03 What Stéphane Mallarmé Has Seen

この曲も1, 2曲目と同じく、ビートが12小節単位となっている。一方で旋律パターンの多くは8小節あるいは16小節単位であるため、ループがずれて重なることで、新たなパターンが生み出される。こうした手法は、スティーブ・ライヒなどのミニマリズムの作曲家たちの技法にも通ずる。


楽曲全体の見取り図は以下の通り。

画像5


まず12小節単位のビートと共に、ストリングス、ピアノ、低音のシンセ(Synth1)が同時に登場する。

ピアノの旋律は以下の通り。ディレイを伴って、ビートのアクセントに一部同期しながら断続的に奏される。

画像5

Synth1は以下の通り。

画像5

ストリングス(St)の譜面は省略する。

これらの旋律と、メインとなるビートは、楽曲全体を通して、一部変奏されながら反復する。


これらの旋律は楽曲前半で3回反復されるが、3回目で以下の旋律(Synth2)が登場する。

画像5

ビートは12小節単位であり、Synth2は16小節単位のため、ビートの3回目のループの2/3の位置から4回目のループにかけて、Synth2が重なる。


その後ビートが停止し、以下の旋律(Synth3)が登場する。

画像5

この旋律は8小節単位であるが、2回目の反復からビートが重なる。ここで登場するビートは、楽曲前半のビートとは異なり16小節単位となっている。


16小節単位のビートが停止すると同時に、冒頭と同じストリングス、ピアノ、Synth1が再登場する。24小節後に、冒頭と同じ12小節単位のビートが再登場するが、ピアノは16小節単位のため、ピアノのフレーズの2回目の反復の中途でビートが登場することになり、ここでも新たなパターンの重なりが生まれている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?