的で論理的な思考を獲得しようと
日々試みている。

今日はその内容自体は
全くみにならない内容を
なんとなく覚えていたので書いてみたい。


それはインターン中でのこと。

私はお昼ご飯に関しては、
なるべくお店で食べたいと思っている。

学生の身分であるため節約するのもありだが、
食という楽しみが人生において必要だと
最近は思っているためだ。

無論高めのところには行かず、
千円以下ですましている。

日に日に知っているお店が増えていく。

心情としては
未開の地を開拓する気分だ。

基本的に一人で食べにいくため、
誰かに気を遣うこともない。

好きな時間に好きなものを探究し発見する。

これはインターン中において
少なからずモチベーション維持につながっている行為だ。


今日も今日とてお店を探していた。

特段食べたい物が思いつかなかったため、
ブラブラと歩きながら店を決めることにした。

ふと中華の看板が目に入り、
酢豚が私の食欲を掻き立てる。

私は考える間もなく
その看板のある中華屋に入店した。

頼むのはもちろん酢豚である。


久々に食べる酢豚だったためか
特段不満もなく非常に満足のいく昼だった。

これで午後に対する英気を養えた。


私は酢豚を残さず完食すると
お茶を飲みながら一息ついていた。

その時ふと店の中にある
コース料理の内訳が目に入る。

やはり中華なので
北京ダックやフカヒレなどのコースであった。

久しく食べていないななどと思っていたその時である。

コースの内容の下側に問題の文章が鎮座していた。

正確には覚えていないが、
「コース料理終了後に食べ放題が無料で注文可能」
と言った文章だった。

私は思わず二度見してしまった。

私の認識では
コース料理と食べ放題はセットにならない。

コース料理ってそれ単体で
お腹を満たす仕様では?


私はここで考えるのをやめるような人間ではなく、
何も得をしないと思いながらも
どんな可能性があるか考えてみた。

まず最初に考えたのは
ひょっとしたら私の認識が
世間とずれている可能性。

世間ではコース料理と食べ放題は
当たり前のように共存していて、
それを私が知らないだけ。

しかし、
この可能性は二十年以上生きてきた私が
今まで一切そのような店を知らずに
生きてきたということになる。

そのようなことが
果たしてあり得るのだろうか。

あり得なくはないだろうが、
その可能性はほぼゼロに近いはずだ。

もし真実であったとしたら、
私は相当にクレイジーになってしまう。


他にも可能性を探究してみる。

もしかしたら中華では
このような組み合わせはよくあるのかもしれない。

私も中華のコースは
長い時間食べていない。

そのため
コース料理と食べ放題という組み合わせが
不自然に感じてしまっている可能性。

これもなくはないだろうが、
先ほどと同じ理由で否定したい。


別の角度から考えてみる。

もしかしたらこの近辺の人々は、
フードファイター並みの胃袋が標準装備であり
コース料理だけでは物足りないという
とんでもない需要と供給が成り立っているかもしれない。

私がこの近辺の人々の胃袋を調べたわけではないため、
こうした需要が存在する可能性はある。

私が異常ということではなく、
この近辺が異常というパターン。

これもあり得なくはない話だろうが、
よくあるオフィス街の人々が
こぞってフードファイター並みという事実は
あまりにも衝撃的すぎるためこれも却下。


最後に思いついたとんでも案は、
この店のコース料理が
少なめに作られている可能性だ。

これは今まで考えてきた
お世辞にも現実的と言えない案よりも
よっぽどマシである。

様々な料理を食べていただきたい。

そのような思いから
コース料理のボリュームを減らし、
食べ放題までもつけている。

そんな想像を膨らませたが、
果たして本当にあり得るだろうか。

そもそもコース料理を頼む層は
様々な料理を食べたいという欲求がある。

そのためコース料理を頼んだ時点で
この欲求は満たせているのではないか。

さらにコース料理特有の頼まなく良いという
利点を潰してまで食べ放題を付けるだろうか。

しかし今までの案よりも可能性は高いため、
明確に否定はできない。

結局この組み合わせは
私が怪しい人になってまで店に聞きたくなかったため
真意のほどは謎のままだ。


こんなどうでも良いことでも
こんなにも考えられることだけは
誇れるような気がする。

しかも誰かとではなく一人というところが
虚しいが逆に凄さでもある。

このような思考をしていると
確かに思考力は鍛えられている気がするが
自ずとひねくれる点だけには注意が必要だ。

もちろん私は手遅れであるが、
思考力は上がるので鬼のように
やることがない時はやってみてもいいかもしれない。

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