08 Shamanic Birds Of Healers

精緻にエディットされたビートが印象的な楽曲。恐らく、ピッチ処理や、スタッター、ビットクラッシュ、フィルターなど様々なエフェクトでビートを処理した後、細かく切り刻んで、再構成していると思われる。


これまでは6小節と8小節など、3と4のずれで構造化した曲が多かったが、この曲では、ビートが9小節単位、旋律が12ないし24小節単位となっている。


冒頭のフレーズ。柔らかい音色で緩やかに動くパートと、FMのような鋭い音色で間欠的に動くベースラインが、対位法に動く。ベースラインの開始点は様々に変化しており、予測しにくい。

画像1


3回目のループで、ベースラインがより安定した音色に変化する。リズムもほぼ一致して動き、安定感に寄与している。

画像2


続くパートでは、16分で刻むアルペジエイター的な音が加わる。この音色は、4度ないし5度音程を用いており、本来のスケールにないA#の音が経過的に現れ、ドリアン的な色彩を加える。


その後、冒頭の鋭い音色のベースラインが再登場し、間欠的に鳴らされる新たな音色のコード音も加わる。その後、数回の停止を挟みつつビートはさらに細かく刻まれていき、楽曲のクライマックスを形成する。

画像3

ビートとフレーズの単位がいずれも3の倍数であるため、これまでの楽曲よりも”ずれ”による構造化のパターンは少なくなっているが、その分の情報量を、細かいビートの音色の入替や、数回のブレイクによる緩急の変化が補完している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?