04 Warmth Of The Invisible Love

高速で刻まれるビートと、力強いメロディが印象に残る楽曲。前半と後半でほぼ同じ音楽が繰り返され、これまでの楽曲の中では平易な構造をしているが、旋律のパターンが24小節単位で切り替わっていくのに対して、ビートは18小節単位でループしているため、ビートのループ感が和らげられ、延々と展開していくような印象を与えている。


楽曲はビートと共に以下のフレーズで始まる。

画像1

4度や5度の響きがメイン。13〜24小節目は、1〜12小節目を逆行したものであることに注意。また、37~48小節目は、13〜24小節目の反行型になっており、25〜36小節目の音の動きは37〜48小節目の逆行型になっている。


後半には以下のフレーズが加わる。

画像2

フレーズの後半部分がまず現れ、続いて上のフレーズの全体が、以下のフレーズと共に表れる。

画像3

ここまで白玉の4度や5度の空虚な響きがメインであったが、上のフレーズでは3度が使用され、メロディックに動くため、エモーショナルな印象を与える。またここで、5度の積みに伴って、本来のスケールにないC#が初めて現れる。


次に楽曲中で最もメロディアスな以下のフレーズが現れる。

画像4

ベースラインはCナチュラルを響かせる一方で、このメロディはC#を用いていることが注目される。中域と低域で対位法的に動くことにより、不協和な印象は回避されている。


また、このフレーズは、旋律の動き、音色など、Aphex Twinの楽曲"4"をやや彷彿とさせる。以下は"4"の冒頭のメロディ。

画像5

"4"では、次に以下のメロディが現れるが、旋律間の音域やメロディの動きの対比の面で、本楽曲と近しい要素を感じる。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?